広告とは、行動「デザイン」である
昨日、アート思考、デザイン思考、ロジカル思考について、こちらの記事でまとめました。
参考記事:「アート思考、デザイン思考、ロジカル思考を整理しておく」
簡潔にまとめると、
アート思考は、受け手の解釈が多様なモノ
デザイン・ロジカル思考は、解釈が1つに絞られるモノ
では、デザインとロジカルはどう違うのか。
デザイン思考は斬新な「切り口」「表現」で人に気付きを与えつつも、最終的に意見は1にまとまり、
ロジカルは、真向から正論で殴るので、有無を言わさず解釈が1つになる。
という違いがあります。
(余談ですが、デザインコミュニケーションは暖かく、ロジカルを冷たく感じるのは、このためです。)
この、アート、デザイン、ロジカルと3つの思考法のうち、広告はデザイン思考を拡張させたものです。今日は、その話を書いていきます。
すべての広告にはたった1つのゴールがある
広告表現は、アートの世界のように見えます。
コピーライティングや多彩な表現技法を駆使して、受け手に解釈の余白を与えている。そう考える人も多いのではないでしょうか?
しかし、広告はアートの世界ではありません。
なぜなら、すべての広告にはゴールがあるから。
ゴールがある以上、解釈が多様なアート思考が介入する余地はありません。A地点にたどり着くことがゴールなのに、アート思考ではB地点、C地点にも向かってしまいます。
それでは、広告にとってのゴールとは何か?
それは、広告主がお金を払ってまで得たいモノすべて。
マクドナルドなら、顧客の来店。
Appleなら、iPhoneの売上個数アップ。
Amazonなら、プライム会員数アップ。
などなど。もちろん1つの企業でも、キャンペーンによって、目的は様々。
ただ間違いなく言えることは、すべてのキャンペーンには、何かしらのゴール設定があるということ。
広告は、ゴールに向かう行動デザイン
広告で表現されるクリエイティブとは、ゴールにたどり着くための行動デザインです。
広告主が、生活者を西に向かわせたいなら、人が西を向くような行動設計をデザインする必要があります。これが、広告クリエイティブなんです。
「概念で語られてもよく分からんぞ!」と言われそうなので、マクドナルドの広告事例をいくつかご紹介します。
マクドナルド広告は、ゴールから逆算されたデザインである
マクドナルドの広告は、奇抜な表現やアイデアで注目されることが多いです。
ただ、よくよく見てみると、どれもがゴールに向かう良いデザインになっています。(つまり、広告表現を見た消費者の解釈が1つに集約されるということです)
これは、「右に200m行ったらマクドナルドがあるよ!」と伝える広告。それをわざわざ3mの違いを書いて、目を引こうとしています。
「200m→197m」、この表現の面白さに目が行ってしまいますが、この広告のゴールは来店(と200m先にマックがあることを知らせること)です。
あ、この先にマックあるんだ。それなら行こう!と思わせることに成功しているなら、この広告はゴールにたどり着いていると思います。
これは、スマホでマックが注文できるようになったことを知らせる広告。
これも表現に目が行きがちですが、ちゃんと「Mobile Ordering is here」とコピーを書くことで、受け手に多様な解釈が生まれないようにしています。
スマホを重ねた表現だけでは解釈が分かれそうなので、コピーで補った事例ですね。
注目を浴びつつ、解釈は1つに集約させるために、「絵とコピー」を組み合わせた秀逸なデザインだと思います。
すごく良い広告っすね。。。。。
これは、マックデリバリーの広告。
「雨の日にぜひ使ってね」というメッセージが込められています。
この広告のゴールは「マックデリバリー利用の増加」。これも、そこから逆算されたデザインになっているのではないでしょうか。
ちなみに、こちらパリの広告で、印象派の絵画になっていて、オシャレさを感じさせますね。
まとめ
3つほどマクドナルドの事例を紹介しましたが、すべてゴールからの逆算で広告がデザインされていますよね。
良い広告は、広告を見て、人が1つのゴール(マックに行きたいとか)に向かうようデザインされているんです。
ということで、今日は、広告はデザイン思考を活かしたマーケティング手法であるという話でした。
とはいえ、僕はアート思考も大事だと思っていて、その話はまた次回します。
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