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肯定の欠片はきっと誰かが見つけてくれるさ

自分について。
分かっているつもりになって、見えていないこと。
そういうのって考えてる以上に多いんだろうなあと思う、思った。

毎日がんばって生きてる。
そんな風に振る舞ってはいるけれど、その裏でなんと出来ないことの多いことか。
そりゃあ皆が万能の人間なわけないんだから。多分きっと当たり前のことで。

それでもさ、こと自分に関しては。
他人に隠して出来ないことばかりが目について仕方がない。ザ・無力。

自己を卑下する気持ちはエンジンになんか成り得なくて、ただただ鉛の重さでのしかかる。私、自分の非力さには超自信あるからさ、鉛なんか抱えて動けないのよ。結局気が付いたら、無為に時間ばかりが過ぎていて泣いている。


「凄いよ、
それは貴方だからこその考え方だし行動で、当たり前のことじゃない」
そういうベタ褒めをいただいた。
ハッとした、気がする。多分、なんとなく。
上手く言葉に出来ないんだけど。

例えば、嬉しいことを誰かに共有するとか。関わった人について「あのひと大好き!」と熱弁してみるとか。必要事項のメールにひとこと感謝の気持ちを添えるとか。
なんら特別なことは無い。

もしかすると「当たり前」を全部完璧に出来る人は、あるいは「特別」と言えるのかもしれないけれど。

その時によってとか、人によってとか。
私も含めて大半の人は、「当たり前」を出来ないことだってあるじゃん?自分ではそういうNGばかりを拾い上げて否定的になってしまうけれど、誰かが「よく出来ました」な欠片を集めて評価してくれるのなら。

そうやってお互いに尊敬しあえる関係みたいなものが、たくさんの何処かで勃発しているのだろうか。なんかそれって、優しい世界じゃない?

自分に駄目なところが無限にあるのは辛いけれど、ひとつでも肯定してあげられる何かがあれば。
大丈夫、多分誰もが誰かにとっての凄い人。
そうなれる可能性を秘めている。


私のカフェ巡りだって、そう。別に誰かに認められたいからそういうキャラを頑張って演じているとかじゃなくて。好きなのだ、ただ、私自身が。

好きなことをやっていたら、いつの間にか肯定してくれる人がいた。結局そういうことが、1番嬉しいのだ。

そうして沼に、落ちてゆく…。

宗家 源吉兆庵
THE HOUSE K.Minamoto
マスカットのテリーヌ

なんて高貴なスイーツでしょう。
大きく瑞々しい「マスカット オブ アレキサンドリア」が、白ワインゼリーの中で輝いていました。

スッと背筋も伸びる。敬語にもなります。
お店自体は、銀座にあって一定にお上品ではありながらも程々にカジュアルな雰囲気で。その中で一区画、自分の目の前だけ異次元の気品を放っている。どこぞの王族の食事である。

まじ優雅。

幻想的な水族館を眺めている気持ち。すぐにナイフなんて入れられない。写真を撮った後、しばら〜くナイフも入れずにじっと見つめて、完全に変人の風合いだったこと間違い無い。

この圧倒的な産物を前にして、誰だってそういう奇怪な心持ちにもなるだろうが。とはいえ、価格だって他のメニューより明らかに高いし、多分1人で来てこれを注文してこんなに悶々と想いを巡らせている輩はそう多くはないだろう。

今の私は、そういう体験の、記憶の積み重ねで出来ている。
ちょっと自惚れて「唯一」の何かを自分の中に夢想したって良いのかもしれない。

あぁ、本当に美しい。
覚悟を決めてナイフを入れると、マスカット半個を程よく内包したゼリーがコロンと。なんかいい感じに一口サイズになる。
プルンッ、
ゼリーは思う以上に固形感がしっかりあって、口に含むと「食べた」よりも「飲んだ」という感覚に近いかも。果肉はシャキッと凄い存在感。普通に「果物」として食べるよりもずっと、一口に瑞々しさの重みがある。

わ、すっごい。
とても贅沢で、一口ひとくちが宝石の輝きを持っているのに……もはや無心にすらなっていく。
プルン、シャキッ、プルン、シャキ。
繰り返されて、繰り返されて、ふと気が付くと、結構お腹にいっぱい溜まっている。満たされる。

ドリンクも、普通にコーヒーで良かったのかもだけれど、なんか…お店独自のだよなという「フルーツスカッシュ」を選んでみる。贅沢過ぎる。

こちらも可愛く優雅で。
飲んでいるというより、フルーツを食べていて。果物たちはすぐに弾けて、やっぱり飲んでいる。

あ〜、お店に入るまではちょっと熱中症気味だったのだけれど。水分補充され過ぎた。お腹いっぱい夢いっぱい。大変に満たされたのでした。


さてさて最近趣味になった写真もおまけにご覧くださいな。
最初はスイーツしか撮らなかったカメラ。次に綺麗だなと思ったお花を撮るようになった。最近は、街並みも少しずつ撮るようになってきた。

どこかに繋がっているかもしれないし途切れているかもしれない、直進の道。そういうものが、わりと好きだ。


良し悪しは別として。
出来る出来ないはさておいて。
少しずつ、「私」の世界を増やしていく。

どこかの誰かが、私を肯定する素敵な欠片を見つけてくれますように。

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