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沖縄窯元見学 陶眞窯さん

読谷村共販センターで、「読谷やちむん巡り」が開催されており、いろいろな窯元にお邪魔できるとわかり、陶眞窯さんにやってきました。写真撮影とネット掲載を了承頂いています。ありがとうございました。


〇制作スペース(電動ロクロ作業、おそらく絵付けなどの加飾作業、施釉場、ガス窯、土置場など)

〇展示販売スペース

〇陶芸体験スペース

などが工房内にあり、広いです。


↓ ロクロ作業場

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一番奥のロクロでは職人さんが大きな酒壺を成形中。そして↓こちらへ干す。酒壺は間近で見ると大きい。乾燥と焼成で縮みますので成型時はもっと大きい。職人さんは腰を酷使するのでサポーターを巻いていました。

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工房内に入ろうとはせずに、出入口の前におとなしくいる猫たち。工房で飼っているわけではないそう。猫たち。。。


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外には先ほど成形した酒壺の焼成後と思われるものが並んでいます。ロクロ成形後、模様などを貼り付けているのでしょう。


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マカイ(茶碗)たち。加飾待ちと思われる。機械で成形されているのではなく、人の手でロクロを使って成形されています。


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↑ 写真奥では陶芸体験が。

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成形しやすいように土づくりした土がこちらに置いてありました。


陶眞窯さんでは沖縄の山から採ってきた原土を水簸して(そのままでは成形に適さないので)、自分たちで土を作っているそうです。


沖縄というやきものの産地のすごいところは、こうやって窯元のひとつひとつが、今もなお、人の手で土を作り、手で成形し、加飾し、焼いている。

薪の登り窯でのみ焼成する窯元も多いです。

機械化を極力避けている(ように見える)。

これは、他の多くの産地では難しいことだと思います。

原料屋から土を買い(その地方の土とは限らない)、機械で大量に成形し(びっくりする程速く成形する)、ガス窯で大量に焼く。

私は機械化を否定するものではありませんが、効率化による大量生産が可能になった結果、中国産の安い陶磁器と差が無くなり、売れなくなって(それだけが原因ではないでしょうが)衰退していく産地を見てきました。


今、沖縄のやきものに人気があるのは、人の手で昔ながらに作るという行為に魅力があるからだと思います。(普遍的な魅力があると思いたい。)

なにより、やちむんの器それ自体に、美しさや良さがある。

絵付けの線の表情、色、白化粧の濃淡、焼かれた土の質感。

やちむんならではの沖縄の文様。熟練の職人の仕事。

(同じシリーズでも)微妙にひとつひとつ異なる形、手触り、厚み、重さ。その中で選ぶ楽しさ。


機械化して量産化して作られた器には無いものがある。

人の手で極力作るというのは、当然、人手が要ります。人件費がかかります。(だから多くの産地は機械を導入してきた。)

(その割にはやちむんの価格は本当に安いと思います。)

手作りと価格の安さを両立しているやちむんは、消費者が購入しやすく、売れて、作り手にお金が入り、製作を継続していける循環なのでしょう。

私は産地としての沖縄のやきもの一部しか見ていないわけですが、作り手さんと話すと売れてとても忙しいそう。

「沖縄は恵まれている」とあるやちむんの作家さんは言っていました。




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