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頑張り疲れのお疲れ会。仕事帰りのOLお一人様、銀座でコース料理を食べた~ビストロ オザミ~

取り憑かれたように、わりと必死だった気がする。
19時半過ぎに会社を出て、その後晩御飯は食べてからだけど仕事を再開して日付が変わるまで頑張って、2時頃に起きて再びパソコンを立ち上げて、というか立ち上げたままで。朝の7時前には家を出て、会社では12時間以上トイレに行く暇もお昼はもちろんおやつすら食べる心の余裕が無くて。流石にそこはピークだったけど、似たようなルーティーンが数日続いた。

お昼に行っていないことは他の人の目にも明らかだったから、心配してもらった。チョコを貰った。あ…ありがてえ、超ありがてえ……。

こうやって忙しい時って納期に追われている時だから、頑張った末に行き着く先は「遅くなって大変申し訳ありませんでした」なんだなと、しみじみと噛み締める。結局思い通りの結果は出せなくて、でも怒られるかなと思ったもののとりあえずは「頑張ってくれてありがとう」とか言われて。「この会社は人がいいから」みたいな身勝手な意見は結構嫌いなのだけど、そんなことは忘れて「めっちゃいい人ーーーー!!!」と思った。

なにはともあれ、疲れたよ。

もういいから今日はお昼行けなかった分早く退勤にしてと言われたのでお言葉に甘えて…外が、まだ明るい……最近真っ黒な空を見上げてため息をつくことが多かったから、その、外の明るさに一番泣きそうになった。

ならばどこかで美味しいものを食べなくては。

とりあえず東京駅に向かう。
多分、大丸にオープンしたデリーモにでも行こうと思ったのかな。
でも途中で会社から電話があって、なんだか気になっちゃって銀座駅で降りた。
さてどうしよ。

GINZA SIXにある、ちょっと気になっていたビストロに行ってみる。ええい、こんなに疲れたんだから奮発して贅沢したっていいのよ!!!

何のお祝いでもないのに、銀座にて一人でコース料理とワインをかっぱらう。罪深すぎて「銀座」の変換がさっきから「銀罪」になるんだけどなんなの。

ビストロ オザミ

うっわー、うっわー…。
いつも「気になるな~でも1人で入れる系のお店と違うかな…」と諦めていたお店。外からじゃなく、中から見ている。

アラカルトでもOKだったのだだけど、1個3,000円とかする。
前菜でも付けようものなら即、コース値段超えるくね?
そう思うと…コース、お得じゃね???

ほんのり温かな状態で提供されるパンは、こりゃあたまげた!!!
シンプル、見事なまでに飾り気のないシンプルちゃんなのだけど。
えっ、なにこれ、美味しくいっ!!!
表面はカリッと。中は案外柔らかく。そして何よりもとにかくひたすらに芳ばしく、奥から滲みでる甘さ。何じゃこりゃ。
豚のリエットは全部付けるのかどうなのか迷うけれど、美味しいからそのままでもパクパク食べられちゃう!

北海道テリーヌ

素敵じゃん。
盛り付けお洒落。それとめっちゃ美味しい。語彙力舞い降りろ~~美味しい、超美味しい。
いや実際ビックリするのよ。柔らかな、これはどんな柔らかさというのだろう。柔らかな魚がほぐれる…ううん、もっと、蟹が口の中でほどける…う~~ん、もっと、何かもっと。滑らかなペースト状が、柔らかにフンワリほろりと溶け崩れていく。蟹の旨みたっぷりで。高級な味わい。
周りのジェノバソース…かな。合わせて。パプリカのムースと合わせて。
美味しい。


かぼちゃのポタージュ

「温かい」と「冷たい」どちらでも選べて、オススメを聞いちゃった。
明快な答えがあったわけじゃないけど、なんとなくの成り行きで「温か」に。とろり、甘い。スプーンですくって、すくってすくって……ん?どこまですくうんだ。狐君とおツルさんのスープ飲み合いの童話を思い出す。
すくって、すくって…そうしているうちに、白い平らなお皿が見えてくる。
とろみがあるから、現れたお皿の色は見えたまま。
甘い南瓜で、中から温めていく。

山形牛100%ハンバーグ

ゴロッと超荒々しい~~~!!!!中はちょっと赤みがかっていて、高級感。というかホンット、荒ぶる肉の塊!!!うわっ、ソースも旨みたっぷりだし!それを吸い込んだ旨みたっぷりの野菜も美味し過ぎるし、なにより肉が!!!ワイルドなイケメン!!!

