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映画「フラガール」鑑賞記録(2021/1/11)

今年最初に観た作品は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」であった。今回は、2本目となる「フラガール」の鑑賞記録である。

2006年に上映されたが、舞台は1975年の福島県いわき市である。炭鉱労働者の「むすめっこ」たちがハワイアンダンサーとして、故郷を再び一つにする。「再び」というのは、つまりその過程において、分断というか、対立というか、そういった状況が生じたことを意味すると理解していただいて問題ない。

上映時はまだフィルム映画が主流であったためか、良い意味で、古くささというか、昭和のにおいというか、そういったものをうまく醸し出している。デジタル映画よりもやはりフィルム映画が良いなと改めて思う。2006年当時は、まだフィルム映画の時代であったのだなあ。

少し本題から離れるが、同年公開の「かもめ食堂」を昨年観た。映画をちゃんと観るようになったのが昨年だったのだが、「かもめ食堂」もまたフィルム映画であった。この作品を観て、自分が久々にフィルム映画に触れたことに気づいた。もちろん「かもめ食堂」は良い映画ではあったものの、途中で居眠りをしてしまったので、もう一度しっかりと観てから感想を書こうと思う(すみません)。

当時のいわきでは、代々続く炭鉱の労働者層は命がけで仕事に励んでいた。しかし、石炭の時代は終焉が近く、斜陽産業となり、彼らはリストラの対象となる。そんな中、炭鉱労働者層を中心としたいわき市民の新たな雇用の受け皿として、ハワイアンセンターの建設が計画された。

昔気質の頑固な男衆をはじめ、地元の人々の中には、拒否反応を示す者が少なくなかった。新たな道を模索する進歩的な人々と、かつて炭鉱が主要な産業であった時代を知る保守的な者との間で、分断が生じる。

そんな殺伐とした状況のいわきを「救う」べく立ち上がったのが、労働者層の「むすめっこ」たちである。炭鉱で働いていた父親がリストラに遭い、家族を養っていかなければならないという使命感とともに、彼女たちは、故郷のためを思い、ハワイアンダンサーとしての道を歩もうと決意した。やがて、その情熱は大人たちをも動かす。

ハワイアンダンサーとして舞台に立った彼女らの迫力ある演技は、劇場で鑑賞したいものであった。公開当時、小学生であった私は、その映画の存在は知っていたけれども、そこまでの関心がなかったのだろうか。実際観に行くということはしなかった。先に挙げた「かもめ食堂」も、しっかりとタイトルを記憶していたが、同様に観に行こうとまでは思わなかった。今になってみればもったいないことだと思う。もちろん、当時は俳優の名前もよく知らなかったから、当然といえば当然のことではあるのだが。


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