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映画「ライトハウス」神話と古典文学を織り込んだA24の恐怖と狂気のスリラー

 昔は灯台での謎の事件が多かったようですね。
孤島で、限られたメンバーだけでいるのは
過酷なのが想像できます。 
1900年に起きた
アイリーン・モア灯台事件を知っていますか?
フラナン諸島最大の島・アイリーン・モア島の灯台守3人が、
食事の準備をしたまま
忽然と消えてしまった事件です。
今も真相は分からないままです。


 その事件を題材にした小説

エマ・ストーネクス『光を灯す男たち』
(訳 小川高義 新潮社)



その事件を題材にした映画「バニシング」(2019年・英)




 『ライトハウス』は、1801年に
イギリスウェールズの灯台で起きた事件がモチーフになっていて、
その事件とは、
孤島の灯台で2人の灯台守の1人が病死し、
残された灯台守は死体と何週間も一緒に過ごすはめになって
気が狂いそうになったということです。

 



「ライトハウス」(THE LIGHTHOUSE)

監督 ロバート・エガース
2019年 アメリカ・ブラジル


 『ライトハウス』の特徴をつにまとめますと



① 白黒で最後まで


 2019年制作なのになんでモノクロ?
と思いましたが、違和感なく観れました。
もはや、モノクロで良かった。
世界観がモノクロにぴったりです。
カラーだったら生々しすぎて、
違うものになっていたかも?



② 不潔・不衛生


 この映画は画面から悪臭がただよってくるのではないか
と思うくらい
不潔さがすごい。
不衛生感もすごい。
こんなところに誰かと二人きりで閉じ込められたら
わたしは気が狂うかも?
観ていて、掃除がしたくなりました笑。



③ 映画賞を33受賞133ノミネート


こだわりと美しさによって
アカデミー賞®撮影賞にノミネートされるなど
世界的評価も獲得し、
カンヌ国際映画祭監督週間でのプレミア上映では
大喝采で迎え入れられたそうです。
これが、世の中で評価されるんだ・・・
とちょっと驚きましたけどね。


 でもやっぱりA24はすごいなと思いました。
お気に入りになるかどうかは別として、
これだけたくさんある映画の中で印象的なものを
作り出すということは半端なことではありません。
この映画もかなり印象的です。



 神話の話など織り交ぜているのが良かったです。
古典文学の部分はどこの部分なのか分からなかったです。
分かるとさらに面白みが増す構成なんでしょうが、
どこの部分なのかわかりません。
分かっている方がいたら、ぜひ教えていただきたいです!




『海の神 トリトン』・・・ゼウスの兄、海の神ポセイドンの息子。
リトルマーメイドのお父さん。

『プロメテウス』・・・人間に親切で、人間に火(文明)をもたらした。
ゼウスからの厳罰で毎日鷲に肝臓を食べられた。


 この内容をしっかり頭に入れておくと
さらにこの映画を楽しめると思います。


参考にしたものはこちら


 この本すごく分かりやすくて、
理解しやすいのでおすすめです。




 ラストが自分的にすごくすごくよかった!
それまでの不潔さも一気に吹き飛びました。
それまでのものが序章になり、
一気に高貴なものに思えました。



 気になった方は是非観てください〜。




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