ゲフッ。
あやや…お腹が、いっぱい。
突然フォークが止まる。
美味しい。滅茶苦茶美味しい。
あれ、私こんなに胃袋小さかったっけ。

流石に2,3時間睡眠を何日も続けて朝も昼もほぼ何も食べていなくてずっと仕事に追われてて。心も身体も思った以上に疲れていたらしい。多分。
そんな身体にいきなり贅沢料理たんまり詰め込んだらね、びっくりしてしまうよ。美味しいという気持ちと拮抗して、目が回って気持ち悪い。
でも食べたい。
ああ、無理。

そんな気持ちが闘って。
とりあえずスマホで本を読みながら時間稼ぎ。ゆっくり。
1人のわりに長居してすまねえな、まだ空き席結構あるから許して。


そして、知らなかったけど、スイーツも待っていた。
断ろうとさえ思ったくらいもうお腹がいっぱい。「甘いものは別腹」はある意味で科学的根拠も確かにあるよ?違う刺激が入ることでウンタラ…でもそうは言っても腹は1つなのに変わりない。

大丈夫だったら、ガトーショコラとかを選んでいただろうか。
なるべく軽めのものを……アイス3種も良いかなと思ったけど、苺のスープという方が気になった。

苺のスープ

??????
いや、知ってるよ、カダイフ。パリパリしたやつ。私は何度か出会ったことはある。そしてこの中に……

苺のスープ!!!
凄い!カダイフのこんな使い方ある?あるらしい。可能性秘めてる奴だなあ。

苺のスープは、スープといってももっとトロミの強い、コンフィチュール的な。しっかり苺の存在を感じるよ。鮮やかな甘酸っぱさ~!!
ピスタチオのムースが潜む。
これがまた、濃厚!!!
ううぅ…私の胃袋、この程度でへこたれるな、めっちゃ美味しいじゃん!!!

苺とピスタチオ。
圧倒的是対的な名コンビに、カダイフのパリパリという新しいドキドキを取り入れて。

合わせてワインを注文。
お高いやつは、90mlハーフサイズがある。ありがたや~。こんな、5,000円、はたまた10,000円も超えるようなやつだと、家じゃなかなか買えない。
割高とはいっても、少しずつ楽しめる方が私は好きだ。


ラ・ダム・ド・マレスコ

マルゴーの格付け第三級シャトー、マレスコ・サン・テグジュペリのセカンドラベル!星の王子様の曽祖父のワイナリーだ☆★☆
湿布の爽快感みたいな、パンチのきいたタンニン。そこに滲み出たとろけるような柔らかな果実味。黒系果実、ビターチョコ…ダークなふくよかさ。
凝縮されてフワリと広がる果実の香りはいつまでも嗅いでいたい。

シャトー ド ラボルデ
ジュヴレ シャンベルタン ヴィエイユ ヴィーニュ

樹齢50年のピノ!!ひゃあ、素敵!!
ふくよかな、柔らかな樽の香り。可愛らしい苺の甘さ、妖艶な薔薇。とろけるような瑞々しい果実。めくるめく、ふっと顔を覗かせては隠れて…エレガントな複雑さがギュッと凝縮されて。熟れた優しさ、可愛らしさ。内緒だよ、お婆ちゃんとの約束、そんなワイン。


値段は見ずにカードで支払った。
たまにはそんな贅沢もいいのよ。
疲れたんだから。頑張ったんだから。

いつもじゃなくて良い。
もう、あの「う~~~わっ、お腹が…頭が、今すぐ横になりたいよ~~」という気持ちはいっぱい、いっぱい。

でもGINZA SIXに行く度、「くっそ~、いつかこのお店にも行きたい、けど今じゃない…」という葛藤に悩まされなくなった、はず。

頑張り疲れのご褒美を、今度は何にしようかな。


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