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台風とジブリと最近の暮らし

 また台風が来ている。私の住んでいるところでは昨日の夜中からしとしとと雨が降り始め、朝起きると雨風が強く吹きつけていた。午前中いっぱいは雨戸ががたがたと鳴っていた。もっと冒険の扉を叩くような、楽しい素敵な音だったらいいのに。雨戸が鳴る音はこわい。こわいって言ったって、ちょっとだけれど。今日は鳴っていないから良いが、雷の音はもっとこわい。… 🙀

 でも、雨の音は好きだ。そういう人は割と多いのではないかと思う。雨に打たれるのはごめんだけれど、降る雫を眺め、その調べを聴くのはなんとなく心地がよい。あいや、打たれるのも案外好きかもしれない。自然とは、上手いようにできているものだな、と思う。雨が降らねば大地は育たない。絶対に必要不可欠なものだから、たとえ濡れるのを嫌う生き物がいたとしても、その音は耳触りの良いものにしてくれたのだろうかと私はこの星の創造主を想像してみる。あ、駄洒落になってしまった。

 雨が降る音。地面に落ちる音も、家の屋根やお店の軒で跳ねる音も、傘を濡らす音もどれも好きだ。ぽつぽつ、ボツボツ、ぱらぱら、パチパチ……。地面はコンクリートより、土だと尚良い。土の方が雨水が吸収されるのがわかる、柔らかくて甘い音だからだ。それから、ちょろちょろと小さな小川になって道の端を流れる音もある。これは特に、小さい頃から好きだった気がする。台風は好きにはなれないが、土砂降りの音も案外好きだったり。多分ざあざあと洗い流してくれる気がするからだろう。


 ……と、こんなようなことをぼんやりと考えるのに、雨はもってこいだ。そして雨の日は、というか特段台風の日は、なぜだかジブリ映画を観たくなるのが私というものだ。どういう気分回路なのかは知らないが、私のなかではかなりの確率で台風とジブリが結びつくらしい。う~む、これは言葉にならない領域。一つ言うとすれば、嵐はキキの旅立ちを思い起こさせるからかもしれない。急に天気が崩れた夜は昔からよく思ったものだ、「ああ、今夜はキキが飛び立ったのかもしれない」と。

 そんなわけで、今日は朝からハウルを観た。ハウルはかなり久しぶり。最近観たものといえば、このあいだの曇りの日に『風立ちぬ』、その前は劇場で『君たちはどう生きるか』。あっ、そうだ、この新作……!私的にはわからないなりにかなり納得のいく作品だったので、noteに記録しておきたい。が、それはまたの機会に。今日は『ハウルの動く城』を観て、ああ、やっぱり宮崎駿の描く魔法って良いなぁ、というかしっくりくるよなぁ、面白い描き方するなぁ、と思った。大好きで、何十回と観ても飽きない。午前中はこうして満たされ、のんびりと、しかしあっという間に時が過ぎた。

 が、午後になると頭に鈍痛を感じた。さっきまで作品の中にいた余韻をなるべく残しながら、その延長線上でスープのお湯を沸かそうと歩き出した途端に。悲しいかな、まるで魔法がきれたようだった。💍 映画の中にいた間は見事に感じなかった偏頭痛。そうだった、雨の音が好きだと悠長に語っていたが、台風で低気圧の日はだいたい痛くなるのだった。トホホ……、しかし見事な魔法だった、ありがとう、ハウル。


 そう、雨や台風の日は、人間時々不調になるもの。けれど別に落ち込む必要はなくて、心や体調が天候に左右されるのには、やっぱりこの星と生きているんだと実感させられる。そう思うようにしている。そして、こんな日は思いきりやさしい生活をするのだ。体調や気分がわるい時というのは、自分自身に対する感覚が敏感になる。それはポジティブなことだと思う。自分が細胞レベルで求めていることに応えることができるからだ。これはここ数か月、あらゆることをお休みして自分と向き合うなかでわかったこと。

 たとえば今日は、偏頭痛と同時に少し肌寒さも感じたので、まずは着慣れた肌心地の良いカーディガンを羽織り、足元も鼻緒のスリッパから靴下に履き替えた。靴下の柿色が秋っぽくて、もうすぐ来る秋を思って嬉しくなる。🍂 昼食には、大好きな茄子と豚肉と生姜のスープを飲んでほっこり。薬を飲んだらまぶたがとろんとしてきたので、うたたねをした。そうして目を覚ますと、薬が効いたのか頭痛は治まり、ホットコーヒーを入れて再びほくほく。

 身体を適度に温めることはとっても大切。体感があったかくなると心もやんわり温もるものだ。ホッとする、とはまさにこのこと。最近は大好きなはずの読書にどうも興じる気になれないので、アニメを観たり雑誌を眺めたりして時間を贅沢に使っている。珍しくハマっているゲームもあり、この前の週末は一日ゲームをして塗りつぶしてしまった。けれどそういう日もわるくない。たまには、というか人生には、そういう時間も必要なのだとわかってきた。


 どうして本を夢中になって読めないんだろうと悲しくなったり、小麦なしのお米パンを作ったら、オリーブオイルとバジルなんちゃらオイルを間違えて変な風味になってしまったり。落ち込むこともあるけれど、そんな時、自分を責めないこと。これはすごく大事。不安や戸惑いなど、自分のことで頭がいっぱいで、生活することで精一杯。でも、それを頑張っているなら、今はそれで良いんだ。私は私で良い、というか、今は今で良い。素直にそう思える心をはぐくみ中だ。

 多分、""暮らす"" ということは、"生活する" よりも少し精神的な意味合いが強く、"生きる" にプラスして ""どのように過ごす"" か、というニュアンスまで含まれていると思う。ただ生きる営みをするだけじゃなくて、よりよく生きるというか、生活することにもう少し気を配る、それが暮らすことなんじゃないかと最近思う。だから自分のご機嫌をとるのは、「暮らす」の大事な一要素。私はこのように腑に落ちた。憧れの丁寧な暮らしというやつにはまだ程遠いけど、自分の心が解放できる時間や場所としての「暮らし」をつくりあげることが、私の今年の目標だ。

 ……台風の話から始まって、いつの間にやら細かい話になっていた。文章を書くことからも少し心が離れ気味になっていて、すごく久しぶりになってしまったが、これが今日の徒然日記。🌀🌱


 いつだったかどこかで、「何でもない日、何もせずに過ぎてゆく日も、大切なあなたの命が刻む一日です。」というようなことを占い師の方に言われ、ハッとしたのを覚えている。時間を無駄にするなということではなくて、人生において無駄な時間はないということ。私はこの考え方が好きだ。たとえダラダラ過ごした一日でも、その日が自分にとって必要だったと思えれば、自分を責めないでいられる。

 今日にありがとうの気持ちを込めて、ここにこの日記を残しておこう。

 最後まで読んで下さり、ありがとうございました👒🌻!

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