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映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」鑑賞記録(2021/1/3)

大泉洋演じる主人公・鹿野靖明は、難病の筋ジストロフィー症ながらも病院や施設に頼らず自分の家で生活するという1990年代当時の障害者としては注目の的であった。彼をボランティアスタッフが毎日献身的なサポートをおこなったこともあり、主人公は障害という試練と格闘しつつ、最期まで夢を持って生きることができた。

そんなボランティアスタッフの一人である医学生・田中を三浦春馬が、また、その恋人であり、田中の誘いでボランティアスタッフに加わった自称教育大生・美咲を高畑充希が演じた。

この作品は、鹿野のそばで彼を支えるボランティアスタッフに与えられた試練が見どころであった。田中は、将来医師となったときに役立つであろうボランティアとの両立に精一杯でありながら、自分が本当に医師を目指して良いのかと自問自答する。美咲は、大学受験で教育大に落ち、医学生と合コンをするために教育大生を騙っていた。嘘が露見すると、少しずつ二人の距離は大きくなる。

さらに、二人の関係性に水を差すかのように、主人公は自称女子大生・美咲の飾らない素直さに惚れ込む鹿野…。ただ、最終的に、田中と美咲は結ばれる。鹿野は田中にとっても美咲にとって大切な存在であった。鹿野をサポートしながら、鹿野の夢に向かって全力で生きる姿に二人は感化されたからこそ、再び関係性(愛情)を深めていくことができたのだと思う。

二人が鹿野をともに支えていく過程において、再び愛情は深まっていったのである。田中は医学生を続け、医師の道へと進んだ。美咲は大学受験を経て教育大学を卒業し、小学校教師となった。それは、鹿野が障害という試練と格闘し、夢を追いかけながら生きてきた姿と重なる。

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