読書メモ スタンフォードの自分を変える教室

ケリー・マクゴニガル著・神崎朗子訳『スタンフォードの自分を変える教室』

やる力、やらない力、望む力

浪費したり食べ過ぎたり時間を無駄にするのは本能が原因。太古の昔は衝動的行動が生存に役立っていた。しかし、今は食べ物を見つけてすぐに食べる必要はないし、嫌なことがあって慌てて逃げる必要もない。人間が新たに獲得した前頭前皮質の働きで意思力が発動する。
もう一人の自分に名前をつける
人は一日に200回以上の選択をしていて意識していない
誘惑に打ち勝つには自分を知る必要がある
自己コントロールすべきことを認識しなくては自己コントロールできない
選択した瞬間を振り返ってみよう
「○○をしない」よりも「○○をしそうになった瞬間」を意識するようにしよう
前頭前皮質は鍛えられる(例瞑想


意思力の本能

逃走闘争反応・・・興奮して衝動的に行動
休止計画反応・・・リラックス
心拍変動・・・我慢するときに上がる
呼吸を遅くして一分間に12回以下にすれば確実に心拍変動は上がる
運動をすれば脳細胞が増えて意思力が上がる
たった五分自然に触れるだけで集中力が増す
六時間未満の睡眠で軽度の前頭前野機能障害になり逃走闘争反応のままになる
23時に寝るが失敗したら23時以降なにもしないを目標に
ストレスによる疲労から回復するにはリラクゼーション反応を起こす
リラクゼーション反応は酒を飲むとかテレビ見るなどではない
仰向けに寝て膝のしたに枕を入れ体の力を抜き5-10分何もせずに過ごす
ストレスはやる気を奪うので、ストレスとのつきあい方を知ろう(著者は「ストレスを力に変える教室」という本を出している.宣伝か?)


疲れていると抵抗できない

意思力は使っているうちに使い果たしてしまう
人はほんの些細なことにも自制心を使っている
自制心は筋肉のように鍛えられる
血糖値が上がると自己コントロールが回復する
しかし一分の自制が消費するエネルギーはブレスミント半分以下
脳はエネルギーが減ると消費を減らす、まだエネルギーが残っているのに
お菓子の代わりにナッツを食べよう
自制心を要する小さなこと(姿勢をよくする、甘いものを減らす、毎日ハンドグリップを握る)を継続して行うと意思力が上がる
難しい方を選ぶことを繰り返すと脳はすぐに行動にでないで考えるようになる
やらない力を鍛えるなら、汚い言葉を使わない、聞き手を使わないなど
やる力を鍛えるなら、毎日継続して行うようにする
自己監視を強化するなら、普段注意を払っていないことに記録をつける
自己コントロールの限界が来た気がしても実際の限界ではない
疲労感を気にしない
望む力が限界を引き伸ばす
1このチャレンジに成功したら、あなたにはどんないいことがあるか
2このチャレンジに成功したら、あなたの他に誰の利益になるか3このチャレンジは今は大変に思えても続けていくうちにだんだん楽になると想像しようやる時間を変えてみよう


罪のライセンス

いいことをすると自分の衝動を信用しがちになる結果、悪いことをしても構わないと感じる
=モラルライセンシング
我々がモラル化するものは何でもモラルライセンシングの餌食になる(午前仕事が捗ると午後だらける)
しようと考えただけでした気になる
モラルライセンシングのせいで自分に害を及ぼす行動をごほうびと感じる
人は意思力のチャレンジを道徳上の問題としがちで、そうすると自己批判に陥りがち
脳は長期的な目標に進捗があると脳のスイッチを切り替え次ぎの目標へ注意を向ける
すると欲求の解放をしたいという考えが頭にこびりつく
やることリストがやる気を奪う
進捗は自分が目標に向かって真摯に努力してきた証だと考えよ
進歩ではなく努力する姿勢に注目するために、なぜ誘惑に負けなかったのか思い出させる
人は目標にふさわしい行動をとる機会が訪れただけでいい気になる
意思が強いと思っている人ほど失敗する
あとで取り返せると思っていると甘い行動が気に咎めなくなる
未来の自分を過大評価し明日はもっとよく出来ると思っている
明日も同じことをすると考えよう
欲しいものがあるとあれこれ理由をつけてしまう(ハロー効果)
罰則を作るとルール破りが増える
意思力の問題を善悪でとらえないこと!


