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非日常の最中、素敵なお店に出会えれば

「いつもの」ではない場所で。
1店…せいぜいハシゴして2,3店しか行けない食事の場所を、どうやって選べばいいのか。

選択肢が多すぎて、だから遠方に行くのが好きだけど嫌いなんだ。

名古屋へ出張した時、夕方頃に先輩と別れて…まあすぐに帰れば自宅でご飯も食べられるのだけれど…いや、それは名残惜しいよな。
もうちょっと、もう少しだけ…と引き延ばしながらズルズルと駅周辺を徘徊しているうちに…あら大変、もう晩御飯を食べたい時間だなあ。

名古屋の有名な食といえばなんだろう。名古屋コーチン?みそかつ??
なんでそういう時に、「名古屋 スイーツ」とか「名古屋 パフェ」とか検索しているのか……。

そうしてズバリ好みど真ん中のお店を見つけてしまった。やっぱり慣れ親しまないものだと右往左往さっぱりだけれど、ある程度の経験値を積んだ分野に関しては、一目で「絶対良さげ!行ってみたい!!」という直感的なものが備わってくるものだ。

まあ、良さそう過ぎて満席だろうなと覚悟はしていたのだけれど。
商店街の劇団練り歩きみたいな独特の何かを横目に、雰囲気ある通りを抜けて……ここだ。ん~~、ちょっと入るの緊張してしまうけれど、入らないで後悔する場面ではない。えいやと入ると…入れた。

どうやらお茶に心血を注いているようだ…というこだわり感があるメニューラインナップ。全然分からないけど、分からないからとりあえず名前が好みのやつにした。

奏薫。
かっこいい。

茶器とか…その後出てくるスイーツの器とか、全部が良すぎた。ということを店員さんにお伝えしてみると「全部作家さん手作りのものなんですよ〜」とのこと。わっ、好き。

スイーツのメニューも悩む〜。
「こっちも気になるから今度食べに来よう」ができないんだよ。
この中から1つだけ選べ…だと?
なんて、最初から諦めて制限を設けてはいけない。私は2つ食べた。強者は3つ4つ食べることだって厭わないはずだ。「そんな注文恥ずかし〜」なんて言うことなかれ。お店だって客単価が高い方が嬉しいだろう?ただでさえ1人で2席のテーブル席使って申し訳ないのに…迷惑でない範囲での追加注文は、お店へのリスペクトだ、多分!

那古野茶房 花千花

そうそう、こちらがお店の名前。名前からかっこいいよね。

そして、まずはパフェだろう。
甘夏とキャラメルのほうじ茶ジェラートのパルフェ

上に乗ってるハーブはタイムだったかローズマリーだったか…これいつも分からなくなる。
そして食べ方…いや食べられないのか?その辺もよく分からなくて、とりあえず香りをクンクンしてそっと横に置く。

「食べられますので、ちぎってパラパラとかけて食べてみてください」
…ぐはっ、わ〜そういうの、めちゃ好き。

メレンゲはバジルだったかな?
爽やかに、軽やかに。

甘芳ばしい、カリッカリのナッツ。瑞々しさが溢れている甘夏…あれっ、確か産地とかも言ってくれたんだけどな。提供時にいただく説明って、その瞬間は本体を眺めながらワクワクと聞いているのに、ワクワクの感情がそれらの情報を蹴散らしてしまって、後からなんて全然覚えてないんだ。

ほうじ茶が…風味良い、とても。
甘夏の、甘くて爽やかでほんのり苦くてやっぱり甘い瑞々しさの中に、気品ある豊かなお茶の風味が織り交ざって、カリッとした食感がユニークに遊んだり、滑らかにスルッと入ってきたり。

わ~、わ~!!…わぁーーー!!!
一口ごとに声になっていない感嘆を心の中でくすぶらせてる。もう構成とかよく分からないのだけれど、分からないことを丸ごとパフェの中に溶かして混ぜ込んで、全部が美味しい。

…もう何言ってるのか分からないね、美味しい、それで正義!!


さて…もう一品、諦めきれなかったのがこちらだ。
メニューに書いてあるんだよ…”ここでしか味わえないオリジナル最中”って。そんなん、そんなんさあ……。

見た目が、良い。
いや本当に…あまりにも良すぎん?

赤い、いかにも「和菓子」を上品に映し出すお皿。
そこに黒の最中皮は、なおさらかっこいいじゃん。

たっぷり詰まった餡も、ほんのり赤系の色味だしね。
そこにこの草?うん草だよね…。ちょっと明確な「何故」の理由は知らんのだけれど、このお皿と最中に、この草は完璧過ぎないか…。

皮がさ…すっごいパリッとしてるんだ。
やっぱりイートインでの提供だからこその「パリッ」なのかな。
このパリッの狭間で柔らかくムギュッと溢れ出す餡子がひたすらに愛おしい。柔らかく、粒感はっきり。甘くて甘すぎない。存在感しっかりながら、重たくない。気取っていない上品さが、とても素敵だ。

「お好みでコニャックをかけてみてください」
そんなことある??
最中に…餡子にコニャックを???

これが、良い風味を一層良くして、相乗的にとても美味しい。
美味しい。この良さを表す言葉が欲しい。
…美味しかった。


口コミ…というか某サイトの星評価とかは、パッと見で良かったと思う。ただ全国に知られた有名店かといえば、そうではないよね。

全然予定を立てていたわけではないのに、突然でそんな素晴らしいお店に行けたなんて、あまりにハッピーだった。前世の私、世界でも救った?


とても楽しい、名古屋日帰り出張でした。
今度は自分の為だけに観光として行きたいし、行き先がどこであれどこかに行くのなら、お店との一期一会な出会いを大切にしたい。

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