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シャンプーや化粧に含まれる化学物質が早期死亡と関係している

英語の勉強を兼ねて気になった記事を抄訳していきます https://www.insider.com/chemicals-in-shampoo-makeup-linked-to-early-death-study-2021-10 フタル酸エステル(phthalates)と呼ばれる化学物質群 (a class of chemicals)が若死(premature deaths)に、特に心臓病が原因の死亡と結びついていることが発見されました。 数十年間、科学者たちはフタル酸エス

    • 電子タバコは未知の化学物質でいっぱい

      英語の勉強を兼ねて以下の記事を抄訳 https://hub.jhu.edu/2021/10/07/vaping-unknown-chemicals/ 通常のたばこと電子タバコを比較した既存の研究は、たばこ系の(?)汚染物質は電子タバコのほうがはるかに少ないことがわかっています。問題は、電子タバコのエアロゾルはほかの完全に性質不明で健康に被害をもたらすかもしれない私たちの知らない物質が含まれていることです。 先行研究は特に伝統的なたばこに含まれる有害化学物質を探していました

      • きのこを食べるとカロリー、ナトリウム、脂肪を増やすことなくビタミンDなどの不足栄養素を摂れる

        英語の勉強をかねて有用そうな記事を抄訳します。誤訳御免 https://www.eurekalert.org/news-releases/889204 研究者はNational Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2011-2016 dietary dataなるものに、ホワイトマッシュルーム、クリミニ、ポータベラを同じ比率でミックス、あるいは紫外線をあてた場合、ヒラタケの場合の三通りで84gまたは½カップ加えて調

        • 身体活動と認知活動は認知症を予防するのか?

          英語の勉強を兼ねて以下の記事を抄訳 https://www.health.harvard.edu/blog/can-physical-or-cognitive-activity-prevent-dementia-202109162595 一つ目の研究は、研究者によって1,903人の認知症でないお年寄りを対象にしたどのような頻度で認知的な刺激を与える活動をしているかの調査を尋ねました。認知的な活動は、どの程度、本・新聞・雑誌を読む、図書館へ行く、手紙を書く、チェッカーかそのよ

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          生物多様性は幸福をもたらす

          Redditで見つけた科学記事を紹介。今日はコレ。抄訳します https://www.eurekalert.org/news-releases/513675 The Senckenberg Gesellschaft für Naturforschung、the iDiv、the University of Kielはヨーロッパ中の住人を対象に自然の多様性がwell-beingを高めるかどうかを調べました。 26,000人以上の成人を対象に、彼らの周囲の種の多様性と生活の満

          生物多様性は幸福をもたらす

          所得の高い人ほど自分に誇りを感じ、より自信があり、恐れが少ない

          Redditで見かけた興味深い話題を紹介していきます https://www.reddit.com/r/science/comments/lzqsqi/people_with_higher_incomes_tend_to_feel_prouder/?ref=share&ref_source=link 以下におおざっぱにまとめると、、、 シンガポール国立大学のEddie M.W. Tong, PhDは、162カ国160万人以上を対象とした独自の調査と5つの先行研究を用いた

          所得の高い人ほど自分に誇りを感じ、より自信があり、恐れが少ない

          陰謀論者はワクチン接種をしない。わけでもないらしい、友人がワクチン支持者ならば。

          Redditを見ていて気になった記事を紹介していきます。英語力が低いうえに、専門知識に乏しいので誤訳などに気を付けてください。というか、先に誤っておきます。まことにごめんなさい。私自身あまり踏み込んだことは言わないように気を付けておきます。 People with a conspiracy mindset are no less likely to accept vaccines — so long as their friends accept them, too 今日

          陰謀論者はワクチン接種をしない。わけでもないらしい、友人がワクチン支持者ならば。

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第九章 自然主義の方へ

          筆者の戸田山先生が科学的実在論をとる理由が語られる。まず、第一に氏の直観にしっくりくるからというのが前提として示される。それから、科学への信頼を取り戻したいというのが二つ目の理由として語られる。筆者が、科学への信頼が落ちていると考えるのは、二つの側面があり、一つは科学が万能ではないということが、世界について理解する科学以外の方法がある(オカルトなど)に飛躍してしまうことがあり、それに対して、この世界についてよい知識を与えてくれるのは科学以外にないと考える、というのが科学への信

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第九章 自然主義の方へ

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第八章 そもそも、科学理論って何なの

          科学理論を文の集まりと考えて科学哲学を論じる立場を「文パラダイム」と呼ぶ。論理実証主義者は科学理論を公理系の形に整備できるものと考えた。これが文パラダイム。 科学的説明には法則から被説明項を導く以外の重要な科学的説明が複数あり、とくに重要なのが「~という仕組みでこうなった」というような原因突き止めタイプの説明では、法則が使われるとは限らない。文パラダイムは法則偏重になりやすいが、科学理論に出てくる法則らしきものには文パラダイムが法則に期待するような普遍性も必然性もない。

