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その息の根が止まるまで

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日記。なるべく頻繁に、細く長く更新。
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記事一覧

もはや「理解」は求めない

15年ほど前だった。都内の、とあるお店の隅っこで、わたしは一人の友人と出会った。 彼女は…

向いていない

働くのに向いていない。 致命的に向いていない。まず朝起きるのが苦手だ。私の会社は10時始業…

たまたま人を殺さなかった、とある宗教二世の話

わたしは宗教二世だった。とある「新宗教」の。 「新宗教」と聞いて、あなたはどのようなもの…

甘んじる

ある人が、『ズートピア』という映画が嫌いだ、と言った。 わたしは、『ズートピア』が嫌いな…

くすり

毎晩、眠るための薬を飲んでいる。持病があって、夜に長く眠れなかったり、昼に長く眠りすぎた…

司法試験に4回落ちて、小さな出版社に就職した話

とあるゴールデン・ウィークの昼間、わたしは人生にウンザリしていた。一週間後に4回目の司法…

君が思い出になる前は

誰しも大切な人と致命的に折り合えない瞬間というものはあり、それは誰かにとっては浮気であり、借金であり、アルコール中毒や暴力や隠された犯罪歴であり、ある型をもった不義理であり、どんなに愛し合っていたとしても、そのような軋みがあった後では決定的に心理的安全性が損なわれ、共に暮らせなくなる出来事があるように思う。 これまでのわたしであれば、若く、愚かで、未来への可能性に満ち、異性(ほぼ異性愛者であるわたしにとっての"異性"という意味での「異性」)に対して、あくまで「性的対象」=個

年相応に不機嫌な、戦う女の子へ

いつも不機嫌で、お母さんとお父さんを困らせてばかりのあなたへ。今日はめずらしくお手紙を書…

断片的なもの、夏。

この夏は、記憶が途切れがちだ。 あまりに大規模な運動会が、多くの人々の反対する中、開催さ…

さみしさだけで死ねない僕らは

さみしさだけで死ねたらどんなに楽だろう。 さみしさを抱えて生きるのはしんどい。 しんどい…

人間は捨てられる、のにうさぎときたら

人間と交際して適当なところで捨てて大した罪悪感はないが、うさぎを道端に捨てるなんて多少の…

自動車学校体験記2-4日目「20万!20万取るイメージ作ろうぜ!!」

2日目 講師が変わり、驚くべきことにPowerPointを使って授業が行われた。なぜこれが驚くべき…

自動車学校体験記1日目「おまえたちは人殺しになる」

先生、と呼ばれるその人は「やってんなぁ。やってんなぁ。」とブツブツと呟きながら教室に入っ…

生理が個性なら俺たちは膣に数珠を入れるしかない〜ロリエの「kosei-ful」プロジェクトに思うこと〜

2020年8月18日にリリースされたロリエの「kosei-ful」プロジェクトが炎上しつつあります。 「kosei-ful」プロジェクトとは花王のサイトを見る限り、「生理を"個性"ととらえれば、私たちはもっと生きやすくなる」をキャッチコピーに清野菜名さん出演の特別動画が作成され、花王社員72名に対して行われた30問の質問を基に消費者も生理にまつわる質問に答えると「個性的な生理」を「宝石」のビジュアルに変換してくれる、というキャンペーン広告です。 結論から言うと…なんつーデ