マガジンのカバー画像

152
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

【詩 8日目】ここにいるよ

【詩 8日目】ここにいるよ

僕はここにいるよ

君のためになにができるというわけでもない

君の苦しみを和らげてあげられるわけでもない

だけど僕はここにいる

君のことをこの場所でずっと祈っているから

君が涙を流しても最後には笑顔になるようにと

だから僕はここにいる

君がわかるように

ここにいるよ

ちょびっとの悲劇

【詩】言えないんだ

【詩】言えないんだ

君への想いが詰まって

気持ちの流れをせき止めている

どんどんと路に溜まっていく

その先にゆけないんだ

今はそこまでしか

一度吐き出さなければ

苦しいのは自分なのに

そうしてしまえば

苦しむのは君だから

怖くて

言えないんだ

ちょびっとの悲劇

【詩】ロジック

【詩】ロジック

君を忘れるためのロジックを

どこかでなくしてしまったみたいで

ありふれた恋のひとつなのに

君のかげはどこまでも消えないんだ

ちょびっとの悲劇

【詩】だからせめて今

【詩】だからせめて今

どうして「好き」と言えないんだ
口から出た想いが
その目の前で落ちてしまいそうで

君との時間は特別だった
こんなに誰かの笑顔が見たいなんて
だけどもう
それ以外の顔だって見ることは出来ない

だからせめて今
この気持ちが届かないところで
君に笑っていて欲しいよ

【詩】こぼれてしまってから

【詩】こぼれてしまってから

君の隣にいられる

それだけがまるで奇跡だったのに

そう思えなくなっていく

当たり前になっていく

どれだけ特別なのかを知るのは

みんなこの手からこぼれてしまってから

ちょびっとの悲劇

【詩】38度

【詩】38度

38度

心がこすれるんだ

自分の額に触れると

君への気持ちであつくなってる

38度3分

心の中ですりあって

君への想いが少しずつ

強くなっているのが解るんだ

ちょびっとの悲劇

【詩】君が自分を嫌いな時でも

【詩】君が自分を嫌いな時でも

僕は自分が嫌いになることはたくさんあるけれど

君が自分を嫌いな時でも

僕は君を好きでいるから

ちょびっとの悲劇

【詩】杭みたいに

【詩】杭みたいに

君の存在がまるで杭みたいに僕の心を穿つ

少しずつ少しずつ奥の方へ食い込んで

それで心は安定していく

だから突然居なくならないで

君が消えたら

大きく深い穴が

ぽっかりと後に残るだけ

ちょびっとの悲劇

【詩】おやすみ

【詩】おやすみ

君におやすみを言える

ただ それだけで嬉しかった

君がおやすみを言ってくれる

ただ それだけで幸せだった

ちょびっとの悲劇

【詩】灰色の空

【詩】灰色の空

灰色の空が

ビルの谷間に落ちてくる

僕の心を覆うみたいに

それでもいいんだ

本当にそうして隠して欲しい

僕のすべてをその中に

ちょびっとの悲劇

【詩】君の方へ

【詩】君の方へ

僕の心が

君の方へ向いている

一歩を踏み出せば

どちらが傷つくか解らず

ただ君の方へ向いている

ちょびっとの悲劇

【詩】好きになればなるほどに

【詩】好きになればなるほどに

僕が君を傷つける

努力をするほど

近付こうとするほど

君を好きになればなるほどに

僕は君を傷つける

それがなによりも耐えられないはずなのに

だから

さよならをつきつけて

ちょびっとの悲劇

【詩】摘んで君に届けよう

【詩】摘んで君に届けよう

謝りたいことがたくさん

ぽつぽつ浮いてくるのに

まるで粟みたいに

掬って君に渡すことが難しくて

だからせめて

日々咲いているのに

言わずに枯らしてしまっていたこの言葉だけ

摘んで君に届けよう

「ありがとう」

ちょびっとの悲劇(20日目)

【詩】もっともっと

【詩】もっともっと

寂しがりな僕はあなたに会いたくて

もっと寂しがりになる

怖がりな僕はあなたとの距離の変化に

もっと怖がりになる

泣き虫な僕はあなたの優しい声を聞いて

もっと泣き虫になる

弱虫な僕はあなたの瞳に映るとき

もっと弱くも

もっと強くもなれるんだ

ちょびっとの悲劇(21日目)