クラシック音楽を聴くのに知識は要るのか【損な先入観に一言】

敬愛する音楽家がYoutubeを再始動したので早速視聴した。ラジオ出演を重ねて相当話術が鍛えられたようで軽い自己紹介をしながら、自身のクラシック音楽に対する思いを明るく快活な口調で語っていた。
元々才能と行動力を併せ持つひとなので今後が楽しみ。この音楽家に関してはまたいずれ改めて書くとして今回は動画のコメント欄を読んで考えさせられたことを記す。

それは「知識がないとクラシック音楽は聴くのが難しい」もしくは「知識がないとクラシック音楽は入っていけない」と認識しているひとが結構いらっしゃること。はっきり申し上げるがいずれも完全な誤解。
そもそもジャンル問わず音楽を聴く、楽しむのに知識は要らないと思う。
例えば藤井風を聴く時にコード進行がどうしたとかを調べてから聴くバカはいないだろう。もちろんファンになれば本人の歩みとか、音楽的ルーツなどに興味が出て深掘りするひとはおられようが、それを知らなきゃ聴きづらい、入れないなんて話があるわけがない。
クラシック音楽とて同じこと。何かのきっかけで心ひかれたなら、すっと聴けばいいだけの話。
もし興味が深まって色々聴き始めた場合にはイヤでも知識はついていくし。もちろんネットで調べたり、本を読んだりするのも面白いがまずは音楽をたくさん聴いた方がベターだと考える。

筆者個人の話で恐縮だが1995年秋に偶然学校の図書館で三浦淳史の『20世紀の名演奏家』という本に出会い、載っていた往年の指揮者や演奏家のエピソードを読んでこういうひとのやるものを聴いてみたいと思ったのがクラシック音楽に入ったきっかけ。
それまでクラシック音楽に特段の関心はなかったので当然作曲家や音楽の作りに関する知識は皆無なところから聴き始めている。だがさして不自由は感じなかったし、CDの解説書などに目を通すうちに少しずつ知識は増えていった。

本稿の読者で万が一、クラシック音楽に関心はあるが「知識がないから・・・」と躊躇しているひとがいらっしゃったら、どうかそんなことはお構いなく、YouTubeなどで聴きたい音楽を探して、じゃんじゃん聴いて欲しい。100年単位で愛されてきた人類の遺産につまらない先入観のせいで触れずに終わるのは損な話だから。

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