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ちょびっとの悲劇
2021年12月11日 00:17
玄関を開けると、部屋は闇で真っ黒に塗りつぶされていた。 手探りで電気のスイッチをオンにすれば、見慣れた玄関先の光景が目に映る。大学に進学後、一人暮らしを始めて一ヶ月ほど住んでいる部屋だ。結斗の手には、アパート入口のポストから取り出した封筒や広告が握られている。 靴を脱ごうとして、足元に落ちている便箋に気付く。ドアに開いた投函口から放り込まれたようだ。 まっ白な便箋。そこには宛名も差し出し
2021年12月12日 00:02
※ 書かれたのがずっと前なので、ビニール袋はついてくる前提など、時代背景が現在と若干異なります。※ まあまあ読みづらいかもしれません。(わざとです)==================================== 時は20XX年。朝、学校前のバス停で『アーマードサイコホムンクルス人造生物兵器』、通称『aphaca(アフェイカ)』である海良 昇流(かいら のぼる)は完全武装してバス
2021年7月16日 01:55
僕と君は病院で出会った。まだまだ僕らが小学校の低学年だった頃。その頃の僕は頭がハッピーというか妄想力が屈強というか、そんな感じで精神科医に通っていた。まったく、妖精が見えるくらいでうちの親は騒ぎすぎだ。そんなことは置いといて、彼女は盲腸で病院に入院していた。偶然話す機会があって、二人が同学年で同じ学校どころか本当に近所に住んでいることがわかった。それからは二人は親友のようだった。