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第八章 そもそも、科学理論って何なの

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第七章理論の実在論と対象の実在論を区別しよう

          ナンシー・カートライトは法則についての反実在論を提唱。ケプラーの法則のような直接観測できるマクロな量どうしに成り立つ規則性を「現象論的法則」と呼び、ニュートンの万有引力の法則のような現象論的法則を説明する法則を「基本法則」と呼ぶ。カートライトは現象論的法則に実在論的立場をとることは否定しないが、基本法則に関しては反実在論の立場をとった。 カートライトの立場は対象実在論と呼ばれていて、対象の実在論+基本法則の反実在論というふうにまとめられる。電子はあるけど、それについての基本

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第七章理論の実在論と対象の実在論を区別しよう

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第六章 科学的実在論vs反実在論

          ある時期のパトナムは奇跡論法を用いて実在論を擁護した。つまり、直接に観測できない事柄を認めないと科学の成功は偶然の積み重ねによる奇跡になってしまう、というもの。奇跡論法はアブダクションの一種。 社会構成主義者のコリンズは実験家の無限後退という議論を提出。これは、理論Tを証明するための装置Aは理論Tを用いて調整されされており・・・というもの。ファン・フラーセンは科学の成功には説明はいらないとした。 ラリー・ラウダンは奇跡論法の意味では科学的に成功していたが後に間違いが判明し

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第六章 科学的実在論vs反実在論

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第五章 強敵登場!

          科学法則もジェンダーのように社会的に構成されたものに過ぎないとする社会構成主義。そーかる事件では社会構成主義の是非とその他の問題点がごっちゃになっていた。社会構成主義と反実在論は似ているが重要な点で異なっている。 人間の認識とは独立な世界の存在や秩序を認める立場を独立性テーゼ。 世界のありさまを科学によって知ることができるという考えを知識テーゼと呼ぶ。(本書独自の呼び方?)この両者を認める立場が科学的実在論。しかし、この両方を主張するのは哲学的にはツッコミどころが多く難しい

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第五章 強敵登場!

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第四章 科学的説明って何をすること?

          ヘンペルは演繹的・法則的モデル(DNモデル)や被覆説明モデルというものを考えた 説明とは次の四つを満たすものである 1.その推論は論理的に妥当な演繹である 2.説明項は少なくとも一つの一般法則を含んでおり、それは被説明項を導き出すのに不可欠なものでなくてはならない 3.説明項は経験的に確かめることが可能なものでなくてはならない 4.説明項に含まれる文は真でなくてはならない 「飽和水蒸気量と室温の関係云々によりコップに結露が生じる」は 「コップに結露が生じる」が被説明項 「飽

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第四章 科学的説明って何をすること?

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第三章 ヒュームの呪い

          帰納法は心理保存性を持たないが、科学には大々的に用いられている。帰納法で帰納法を擁護しようとしても循環論法にしかならない。自然界には常に一定の法則が働いているとする「自然の斉一性の原理」を基礎的な前提といて置く考え方もあるが、これによって帰納法を正当化することもできない。ヒュームは帰納には全く合理的根拠がないとする帰納への懐疑論を唱えた。この問題には現在でも結論が出ていない(第9章で細述)。 カール・ポパー(彼自身も論理実証主義者)は科学に帰納法が含まれないと考えることで解

          読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第三章 ヒュームの呪い

          長与善郎『誰でも知っている』

          長与善郎『誰でも知っている』 底本は中央公論社「日本の文学27」昭和42年初版本 初出は「白樺」大正6年8月 著作権切れのため文字起こしして公開 誤字脱字御免 一 Tの守備に行っているZが死んだという話が伝わった。彼はX国のN市の者で、現役の特務曹長であったから彼の死はさっそく土地の新聞に大げさに載って出た。しかし一般に彼の死因については正確なことは知られなかった。ある者は、彼が彼に恨みのあるG国の俘虜に殺されたのだと言い、ある者はC国人に殺されたのだと言ったが、他の者は彼

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          読書メモ スタンフォードの自分を変える教室

          ケリー・マクゴニガル著・神崎朗子訳『スタンフォードの自分を変える教室』 やる力、やらない力、望む力浪費したり食べ過ぎたり時間を無駄にするのは本能が原因。太古の昔は衝動的行動が生存に役立っていた。しかし、今は食べ物を見つけてすぐに食べる必要はないし、嫌なことがあって慌てて逃げる必要もない。人間が新たに獲得した前頭前皮質の働きで意思力が発動する。 もう一人の自分に名前をつける 人は一日に200回以上の選択をしていて意識していない 誘惑に打ち勝つには自分を知る必要がある 自己コン

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