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ワンダーウーマンの武器は「真実を語らせる縄」 それは作者がウソ発見器の発明者だったから

映画 【ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密】(2017)

個人的感想:★★★★☆

あらすじ:

 1928年、ハーバード大学で心理学の研究をしていたマーストン夫妻(ウィリアムとエリザベス(英語版))は、オリーヴ・バーン(英語版)を助手に採用した。オリーヴはフェミニストの活動家として有名なエセル・バーン(英語版)の娘であった。オリーヴは嘘発見器の開発やDISC理論(英語版)の研究を大いに助けた。一緒に仕事をしているうちに、3人はどんどん親密な関係になっていった。その関係はやがてポリアモリーに至った。
3人の特殊な関係が大学内で噂になったため、マーストン夫妻は教授職をクビになってしまった。その直後、オリーヴの妊娠が判明したため、彼女はマーストン夫妻と同居することになった。3人はポリアモリーの続行を決めたが、周囲にそれがバレないような振る舞いを心がけた。3人はニューヨーク郊外で幸せに暮らしていた。エリザベスとオリーヴが同時に妊娠するというハプニングも起きたが、「オリーヴは未亡人なのです」と近所の人たちに釈明して難を逃れた。やがて、ウィリアムは作家としてのキャリアを歩み始めたが、一家の生計を支えたのは秘書として働くエリザベスであった。オリーヴは子供たちの面倒を見る傍ら、小説を執筆してそれを出版社に送付していた。3人は4人の子供を育てることになり、エリザベスは娘の一人にオリーヴにちなんだ名前を付けた。
ウィリアムは偶然立ち寄った画廊に展示されていた作品に衝撃を受けた。店主のチャールズ・ギエット(英語版)が集めたフェティッシュ・アート(英語版)がウィリアムのDISC理論を実証するようなものだったからである。当初、エリザベスはそうした作品を拒絶していたが、作品にインスパイアされた衣装を身につけたオリーヴの美しさに心を打たれ、徐々に態度が軟化していった。この衣装は後にダイアナのコスチュームに反映されることになった。
作家としての仕事の依頼が来るようになったウィリアムは、アマゾーンをモデルにしたヒロインを主人公にした漫画を執筆し始めた。漫画の執筆に当たっては、ウィリアムの心理学者としての知見と3人のポリアモリー生活が大いに役立った。また、ウィリアムには男女同権を目指すフェミニスト運動を支援したいという思いもあった。彼はナショナル・ペリオディカル出版のマックス・ゲインズ(英語版)に企画を持ち込んだ。ゲインズは漫画の出来映えに驚嘆し、同社から出版する決断を下した。その際、ゲインズはウィリアムに「主人公の名前をもっと単純にしてはどうでしょう。例えば、ワンダーウーマンとか。」と提案し、ウィリアムはそれに同意した。それが功を奏したのか、『ワンダーウーマン』は大ベストセラーとなった。その印税収入でマーストン一家の家計は一気に潤った。
しかし、予期せぬ事態が発生したために、マーストン一家の人間関係は急激に悪化していくこととなった。

引用元:Wikipedia『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』



感想:

 かの有名な『ワンダーウーマン』を創り出した人であり、ウソ発券機を発明した心理学者ウィリアム・モールトン・マーストンの伝記映画です。
ワンダーウーマン誕生に至る秘話と、ポリアモリーを描いた作品でもあり、色んなことを知れる作品でした。

 なぜ、ワンダーウーマンの武器は「真実を語らせる」縄なのか?
それは作者がウソ発見機を発明した心理学者だったから。


 なぜ、コミックという媒体だったのか?
より多くの人(特に夢いっぱいの希望に溢れた子ども)たちに自分の考えを伝えることができるから。

そんな思いで『ワンダーウーマン』が誕生したと知れば、ワンダーウーマンにさらに興味を持ちました。

また、ヒーローはいつもなぜ男性なのか? ヒロインの数が圧倒的に少ないことが与える社会への影響とは? といったこともチラホラ。

アベンジャーズ・シリーズが大好きな人も、女性のヒーローが好きな人も、嘘発見器の誕生秘話を知りたい人も、すべての人におすすめな作品です。
私はすでに2回も観てしまいました。


こんなふうに興味を持ったからか、書店で『ワンダーウーマン』を題材にした研究書を発見。ワンダーウーマンを題材にした内容のとても濃い本でしたが、その理由もこの映画を見てやっと理解しました。


『ワンダーウーマン』そんなにも深い心理学的な考えが詰め込まれた作品だったのか、と知ることができて本当に興味深かったです。



 朝井リョウさんの最新作『正欲』でも書かれていましたが、「多様性」が盛んに語られる世の中。でもそんななかでも、その「多様性」が包括する範囲は自分が理解可能、または想像可能な範囲に限られた非常に狭い範囲のもの。
実際の「多様性」とは一体なんなのか、みたいなものが問いかけられているような作品でした。


 
 

 映画『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』を見て自分がどう感じるか、「良いじゃん」と思うのか「ダメじゃん」と思うのか。それともただ「知る」のか。

それをジャッジする根本の考えは、この世界の常識として自分に植え付けられた価値観なのか倫理観なのか道徳観なのか、そんな内面を探るような内容でもありました。ただ、そこに愛が存在しているのは誰にでも分かる、そんな作品にも感じました。

予想よりもあまりヒットしなかったようですが、ワンダーウーマンに対する見方がまたガラリと変わるので、一度見てみることをオススメする作品です。

ご興味を持たれた方はぜひ!




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