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調味料『かんずり』おいしいよ。



このコスパ、タイパが騒がれる世の中で、

マイペースを貫き完成までに4年かけちゃう調味料。

その名は『かんずり』


かんずりは唐辛子を発酵させた辛味調味料。

さまざまな料理の美味しさを引き立ててくれる名脇役…

と、

『私、調味料ですから』的な顔をして、シャープで小振りな瓶に入って他の調味料に紛れておきながら。

一匙入れたが最後、料理すべてを『かんずり』色に染めてしまう、オソロシイヤツである。


いつき的なおすすめの食べ方としては

味噌汁、豚汁、うどん、そば、味噌ラーメン、鍋、おでん…

焼き鳥、焼き肉、冷奴、油揚げ、納豆…


まだまだあるだろうが、今思い付く限りではこんな感じ。

昨日旦那さんが、

『何でかんずり入れたラーメン屋が無いんだ!絶対売れるのに!!』

と熱弁した際、間髪入れずに

『かんずり入れたら、ラーメン屋さんコストかかり過ぎだよ。』

と、ツッコミを入れた所、大変ションボリさせてしまった。

とにかく、醤油、タレ、麺つゆ系に溶かすともう最高。

よりかんずりを楽しみたいなら、ちょんと直乗せで食べるのも贅沢だ。

新潟の郷土料理らしく、日本酒のおつまみ系との相性も抜群で、飲兵衛好みの味である。


試したことは無いが、ポテトサラダなどにも合うらしい。

結構、万能な調味料。

とにかく、『かんずり』を一匙加えただけで、香り・風味・味…あらゆる美味さのバロメーターがお店レベルの味になる。(と、いつき夫婦は思っている)

じゃあ、味変に。
お料理の一部に『かんずり』をば…

例えば、

お刺し身一切れにちょこんと載せて、醤油につけて食べたが最後。

もう、残りの刺し身も全部『かんずり』無しではいられない。

一口で、その食べ物を『かんずり』無しでは満足出来ない身体に作り変えられてしまう。

焼肉のタレに溶かした日には、昇天ものだ。

今日は、そんないつき宅のお気に入り調味料『かんずり』について調べてみようと思う。



かんずりとは何者か


『かんずり』は新潟県妙高市に伝わる、唐辛子を発酵させた辛味調味料。

材料は地元産のとうがらし・糀・柚子・食塩だ。

地元では、一家にひとつ常備されているくらい食卓に根付いた調味料らしい。

いつきにとっては、
新潟のおみやげ処には必ずと言って良い程並んでいる、美味しいのは分かっちゃいるけど、高いからなかなか買えない、家にある時にはちょっとリッチな気持ちになれる、高級調味料と言った印象を持っている。

貰ったらめちゃ嬉しいが、
残念ながら新潟県民なのでなかなかお土産に貰える機会はない。

一年で一番寒い日に仕込まれることから”寒造里”(かんずり)とも書く。

新潟県妙高市(旧新井市)に伝わる伝統の発酵調味料で、妙高市は特別豪雪地帯にも指定されているほど雪が多いため、厳しい寒さで冷え切った体を温めるために昔から食べられているそうだ。

上杉謙信がヨーロッパから伝来した貴重な唐辛子を京都から持ち込み、農民に分け与えたのが始まりと言われている。

上杉謙信、領民想いの太っ腹である。


驚いたことに、新潟のおみやげ処と言えば必ずと言って良いほど見かける『かんずり』を製造・販売しているのは、有限会社かんずり一社のみらしい。

もう社名でかんずり言っちゃってる。

本気度が伺える。


コレだけ新潟土産の顔である。

当然、何社も参入していると思っていたのだ。

でも、『かんずり』は製造に4年掛かるらしい。

いつきは思った。

そんな気の遠くなる様な商品を、このタイパ、コスパを求められる世知辛い時代に造り続けるには、並々ならぬ『かんずり』への愛とこだわり、余程の覚悟が無ければ会社としてやっていけないのかもしれない…と。


一体、何に4年も掛かっているのか?


すみません。

見出しは決して、馬鹿にしているわけじゃないんです。

純粋に不思議だったんです。

と、言う事で。

何に4年も掛かっているのか純粋な気持ちで調べてみた。


【1年目】

素材選び〜苗床から畑へ /4〜 5月頃

『かんずり』作りは、自社栽培と妙高市の契約農家で『かんずり用唐辛子』を栽培するところから始まる。

雪の多い年は除雪車で雪を掘り起こし、土を出して苗床作り…

もう、植える前から重労働…


⬇️

収穫 〜選別・洗浄・塩漬け / 8月~11月

傷がついた唐辛子は腐りやすくなるため、一本一本丁寧に収穫、選別、洗浄!

その後、天然海水塩で塩漬け。

⬇️

雪さらし / 1月~3月

秋に塩漬けされた唐辛子を大寒の日(1月)から雪にさらす。

有限会社かんずりHPより


唐辛子ひとつを、さらす期間はだいたい3・4日。

毎日、天気予報とニラメッコしているらしい…

確かに、その時期に雨、雪の落ち着くまとまった雪さらし日和を探すのは至難の業だろう…

そして、雪さらししたものから回収、洗浄。

しかし、その回収作業が大変らしい。

雪にサンドイッチされた唐辛子を掘り起こす。

時には、1メートル近くも掘り起こす事もあるそうだ…


涙無しには語れない。

もう、唐辛子の遭難救助である。

雪の積もった駐車場に家の鍵を落とした苦い記憶を思い出してしまった…(/_;)ツライ

効果としては、
唐辛子の強いアクを雪が吸い取り、塩抜き効果と共に辛味がやわらかくなるそうだ。

⬇️

元仕込み / 1月~3月


雪さらしの済んだ唐辛子に、糀、柚子、食塩を加え、ここから3年間大切に管理しながら熟成させる。

【2年目】

手返し / 6月~7月

『かんずり』の樽を一本一本手返し(空気を入れて醗酵を促す作業)する。

気温が上昇する8月前にすることにより、一層醗酵を促す。

樽の置く場所により、醗酵速度が変わってしまうため、均一に醗酵させるべく何度も樽の位置替えをおこなう。

【3年目】

熟成醗酵 / 丸3年の間


仕込みに足掛け4年間、じっくりと熟成醗酵。

その間、一年に一度、手返し。

度々、樽の位置替え。

手間ひまかけて、ようやく完成!

⬇️

瓶詰め・袋詰め

⬇️

出荷

⬇️

いつきに美味しく食べられる。


参考にさせてもらったサイトさん⇩



調べた結果、大変中身の詰まった、必要不可欠な4年間だった。

そして、
その手間と品質を思えば決して高くないお値段だった。

調味料『かんずり』おいしいよ。


新潟に遊びに来た際には、自分や人へのお土産に是非どうぞ♪


あぁ…

かんずりたっぷりの焼肉のタレで、焼き肉食べたくなったぁ〜〜〜!!


#エッセイ
#note
#かんずり
#新潟
#いつき

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