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ブルーな気持ちと青い野の朝

昨日の夜はあれこれ心配事が尽きなくて、
とうとう眠れないまま、夜が明けてしまった。

時計を見ると4:51。⏰

こんな時間まで起きていたのは、
高校時代の徹夜以来だ。
半年ほど前に終電を逃して夜じゅうカラオケで過ごした時だって、3時を回る頃には眠気が降りてきて一睡はした。

そんなことを思い出しながら、
寝転がったまま横の窓枠に手を伸ばす。
白い光が背後から漏れているカーテンの端をそっと
引くと、空が淡い水色に染まっているのが見えた。

空は新しい今日の姿だったが、
私だけが、昨日を引きずったまま今日に漂着してしまった。

仕方がないから眠るのをあきらめ、ウーンと伸びをしてリビングに入るとカーテンと窓を開けた。

するとその瞬間、冷たい爽やかな風が吹き込んで
きて、私は思わず身を乗り出し、上半身で空に漕ぎ出した。

どこまでも広いその青は、
ネモフィラの咲く野のようだった。

もうすぐ日が昇る気配があった。
私はそこから1時間ほど、窓辺にぴたりとくっついて時々カメラを構えながら、飽きることなく外を眺めていた。

同時並行で、思いつきで詩のようなものを書いた。


「 青い野の朝 」

なんだか不思議だった

とろんとして まだ夢の中のような空が
ゆったりと時は流れているのに
どんどんと青を濃くしていく

向かいに見えるあの木の緑も
まっ白な家の壁を侵食してゆく
朝陽のオレンジも
電線譜の音符となってさえずる
鳥たちの羽の色も

すべての絵の具が混ざり合った時
その気持ち良さといったら!

せっけんの匂いや
お米の炊ける匂いまで
ほがらかにふくんでいる空

ああ 朝とは 地球の色とは
こんなにも鮮やかだったんだなぁ

朝とは一日の創世紀で
こうして世界は色づくのだなぁ

夜じゅうひとりぽっちな気がしていた私も
思いきりひかりを吸い込んで
ようやく朝の一部に溶けた

そうしたら今ごろになって
大きな天の泉から
おやすみ天使が迎えにきた

きっと私は
ネモフィラ畑の夢をみるだろう

ちょもらんま、走り書きの詩



使い捨てのメモにバッと書き終えた私は、
ペンを置くとため息がでた。
なんだこれ。

だけどもなんだか合点がいって、
「そうか。私は昨日からタイムスリップしてきて
しまったんだな。
じゃあ、タイムマシンのベッドに戻って、今日に
帰ってこなくっちゃ。」と思った。

少しスッキリして目を閉じたら、深い眠りへと落ちてゆくことができた。


予期せぬ事態でブルーな気持ちだったけど、
久しぶりにこんなに早朝の空を見れた。
今日の夜は、少しは早く眠れるかな。
またあの空の青に会いたい。

小鳥の夫婦の写真をぺたり。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました
(^.^)💐

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