【コラムweb掲載】「東大王」鈴木光さんとクラシックCD

2020年12月発行のフリーマガジンintoxicate#149に寄稿したコラムがレビューポータルサイトmikikiに掲載された。編集者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げる。

コラム形成過程と執筆意図

ありがたいことにライターもどきをもう10年近く続けている。
すると「どのようにして書きますか?」や「どうすれば文章をまとめられますか?」という質問を時々頂戴する。
その答えになるかは分からないが上記コラムをどのように書き、どんな意図があったかを記してみる。

「クラシック音楽の定盤100タイトルが並ぶシリーズの特徴を1,200字で紹介する」という執筆依頼をintoxicateから受けた時にまず頭に浮かんだのはどうすれば総花的でない、焦点の定まった文章にできるか
100タイトルの1枚1枚に触れることなど当然できないし、有名どころを10点くらいピックアップしたとしても平板で無味乾燥な内容になり、読み流されるから。
もう1つ考慮を要したのはイメイジ・キャラクターに鈴木光さんが起用されており、事前にインタビュー動画の提供を受けたこと。現在はこちらで公開中。

当然レーベルとしては鈴木光さんが絡んでいる点を文中に盛り込んで欲しいわけだから、どういう切り口で入り、どう組み立てればまとまりのある内容になるか随分逡巡した。
大変申し訳ないが筆者はこの鈴木光さんを全く存じ上げないため、インタビューを拝見しても「頭いいんだろうなあ」という以外何の感情もわいてこず、正直行き詰まりかけた。

与えられた材料から書きたいものに昇華

2、3度動画を拝見して「ここは鈴木光さんの言葉に乗って書こう」と決めた。幸いインタビューで一押しの3タイトルを具体的に挙げているのでそれぞれ動画中のコメントを言葉の繰り返しは避けつつ、なるべく口調が伝わる形で文章化した。
もし鈴木光さん御本人が読まれても不快にならないまとめ方だと思う。
流石にテレビで活躍するインテリゆえ「マニアックではないがベタ過ぎない」アイテム(アーティスト・収録曲)をうまく押さえていたのは助かった。

とはいえ、このままでは鈴木光さんのお話を紹介するだけの文章となってしまう。そこで結びに僭越ながら筆者の推す1枚を挙げた。
2020年は巨匠指揮者ジョージ・セル(1897~1970)没後50年、しかもセルは逝去する約2か月前に自身が鍛え上げたクリーヴランド管弦楽団と最初で最後の来日公演を果たした。
従って2020年中にセルのことを書きたいと強く願っていたが、ラッキーにもセルの来日公演ライヴがラインナップに含まれたので実現できた。機会を頂けて感謝している。

今回依頼された定盤シリーズは前後期50タイトルずつ計100タイトルの構成だった。そして鈴木光さんから3タイトル、筆者が1タイトルの計4タイトル紹介したが結果的に前後期から各2タイトルずつになった。
文章の構成としてもイントロでシリーズの紹介、続いて鈴木光さんの推薦タイトル、締めに筆者からの1枚と何とかバランスよく焦点のはっきりした内容にできた。一応最後の部分が心に刻まれるようにしたつもりだが、読者諸賢如何に思われるか・・・。

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