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ミラノサローネ国際家具見本市2021年9月に行ってきました①世界のサステナビリティの今

2021年9月5日 (日)〜10日(金)に開催された「第60回 ミラノサローネ国際家具見本市 Salone del Mobile.Milano 2021 ( 以下、ミラノサローネ )」に弾丸で行ってきました。

その時の様子をレポートします!

今年の展示会のキーワードの1つは「サステナビリティ」

製品やデザインのあらゆるところで「サステナビリティ」の要素が目に付きました。第一弾は、そんな様子の一部をお伝えします。

ミラノサローネとは

ミラノサローネは1961年から続く、世界最大規模の国際家具見本市。

2019年には世界188カ国から約38万人が訪れたとのこと。例年この時期にはミラノのホテル価格が3倍になります。

例年4月開催ですが、昨年はコロナのパンデミックで開催中止。今年も4月の開催が9月に延期。満を持しての開催となりました。

今年のミラノサローネ2021の特徴の1つは「スーパーサローネ(特別展)」。通常隔年で開催されるキッチン用品の展示会と照明・ライティングの展示会が、今回限りで、同時に両方開かれました。

また、今回はデジタルプラットフォームと融合。オンラインで顧客はその場で購入できるようになりました。

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到着!会場はロー・フィエラ・ミラノ。郊外にあります(イメージは幕張メッセ)。

今年は一般にも毎日オープンしているので、チケット(15€:2000円程度)を買えば個人でも入れます。グリーンパスは見せました。コロナ禍ではありますが、運営側の予想を超え、合計6万人訪れたとの事です。

グリーンな展示会:Forestami

入口に着くと、グリーンの木々が出迎えてくれます。

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こちらはミラノの都市緑化プロジェクト 「フォレスタミ – Forestami 」の一環。

ここロー・フィエラミラノの東口には、ミラノサローネと「フォレスタミ」のパートナーシップにより提供された約100本の木が植えられています。

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設計はフェデリコ・オルティカ、音楽はマルコ・メンゴーニ。

入口から、「グリーン」「サステナビリティ」がキーワードのようです。

中に入ります。

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とある室内アートの展示。「触ってみて!私は本物よ」

こちらは、水をあげずとも20年もつという、室内壁のアートです。

作り手は、話好きなイタリア人おじさんで、盆栽の話で盛り上がりました。

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各社、「グリーン」「ナチュラル」を訴えた製品を並べていますね。

幻の卒業制作展:The Lost Graduation Show

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ミラノサローネ2021の特別展「supersalone (スーパーサローネ)」では、「The Lost Graduation Show(幻の卒業制作展)」として、世界中のデザイン学校の生徒の卒業制作を集めた展示がありました。

キュレーションはアンニーナ・コイヴ(Anniina Koivu)、もちろん、ミラノサローネ史上初の試みです。

コロナ禍の状況下でプロジェクトを発表できなかった2020/21年の卒業生の作品の展示を行います。

7月の報道では、参加校は、59か国300校に上るとありました。

この卒業制作はすごく興味深かったです。

ここでもやはり「サステナビリティ」をテーマにした作品が目につきました。

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↑ある日に拾ってきたあらゆる物質を使って作られた器
メッセージは「捨てるものは何もない」でしょうか。

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↑こちらは「オーバーツアリズム」を揶揄したもの。
ビーチに人が溢れすぎて混み合っていることを表しており、メッセージには「サステナビリティ」への問いがあります。

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↑動物の骨で出来たオーナメント

食肉産業においては、屠殺段階で動物全体の48%が無駄になります。骨など使われずに捨てられたものを使って作ったアートです。

食卓のキッチン用品もサステナブルに

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↑オリーブの木を使ったまな板やテーブル用品。
現代ではプラスチックの半分使い捨てのまな板がほとんどですが、木のまな板は母から娘に受け継がれるとのこと。

料理をする時の音を想像してみて下さい。

心地の良いコンコンという低調音が響くでしょう。

出来た料理を美味しく食べる瞬間を想像しながら、このリズムに合わせて野菜を切るのです。

小さい頃、母が使っていたまな板で、今日の食卓を作る。そんな丁寧な暮らし、素敵ですよね。

ちなみに、木ってなんとなく柔らかい。木目を見るとリラックスするのは私だけでしょうか。

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↑こちらはドイツの会社Koziolの100%環境ニュートラルな材料でできたテーブルウェア。

1927年に、象牙加工をする会社として誕生しましたが、やがて、時代の流れや消費者のニーズに合わせて、プラスチック製の雑貨を扱う会社になりました。日本でもKozolの雑貨は手に入ります。

その会社が今、グリーンな材料で代替した雑貨を出しており、この展示会では最も目立つところにこの展示をしていました。

ミラノサローネ史上最もグリーンな展示会

今回のミラノサローネ2021はミラノサローネ史上最もグリーンな展示会だったのではないでしょうか?

世界のサステナビリティの高まり、アフターコロナを見据えた家具キッチン用品のトレンドを反映しているように思いました。

この流れが人々の食やライフスタイルをどう変えるのか、企業は本質的に何を目指すべきなのか、文化との関連性をどう捉えるのか。

考えたいことは山ほどありますが、まずは発見の共有まで。

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When you are in Milan, do as Milanese do. 
郷に入っては郷に従ったアペルティーボです。
(キアナ牛のコッパ、生パンチェッタ、バローロに浸かったプロシュートのクルードとコット、ベルガモのモルタデッラ)

ではでは、A presto!

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