ドトールにパフェがあるのをご存知だろうか
本当は、今日ドトールに行くつもりなど毛頭なかった。できれば休日のカフェ巡りで、そういうチェーン店には行きたくない。
勘違いしないで欲しい。
私はドトールが大好きだ。
これまで数百回も通い、その好きを深めていったことは、noteでも何度か話題にした。
しかし、休日にわざわざ行くお店とは違うのだ。
数店舗巡って、帰りに少し立ち寄るくらいならいざ知らず。いや、それでも休日に行くのなら、ルノアールとか上島珈琲あたりを選ぶ。
ドトールではない。
今日はどこに行こうかな。
色々考えて、青山一丁目にターゲットを定めた。
時々、駅直結のとらやカフェに行きたくなることがある。
初めて訪れた時に食べたランチセットに付く餡ペーストがあまりにも美味しくて虜になった。
パフェもあったりして。
時々、行きたくなる。
行ってみると…シャッターが閉まっていた。
最近はこういうことが多くて、久しく行けていない。
……ん?
よく見ると、土日祝closedって書いてるぞ。
あ〜、そりゃあ、社会人になってから何故かいつ行っても閉まってるわけだ。
いつか、平日休みの日にリベンジしよう。
さて、どうしようか。
近くにドトールがあった。
別に覗くつもりは無かったのだけれど。
私はパフェが好きだ。
好きなものには、不思議と引き寄せられる。
目に、止まってしまった。
マジか、ドトール、パフェやってるのか。
それでも一度は、興味深いなと思うだけで通り過ぎた。しかし、とある御方の声が頭に響き出す。
「ねえ知ってる?ドトールって店舗によってソフトクリームがあるの。それが凄く美味しいのよ」
ソフトクリームが美味しい。
そしてコーヒー屋さんだからコーヒーゼリーの美味しさだって保証されているだろう。
ということは、コーヒーゼリーパフェも美味しいに決まっているじゃないか。
引き返した。
もうひとつ、店舗限定が掲げられていた。
ゴホンゴホン、さすがにソフトクリームのダブルはしない。人気のブロガーさんなどは、ここで「流石にしないよ???本当にしないからね」なんて振っておいてやってしまうのだけれど。そういう選択の連続はデブに直結していくので、私はマジでしない。
ダブルにするなら、コーヒーだ。
コーヒーがこぼれているのは、見なかったことにして欲しい。拭いたりしているうちに、ソフトクリームが溶けてしまいそうだった。
いつもなら注文してから提供までの時間に、ワクワクする気持ちを落ち着かせて、調整していくものなのだけれど。
提供があまりにも早かった。
うわぁ、うわぁと、ドキドキしながら席まで運んだら、コーヒーが盛大に揺れた。
その早さはソフトクリームを盛るの状態まで、完成させているからだろう。
こういうオペレーションの効率化は、とても大切。
……あれ。
店頭の写真に書いてあったハート型のウエハース無い。在庫切れ?単なる忘れ?それとも、仕様変更?
まあ、忘れていた、というのが一番有り得るかな。
いいよ、許そう。
私がその部分のためにパフェを注文していたり、ワンパーツでも数百円するだろう、というお店であれば一層悲しいのだろうけれど。
この程度のことに腹を立てていたら、キリがない。
カフェ巡りは楽しい。
しかし色々なタイプのお店に行くのだから、チラリとストレスに感じてしまう場面には結構出くわすのだ。
だからこそ、ある程度の寛容さを持ち合わせていなければ、楽しいはずのカフェ巡りは、苦手なものに変わってしまう。
私は目の前にあるものを、全力で楽しむだけだ。
まずはガッツリとソフトクリーム。
少し溶けかけているから食べるのにはスピードが求められるのだけれど、でもこの一瞬が一番美味しかったりする。
たっぷりのソフトクリームに、少しのコーヒーゼリーを含ませながら。
ソフトクリームは牧場系の、濃厚なミルクがたっぷりと感じられるもので、間違いのない美味しさ。
コーヒーゼリーって少しのコーヒーミルクと合わせることが多いから、これほど贅沢に絡めて食べられるのは、なんだか嬉しい。
後半に進む程、コーヒーゼリーの割合が多くなる。
すると隠れていたコーヒーらしい味わいの輪郭が、よく見えてくる。
キリリとした爽やかな苦味。
溶けたソフトクリームは最後、十分にコーヒーゼリーと馴染み、コーヒーミルク的な役割に転じる。
苦味を可愛らしい甘さで包み込む。
このバランスが、すっかりコーヒーゼリーというスイーツだ。美味しい。
ドトールにパフェがあるのをご存知だったろうか。
これまで数年間、平日は毎日のように通ったドトール。メニュー切り替わりの季節が来る度に、ホームページだってチェックした。
それでも、私は知らなかった。
店舗限定。
そういう秘密を知ることで、なんだか更なる上級者になった気分だ。
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