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先般、かちどきの先輩Y宅にお呼ばれした。
タワーマンションの33階。
ここに遊びに来るのは3度目。
その先輩は高齢者こそこういうところに住むべきだと言う。
私もそう思う。

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          【先輩宅のベランダから見た夜景】

私は30代前半に香港に在住してた経験があるが、山の上にある36階建のフラット(マンション)の18階に住んでいた。住んでる途中で近くに新しいフラットが建ったので、眺望は半減したが、写真の通りなんとかビクトリアハーバーは見えた。

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      【2000年8月撮影/香港大坑道大杭徑から】
そういえば1997年7月1日に香港が英国から中国へ返還された式典の後、去っていくチャールズ皇太子とパッテン総督を乗せたブリタニア号はこのベランダから肉眼で見えたものだ。

私もこうして、ある種の高層マンションに住んでいた経験があるので、その不便さも少しはわかっているつもりだ。
在住期間中は一度もなかったが、エレベーターが止まれば全く動けない。生活インフラが止まれば最もやばいのだ。
因みに、これは余談であり高層とは関係ないことだが、住み始めてすぐガスがつかなくなった。電話しても当時こちらも片言の英語しか話せず、先方は広東語。えらい苦労した。それと台風が来た時に一度、床から水が吹き出てきてリビングがめちゃくちゃになったこともあった。

しかし、それでも私も思う。
特に高齢者は田舎ではなく都会に住む方がベターなのではと。
住み慣れたところが一番ではあるが、やはりそこは相応の街でないと、歳を重ね足腰が弱ってくると何もできなくなるのでは?と思うからである。交通インフラも民間企業であれば過疎赤字路線は縮小撤退せざるを得ない。また生活物資調達の手段としてネット販売や宅配業者もあるものの、これも高頻度での対応は難しい。そして最も大きなことは病院が近くにあること。
人間は社会的動物であり公共性が高い。よって一定のマスの中に共通のインフラ基盤を備え、当然それを共同で利用することが最も経済合理性が高く、個々の恩恵も大きくなる。
東京一極集中と言われ久しいが、仕事があり、インフラが整備されていれば、そうなるのは当たり前で、逆に東京以外は人が減り、仕事がなくなり、インフラも老朽化すれば、人が流出するのも当然なのである。
ここ直近は社会全体のリモートワーク化が進み、東京の一極集中が少し緩和されてきたようだが、それでも私が完全な高齢者となれば、東京や大阪、またその周辺に住んでいたいと思う。と言うか、もともと賑やかなところが好きであるし、新しいものが好きなので、そもそもそういうところが好きなのであるが…。

引退して田舎で暮らすというのも個人の考えでは当然あって然るべきだろうが、私としては上記の理由で老人こそが都会で暮らすことを薦めたい。
贅沢を言えば、自然環境豊かでありつつ、社会インフラが充実しているようなところがベストであろうが、流石にその分、コストは高いだろう。
ただ唯一、問題なのが、そこに自分自身のコミュニティがあるかないかだ。この都会でひとりぼっちだと身体面では楽ができても、精神面を蝕む。若者であれば繁華街で遊んだりすることでまだ精神面が追い込まれることを回避しやすい環境と言えなくもないが、高齢者ともなると難しいのでは?そういう意味ではそこそこ過疎地でもコミュニティがある方がいいのかもしれない。要はバランスとそして個人の価値観である。

私は大阪に生まれ育ち、そのまま、そこで社会人になったが、初めての転勤地は絶対的にも過疎地と言える県の県庁所在地であった。そこから数年してまた大阪に戻り、次は香港に赴任し、そして東京にやってきた。その後また複数の都市を渡り歩いて再び東京に戻ってきたのが13年前。
今から思えばエネルギー溢れる若者が繁華街があると言えない土地で初めて一人で暮らすことには相当抵抗があったし寂しすぎたが、慣れというものは怖ろしく数ヶ月もすれば住めば都という感覚に陥った。もちろん、仕事を通じて、一定のコミュニティが作られたということも大きいし、潜在的な心理として次の異動で必ずそこを離れるとわかっていたからだとも思うが。
そして〝ド”がつくほどの田舎を知ったからこそ、都会の眩しさが好きなのかも知れない。

都会暮らし?田舎暮らし?の命題とは違うが、私の大阪時代の友人や同僚も関西人でありながら、関東在住者は多い。いつかは関西に戻りたい、このまま関東で住み続けたいなど、個々の家庭環境や嗜好によって、さまざまな意見があるが、私はできたら東京に住み続けたかった、いや贅沢を言えば鎌倉とか逗子とかに住んでみたかった。

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       【2015年10月/逗子海岸でのNightWave】

しかし、今般、意に反して、本当に久しぶりに大阪に戻ることになった。東京を離れることになった時はショックを受けるかと思っていたが、思ったよりはそれはなかった。なにより数年前、我がが建てた自宅には住んだことなかったが、初めて住むことになるのも楽しみだ。東京ほど新しいものに溢れていないかもしれないが、大阪も悪くない。特に人の面では同じメンタリティなので、打ち解けやすいはず。なんせ自分は阪神タイガースをこよなく愛する大阪人なんだから。
社会人人生も最終盤に差し掛かろうとする中、大阪で、いや関西で、どんな人との出会いや再会が待ってるのかと思うとワクワクする。

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