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雨音とクマさんの記憶
今日は朝から雨の音が聞こえていた。
部屋の中にいても、その音の大きさで
雨の強さが分かる。
降ってきた雨が何かに当たる音。
当たる素材によって、音が違うのも面白い。
小学生の頃、雨が傘に当たる音が好きだった。
小学一年生のときに使っていた傘は
一部が透明なビニール素材になっているタイプのものだった。
全体は黄色で、透明の部分はクマさんの顔の形だった。
その透明のクマさんから、空と水滴を見ながら
歩くのが好きだった。
大人になった今、クマさんの傘は使わない。
透明のビニール傘も持っていない。
でも、雨の日には、あの透明のクマさんを思い出す。
正直、雨の日に出かけるのは面倒だし
家の中にいても低気圧でしんどくなることがある。
そんな憂鬱なときこそ、クマさんのことを思い出す。
あのときの自分と同じ自分なのに
ずいぶん大きくなって
変わっていたり、変わっていなかったりする。
雨の音をBGMに仕事をしたり
読書をしたりするのは
なんか好きだ。
いつも流している音楽やポッドキャストも
止めてしまうくらいに。
きっと、クマさんのおかげだ。
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