好きの為に、私は1人でもその店に行く〜NIRVANA New York〜
1人でカフェに入るのは敷居が高い、という人がいる。
気持ちは、まぁ分かる。
私だって、上京して最初の頃は、「ここここんなお店に1人で来ちゃって良いの?」と超ビビっていた。
でも、1人カフェ巡りは、楽しい。
勿論、気の許せる友人と一緒に行くカフェも楽しいけれど。
1人には1人の良さがある。
美味しい珈琲やスイーツと対峙して。
ゆったりと眺めて味わって、そして余韻に浸る。
時には読書をしたり、物語を空想したり、抱えている悩みに思いを巡らせたり。ただひたすらに、流れる音楽に耳を傾けてのんびり過ごすこともある。
1人の時間。
しかし、そこには店員さんがいて、お客さんがいて、自分もそのお客さんの1人で。
孤独だけれど、温かな孤独だ。
私はカフェ巡りが好きだ。
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そうは言っても、やはり1人で入るには抵抗を感じるお店もある。
アフタヌーンティーとか。
芸術が過ぎるお店とか。
フレンチレストランのコースとか。
クリスマスディナーとか。
ホテルのレストランとか。
「おひとり様」は、ここ数年で社会的にもかなり認められるようになってきた。
だから、1人で行っても心配するほど店員さんも気に止めないのかもしれない。
「1人コース、慣れると楽しいよ!」みたいなコメントも見る。
が、私はまだまだ、その域には達していないようだ。
場違い感なソワソワが大きくて諦めるお店も、多数ある。
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さて。
六本木のミッドタウンにある、NIRVANA New Yorkというお店。
CONCEPT
地上の楽園は終わらない。
それは、サンスクリット語で「地上の楽園」を意味する空間。1970年、ニューヨーク・マンハッタンで生まれたインド料理レストラン「ニルヴァーナ」は、セントラルパークを見下ろす抜群のロケーションとホスピタリティあふれるサービスで世界中の著名人を魅了しました。
建物の老朽化により惜しまれつつも33年の歴史に幕を下ろした後、創業者の息子がそのスピリットを受け継ぐ舞台として選んだのが、東京ミッドタウンです。目の前に広がる緑豊かな檜町公園、ミッドタウンガーデンを一望できるテラス、ゴールドをアクセントとしたエキゾチックな店内…。伝説の続きを物語るどこまでもラグジュアリーな空間で、薫り高きスパイスを操ったモダンなインド料理をぜひご堪能ください。
カタカナが多いな…。
とりあえず高級感あふれるインド料理のお店。
雰囲気の良いカップルかお金持ちの御姉様たちが行くような店だ。
私なんかが行っていい場所ではない。
が!
どうしても、食べたいメニューがあった。
スパイス・ボンボンショコラ
えぇ!?
検索したらさ、超インド料理のお店よ??
なんでチョコとか出してるのさ!
ミッドタウン全体の、バレンタイン&ホワイトデー限定紹介みたいなボードで、それを見つけてしまった。
お店を間違えたのでは?と自分の目を疑って、10回くらい検索し直したけれど、確かにこのお店だった。
チョコを食べたい
VS
そんなラグジュアリーなお店に入って良いのかという不安
・・・・・・ちーん。
「チョコを食べたい」気持ちの大勝利!!!
ペアリングの「モエ・エ・シャンドン」と合わせながら、いただきます。
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アルフォンソマンゴー
甘さが特に強い、マンゴーの王様アルフォンソマンゴー。
チョコになっても、強烈な甘さ!
まるで飲んでいるかのようなジューシー感。
ホワイトチョコの甘さがふっと溶け合い、刺激的な甘さが、段々と優しい甘さに変化していく。
ピスタチオ
えっ!?この青いのが!?!?
と衝撃。まるで宇宙のようなチョコではないか。
かじると、中は鮮やかな黄緑色。
とろりとしたピスタチオクリームは、ふぅ~と息を吐くと、芳ばしい甘みが増していく。
時折感じる不思議な爽やかさが、フェンネルの仕業だろうか。
チャイ
ミルクティーを飲んでいるかのような錯覚を覚えるチョコレートだ。
もの凄く、スパイシー。
どこか燻製っぽい刺激的な香り。
かつ、バニラのような爽やかな甘み。
複雑で鋭いスパイス感を、ホワイトチョコがミルキーでまろやかにする。
柚子
レモングラスのような酸味が強烈!
マーカオというスパイスによるものだそう。
チョコが特に分厚く力強く感じられ、鋭い酸味は爽やかな甘さに。
味醂
味醂・・・えっミリン???
しょっぱい!!という第一印象から、甘さがどんどん染み出してくる。
味噌のようなコク深い味わい。
みりんやアマニシードの甘味が分厚く重なり...、
不思議過ぎるけれど、癖になりそうな美味しさ。
パッションフルーツ
清々しい程に、突き抜ける爽やかなパッションフルーツ。
この鋭さ、スパイスのチリによるもの?
辛くはないけれど、深みが凄い。
強い酸味から、果実らしい甘みが溶け出してくるのが面白い。
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最初こそドギマギしてしまったけれど、チョコ1粒1粒に集中しすぎて、人目など気にならなかった。
入った時には私以外1組くらいしかいなかったけれど、いつの間にか半分以上席が埋まっていた。
それよりも、途中でふっと気になったことがある。
ボンボンショコラを食べるのに、スプーンとフォークって使った方が良いのだろうか?
敷いてあるの布だからさ、フォークで割ると汚しちゃうけど・・・。
あと、多分エディブルフラワーだと思うけれど、これは食べることを想定されているのだろうか。
パフェとかなら、合わせて食べるのだけれど。
これはチョコとは別に、つまんで食べるのか?
う~ん?
まぁ。細かいことを気にするのは止めよう!
チョコレートが美味しかったから、万事OKである。
高級なお店だから、お水の影すら高級だ。
シャンパンを飲んでたら、虹がかかったよ。
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食べてみたい気持ちを優先して良かった。
きっとこれからも、「このお店は…気になるけど、少し入りにくいな」と感じることはある。
もちろん、全て頑張って入ってみる必要は無い。
入らない選択をしたということは、きっとそのタイミングでそのお店とは縁がなかったのだ。
それでもたまには、ほんの少し背伸びをして入ってみよう。
きっと普段とは違う素敵な体験がある。
あれば、いいな。
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