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本と散歩とパフェ日和

昨日のお話。🐈
また、パフェを食べに行ってきた。

前回は寄り道の寄り道で食べてきたのだが、
今回はパフェも目的の一つに数えての外出。

できれば毎日、できなくともなるべく二日に一回は外を歩こうと決めているのだが、ここ三日間は家でぐったりしてしまった。

なので昨日のTo Doは、まず第一にお散歩。
わくわくするように本屋さんを目的地にして📍
好きな本を買うことが第二、
そして本屋さんの近くに、前から行ってみたいと思っていたパフェのある喫茶店があったので、そこでひと休みすることを第三の目的とした。

本を買う予定だけれど、やっぱりカバンの中に本がいないと落ち着かないから、今読んでいる一冊を入れて、ひょいひょいっと家を出た。

天気予報は一日中曇りで、午前中は大人しくそれに従っていた空だったが、私が家を出る頃を見計らったかのように、太陽が顔を出していた。

よしっ、本と散歩とパフェ日和だ、と思った。
だから名づけたこの記事のタイトルは、大好きな小林聡美さん主演のドラマ「パンとスープとネコ日和」(群ようこさん・原作)になぞらえている。


本屋さんまではゆったり歩いて30分ほど。
健康のためのお散歩には、ちょうど良い距離だ。
もう桜の花はすっかり散って、清々しい緑色のトンネルと化した並木道を、てくてく歩く。

春の緑と夏の緑とは、同じ木であっても違う色な気がすると毎年思う。
春は若々しくやわらかい緑で、夏になると鮮やかさが増すような。燦々と熱くうたう真夏の太陽に負けないように、元気いっぱい色濃くうたっているのだろうか。

…そんなことを考えながら歩いていたら、あっという間に本屋さんに着いた。

買いたいと思っているリストはきちんと確認してきたので、置いてあるかどうか、格出版社の棚を順に巡り歩く。
小一時間ほど見て回って、昨日は三冊買った。

一冊だけご紹介。
今晩から寝る前に読もうと思って買った「おやすみ、東京」。初めましての吉田篤弘さんの小説だ。
Instagramで「穏やかな眠りにつける本」というレビューがあったので、おやすみ本に選出してみた。

本屋さんをあとにした私は、軽やかな足取りで最終目的地へと向かった。

 ◯

喫茶店に着いてみると、想像よりも小さくまとまった感じのあるお店だった。

席へ案内しお水を出してくれた店員さんが、「ご注文は決まる頃またお伺いします」と言ってくれた。
決まりましたらお呼び下さい、じゃないんだな、と思い、そのセリフ良いな、と思った。

さて、パフェのメニューを見ると、チョコレートパフェ、バナナパフェ、コーヒーパフェ、それからアイスティーパフェというのもあった。
アイスティーパフェはめずらしいからかメニューに写真が載っていて、中々おいしそうだったが、小腹が空いていたのでバナナパフェを注文。

次にここでパフェを食べる時は、アイスティーに挑戦しよう。そう心に決めながらカバンの中から文庫本を取り出すと、読みながら待った。

そうしてついに、ご到着。
今回も前回同様、お菓子の入っていない "純粋なパフェ" だったので、喜んだ。

さあ、いざ、出陣…!🍌🍊🍨


やはり一口目は、バナナから食べるべきだろう。
でなければ、この存在感溢れるバナナに失礼だ。
そう思って、まずは大きくスライスされたバナナの一つを、パクり。
上に乗っている生クリームは、このバナナに最もふさわしい王冠だ。

ああ、クリームとバナナって、どうしてこんなに幸せなのだろう…!
クリームと合うフルーツはこの世に数多あるけれど、中でもバナナはピカイチだと私は思う。
この二人の相性の良さは、まるで前世から友達だったかのような…。(いや、バナナとクリームの前世ってなんだ、もぐもぐ。)

このパフェのクリームは少し硬め。なるほど、だから断崖絶壁のバナナの上でもお行儀良くバランスをとっていて、微笑ましい。

お次はバニラアイス。濃厚で、とにかくドーンと大きく丸い。そのまん丸なフォルムは、西瓜のような、ガスタンクのような、お月様のような、地球のような…。そしてその恰幅の良さは、実に頼もしいものである。

そうして、バナナ、クリーム、バニラアイスの甘味一色の世界を旅する途中で、ところどころみかんの甘酸っぱさを挟む。口の中が一気にフレッシュになる、ナイスなみかんアタックだ。

本を読みつつ大事に大事に食べていると、少しずつ溶けてきたバニラアイスの下から、チョコレートソースとコーンフレークが顔を出した。
おお、君たちもいたんだね。来てくれてどうもありがとう。心でそう語りかけながら、そっと掬って食べてゆく。

 ◯

ちなみに、読んでいた本は原田マハさんの短編集「あなたは、誰かの大切な人」。最後から二番目の「波打ち際のふたり」というお話だ。
旅友の二人のアラフォー女子のお話なのだが、ふと目に止まった一節があった。

「 (…) 親がだんだん年をとってくると、お母はんと私、母と娘でいられる時間はだんだん減っていくんやなあ、とつくづく思う」

原田マハ/「波打ち際のふたり」より


ふむ…、そういうものなのか。
私ももっともっと歳を重ねて、おそらくバリバリ仕事をしている頃、実家と離れた場所で暮らしているのかな。実家との距離は、どれくらいだろう?。

そうして会えないでいるうちに、時間も関係も、歳をとっていくのかな…。やっぱり、両親にはさみしい思いをさせてしまうのかな…。
そんなふうに、ぼんやりと考えた。

…でも、なんだか大丈夫な気がした。
自慢じゃないが、私は割と甘えん坊だ。
長女ではあるけれど、その甘えん坊さは末っ子同等であると自負している。

だから、きっと、大丈夫だ。
根拠のない自信が込み上げてくる。
多分、私の方がさみしくって、耐えられなくて、
しょっちゅう会いに行くと思う。
いや、もしかしたら、さみしくなることを前もって避けるため、実家から遠くない場所に住むかもしれない。この私だ、やりかねないーー。

そんなことを思っているうちにまたアイスが溶け出してきたので、食べる手とページをめくる手を再開した。
どこにいても、どんなに仕事が忙しくても、やっぱり両親との時間は大切にしなくっちゃね。


最後までおいしく食べ終わると同時に、「波打ち際のふたり」も読み終わった。
切りが良かったので、それでお店をあとにした。

帰りは少し日が傾いて、涼しい風が吹いていた。
あ〜おいしかった!と少し膨れたお腹をさすり、
大満足の顔で歩いた。

食べた分、歩かなくっちゃ。
(大好物はカロリーゼロ、だけど!)
そんな「本と散歩とパフェ日和」な一日でした。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました
(^.^)🌷

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