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君のことを知りたい~ドトール季節の白桃ミルクレープ~

「ミルクレープ」というケーキをご存知だろうか。

「ショートケーキ」や「モンブラン」、「チーズケーキ」よりは有名じゃないと思うけれど、「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ」や「パリブレスト」、「サヴァラン」あたりよりは有名だと思う。

はて、どこで知ったのかな?
「お母さんが作ってくれた」とか「近所のケーキ屋さんに普通に売ってたよ」とか、様々だとは思うけれど。
そんな風に身近で提供されるようになったきっかけは「ドトール」だと思う。

全国的なチェーン店が、さも定番商品であるかのように扱うと広まるよねえ。
元々は、西やら南やらの麻布にあったお店で「こっちが元祖!」争いのあったお菓子なんだとか。いずれにせよ発祥が案外身近で、びっくりした。

ところで、「ミルクレープ」って名前は「ミルク+クレープ」という合成語かなという感じがするけれど、「千枚のクレープ」っていう意味のフランス語が由来。

なんて。
ウンチクを語ってみる。

それはとてもウザいことなのかもしれない。
コミュニケーションの本を読むと「知識の披露は嫌われる。相手の話を聞け」と耳タコ目タコで書かれているからね。

でも私は、結構そういう勉強が好きだったりする。
お菓子のことならね。

とはいえ、いつだって中途半端で挫折してしまう。
だから知らない事ばかりで本当にもどかしい思いに悩まされるのだけれど。

最近、今後の人生について考えることが増えた。
今のままで良いのかな?
仕事に大きな不満があるわけでは無い。
でも決して好きじゃない。楽しくない。

じゃあ、私は何をしたいんだろう。

具体性やプランがあるかは全然、全く別の話として。そういうことからは全力で目を逸らしながら。
それでも必ず見つける想いがある。

もっと大好きな「お菓子」に関わりながら生きたい。

いきなり転職をしようとか、そういう勇気は残念ながら無い。
それでも、世界にはどんなお菓子があって、どんな場所でどんな売られ方をしているのか。まずはそういうことを、もっと知っていきたいと思う。

ある人はきっと、「準備ばかりで動かないのは馬鹿だ」と断言するのだろう。そうだね、その通りだ。
でもまずは、そういう小さな小さなことでも、一歩は確実に進めてると自分を褒めても良いですか?


そんなことを考えていたのは、先週の健康診断の後。
「朝食抜いて甘いもの不足だから、今日は社員食堂行かずにドトールでケーキ食べますね!!」と宣言したあの日。

「福島県産白桃のミルクレープ」

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天面トッピングには「もちづき」、
3層挟んだピューレには「あかつき」と、2種の桃を使った贅沢ケーキ。

ドトールの夏の新作デザートだ。
定番のミルクレープとお客さん分散しちゃわないかな、とか、お客さんながらに少し心配になる。

普段のミルクレープの味に慣れ親しんだ私のような常連さんは、「ちょっと気分を変えて」とワクワク注文するだろうけれど。
あとは「桃」というワードに惹かれて、どのくらい新規のお客さんが釣れるかだよね。

「苺」と「桃」の強つよ感は破壊的だからな。
きっと大丈夫なんだろう。
私は安心して、食べることに集中しよう。

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驚くのは、その柔らかさ。
フォークを入れた時、
そして舌に乗せた瞬間。
桃の食感が、全く邪魔にならない。

「食べる」という行為に生じる違和感が微塵も無く、瑞々しい桃の爽やかさがスッと染み渡っていく。

あ。
美味しい。


「ザ・桃!!!」を求めている人は、多分フルーツパーラー系のお店でがっつり食べた方がいい。そういう人には、邪魔になって迷惑くらいの桃の方が満足度は高いはずだ。

でも、「暑くて疲れたし、珈琲のお供に軽く甘いものを食べたいな」という人には、このバランスは凄く心地良い。


こういう重なっている系のお菓子って、なんだか元気が湧いてくる。頑張って、ひとつずつ積み重ねていこうって、そんな気持ちになる。

もっともっと、大好きなお菓子のことを知りたいな。

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