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新書「年収443万円安すぎる国の絶望的な生活 」感想

 内容は“今の日本”という感じで
共感しました。
個人的にとても共感したところは、
とにかく現代は子育てにお金がかかる!
子どもにお金をかけなくてはいけない世の中だ!
というところですね。
就職氷河期派遣社員についても
たくさん触れていますが、
わたしには、子育てで時間も
お金もなくなる例が印象的でした。


 収入が少ないのもありますが、
とにかく入ったものが右から左に
出ていく感覚は拭えません。


 同じ収入でも、子どもの人数
暮らし方が全く変わりますし、
小中学校から私立なのか公立なのかでも変わりますし、
子どもが高校を出てから進学するかでも変わりますし、
進学先が国立なのか、私立なのか、専門学校なのか、
理学部なのか、文学部なのか、
大学院にすすむのか、で
またさらに差が出ます。



 少子化・・・・
そうなりますよね、としか言えないです。
子どもを持てば、こんなに良いことがありますよと
堂々と言えないような
今の日本の不景気さがなんだか悲しい。
親になって良いことや喜びや楽しみもたくさんあるけど、
とにかくお金がどんどん出ていくのが
現実です。
そして、お金だけでなく、
自分の時間もなくなります。



『年収443万円安すぎる国の絶望的な生活』

著 小林美希

講談社現代新書 2684

内容は、第1部から第3部に分かれています。



 第1部は平均年収以上
年収520万円〜660万円
40代前後の人たちの生活の様子です。
平均年収以上でも日々節約に励み、
「平均年収では“普通”に暮らしができない国」
現実について書かれています。
出てくる方はみんな
真面目な方ばかりでした。


 第2部平均年収120万円〜300万円
下回る人たちです。
ただ世帯年収はまた違います。
こういう仕事の内容で、このような年収ということです。
こちらも本当に真面目な方ばかり。
真面目さがたたって、
より苦しくなっているように思えます。
こういう人に税金を使うべきなのでは、
というような内容があったりして、
暗い話ばかりで、若干疲れてきたころに・・・



 第3部に入ります。
第3部
は著者の小林美希さんの
経験談から始まり、
どうして日本がこんなふうになっていったか、と
このままではだめになってしまう理由
とても分かりやすく書かれています。
そして著者の小林美希さんが、
キャリアよりも真実のために
仕事をしているのがひしひしと伝わり、
かっこいい!
一気に眠気が吹き飛びました。
写真は穏やかそうな雰囲気の方ですが、
まるで映画に出てくるようなジャーナリスト
とても考えさせられました。




 結局、声をあげなくてはいけない人が
毎日の生活に忙殺され、
声をあげれない
というのは、
本当にそうだなと思いました。
この本を読んで、
もっと日本の未来について考えるべきだと思いました。




 親も祖父も政治家という人より、
こういう方に日本の未来を預けたいなぁ〜。


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