脳が大きな嘘をつく

快感の予感(商品カタログ、宝くじ、インターネット、ゲーム、ポルノ)が人の行動を狂わせる
脳は報酬が手に入りそうだと認識するとドーパミンを出して注意力を集中させる=欲望で頭がいっぱいになる
しかし、ドーパミン放出では報酬の予感を感じるが満足や喜びを感じられない
新商品や値引き商品もドーパミン発生装置
逆にたいくつなさぎょうをドーパミン化しよう
欲しいものは反射的に不安を産み出す
まやかしの報酬を追い求めた虚しい経験に注意を払うと呪文は解ける
わざと快楽に身をさらしてみると
1心から味わうと少しの量で満足できることがわかった
2報酬の期待と実際の快感がかけ離れていることがわかった
となる
本当の報酬とまやかしの報酬を区別できるようになることが一番

どうにでもなれ

前述の通り大半のストレス解消法は意味がない
ストレスを感じると脳は報酬を求める状態になる

効果的なストレス解消法
エクササイズやスポーツをする、読書や音楽を楽しむ、礼拝に出席する、家族や友達と過ごす、マッサージを受ける、外へ出て散歩する、瞑想やヨガを行う、クリエイティブな趣味の時間を過ごす

もっとも効果が低い方法
ギャンブル、タバコ、おさけ、やけぐい、ゲーム、インターネット、テレビや映画を二時間以上観る

ドーパミンより、セロトニンやγアミノ酪酸、オキシトシンが出る方法を
恐怖を感じると意思力が弱まる
はめをはずすとさらのはめをはずすことになる「もうどうにでもなれ効果」
慰めの言葉でもうどうにでもなれ効果が緩和される
自己批判はうつの最大の予兆でやる気や意思力が弱まる
自分を優しくすれば自制心が向上する
失敗したことより、その後どう対処したかの方が大事
1どんな気持ちがするか?逃げたりせず自分の心のなかを見つめる
2人間だもの、誰もが失敗する
3友達にはどんな声をかける?どうやって励ます
決心しただけで満足し挫折を繰り返す「いつわりのやる気シンドローム」
これは気晴らしのための戦略にすぎない
楽観的になるとやる気が出るが、ほんの少し悲観的になれば成功に役立つ
自分がいつどんな風に誘惑に負けるか予測することで決意を維持しやすくなる


将来を売り飛ばす

脳は未来の報酬など望んでいない
目先の報酬との間に距離があれば自己コントロールの状態へ戻る
10分待ってみよう

将来の報酬の割引率を下げる
1目先の快楽に負けたらあとで手に入る最高の報酬を諦めることになるのだと言い聞かせる
2長期的な報酬を手にいれたところを想像する
3自分に問いただす「一時の快楽のために大事な目標を諦めていいの?」

誘惑にかられた自己が怠けたりできないように背水の陣を敷く
1決めたことを実行するために手を打っておく
2望んでいることと逆のことをやりにくい状況を作る
3自分にモチベーションを与える
未来の自分を過大評価し問題を先延ばしにしてしまう

将来の自分との繋がりが深いほど貯金をする

1未来の記憶を作る

2将来の自分にメッセージを送る

3将来の自分を想像してみる

感染した!

悪い習慣も好ましい変化も人から移る
他人の欲求を自分の欲求のように感じ他人が誘惑に負けると自分も負けたくなる
反作用的コントロール、一日の始めに数分間自分の目標について思い出す
ぜひ見習いたいと思うような鉄の意思を持つ人のことを思い出す
人々の振る舞いは好きな人から感染する
誰もがろくでなしの真似はしたくない
よいことをするより仲間を真似たいので自分が普通だと認識すると怠け出す
努力するのを普通にしよう
他の人たちが実際に行っていることより、他の人たちが行っているだろうと思われることに左右される
プライドや恥は我々の選択にたいして速やかに影響を及ぼすので恥の効果を利用する
一方で、落ち込んでいると誘惑に負けやすくなるため恥が裏目になる
プライド恥よりも誘惑に晒されても持ちこたえる
人に認められたいという気持ちを作動させよう
知らない人とでも自分の目標を共有ししんちょくをほうこくしあ

この章は読まないで!

考えるなと言われると頭にこびりついて離れなくなる
禁止を実行に変える
欲求の波を冷静に受け止める
嫌なことがあってもそれに対処できるようになり気晴らしをする必要はなくなる
内的体験をコントロールしようとするのは無茶
※読まないでと書いてあるから最初読まなかったけど、目次を見ていたらいかにも有用なことが書いてありそうだったので読んだ。読んでほしく逆にこんな章題になったのかな


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