見出し画像

【大学入試日本史】オススメ一問一答①【石黒拡親先生の渾身の一冊】

★はじめに

どうもこんにちは。
とある進学校で、地歴公民の受験指導をしています。
今回は、大学入試の受験生向けに、または受験指導をされている先生向けに、大学入試日本史でのオススメ一問一答について、いくつか記事を分けて紹介していきます。

今回の記事で紹介する私のオススメは、こちら!
石黒拡親『日本史用語2レベル定着トレーニング』です!!!

★著者の紹介

著者の石黒拡親先生は、河合塾でお勤めの予備講師です。
「ウソはったりのない、入試に直結する講義」をモットーにされており、
「何をどれだけ覚えれば合格できるか」を徹底して指導されている先生です。〔公式HPはこちら→https://www.derutoko.com/index.html

★この一問一答の凄いところ

この一問一答の優秀なところは、
石黒先生が大学入試の過去30年分のデータを分析し、本当に入試に問われるところだけをまとめてくれている点です。
内容をちゃんと仕上げれば、MARCHレベルはもちろん、早慶上智の日本史の基礎まで網羅できるような内容です。
MARCHレベルの過去問を解いた後に、間違えた部分をこの参考書で確認すると、ほとんどこの一問一答の中に載っています。
扱っている情報がドンピシャ過ぎてすごいです。驚愕です。
早慶上智の日本史ならば、過去問を解きながら足りない知識をこの一問一答に書き加える…という学習をすると、最強の用語集が出来上がります。
(そんなにすごい一問一答なのに、教員も生徒も持っている人が少なすぎる…泣)

★ただ、弱点もある…

もちろん、この一問一答には弱点もあります。
大事な部分が赤字で記されているのですが、ある程度教科書の知識がないと、なぜそれが大事かが見抜けないように作られている点です。
参考書の作り方が非常に淡白で、文字情報の羅列の中に赤字しかないため、
「なぜその知識を覚えなければならないのか?」「他の単元とどのようにつながるのか?」といった理論のところがすっぽりと抜けています。

AMAZONより引用。頻出度は的確。でも、内容が硬派すぎる…。(私はめっちゃ好き)

持論としては、歴史を覚えるときには前後のつながりと個別のエピソードが大事だと思っているのですが、そちらに関しては動画でやや補われているものの、物足りなさを感じます。
この一問一答は、まず教科書のある程度の知識を身につけ、その後に読み込むと、かなり実力が付くように出来ているのではないでしょうか。
分かる人には凄さが分かるという、やや玄人向けの一問一答というのが私の中での評価です。

★教員こそ読むべき本!

我々高校教員は、日々の雑務や生徒対応、はたまた保護者対応に追われており、大学入試のプロである予備校講師の方々と比べると、入試問題の分析が徹底されていない印象を受けます(自戒の念も込めて)。
時間の制約上、徹底した入試問題の分析は相当厳しいです。

また、日本史探究や歴史総合が始まったこともあり、教育現場では受験に直結する指導よりも、資・史料の分析を通して世に出て役立つ実学的な歴史を教える指導を求められるようになりました。
一方で、大学の準備する問題(国公立二次や私大の問題)を見ると、入試改革以前のものと大きく変わらないように思えます。
つまり、現場の教員は、授業の中で、大学入試のための歴史と探究するための歴史を両立しなければならないというジレンマを抱えています(入試改革の前からこの問題はありそうですが、入試改革によって探究要素が強調されたことで、この問題はより浮き彫りになったのでは…?)。

私は教員になってからずっと、「大学入試で問われやすい知識に寄り道をしながら、生徒とともに歴史を探究する授業」に挑戦しています。
その際に、大学入試のでるとこをまとめた石黒先生の著書が非常に役立っています。
自分の授業で扱っている知識が大学入試の内容を逸脱していないか、また、資・史料の検討をするうちに必要な知識を生徒が習得できているか、といった一つのバロメーターとして、この本を使用させていただいています。
むしろ、今回紹介させていただいた一問一答は、教員の授業づくりで役立つ一冊なのではと解釈しています。

★まとめ

私は、予備講師や参考書が大好きという特殊な高校教員なのですが、大ファンの石黒先生の著書を紹介出来て私はスッキリです(笑)

最後に、今回の要約を簡単にまとめておきます。
石黒拡親『日本史用語2レベル定着トレーニング』は、大学入試日本史のでるとこを的確にまとめた一冊。超オススメ。
・ただ、ある程度知識がある生徒向けの玄人向けな印象。
・むしろ、我々教員が読むと、大学入試と探究活動の両立を意識した授業が出来るようになる(はず)!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?