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【医療コラム】  私立中学校退学処分となった発達障害の娘

 

■ 私立中学校を退学処分


私には発達障害の娘がいます。私立の中学校に通っていましたが、学校側から相談をされて、自主退学ということで中学2年の2月に学校を辞めさせました。学校に通っていた頃の彼女は、学習面でも同級生に対しても問題を抱えることが多く、個別指導、親の呼び出しが頻繁にあり、その結果のことでした。
 ただ中学校は義務教育ということもあって、私立の学校を辞めた後は公立の中学校に入らなければいけません。ですが、その中学校も、娘が私立中学を辞めた理由を知っているため、受け入れに対して懐疑的でした。
 一般的な常識で当てはめて考えてみれば、娘には悪いところがあるのですが、娘には娘の正義があり、自分だけが悪者にされているということが気に入らなかったようです。公立の中学校には、結果行きませんでした。
その頃の娘は、先生、同級生にたいして不信感を抱いていたように思います。
 その頃の娘の毎日は、公立校に面談に行ったり、教育センターで検査や面談をしたりしていましたが、それ以外はぼんやり過ごす日々でした。ですが親としては、高校にも通ってほしいですし、できれば大学にも行ってほしいと思っています。そこでこれからどうするのかを決めたのが、娘が中学3年になった5月です。

■ 高校受験したいの?
 結論として、娘の希望は自宅で勉強をして、高校は通信制かサポート校を目指すことでした。とはいえ、勉強も遅れていましたから、基礎からきちんと教える必要もあります。そこで私たち夫婦で勉強を教えることにしました。ですが、教えようとしても娘にやる気がなく、落ち着いてイスに座ってくれません。ただ、厳しく叱ったり、もう高校には行かなくていいと突き放した言い方をすると、その時だけは勉強するというような毎日です。

「本当に高校に行きたいの?」 そう詰め寄ると、中学校3年生の娘が泣きながら、「行きたい」と言うのでした。

 娘の気持ちを考えれば、児童精神科医の父として彼女に対して怒るだけではなく、「大変だったね」といたわりの言葉をかけてあげたい気持ちもあるのですが、勉強をしないまま過ごすのを放置するわけにもいきません。私も専門分野ながら発達障害の子育ての難しさを実感しました。

■ サポート高校の中学部に通学したものの

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