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アート関係を必死に理解しようとしてレビューするマガジン

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#レビュー

「デ・キリコ」展@東京都美術館

「デ・キリコ」展@東京都美術館

デ・キリコの「形而上絵画」というキーワードを聞くと、半ば条件反射的に埴谷雄高の「形而上文学」を連想する。埴谷雄高は「死霊」において「虚体」というキーワードを提示し、実体のない、存在だけの人間について書いた。
デ・キリコもまた絵画において実体のない本質的ななにかを探し求めたのだろう。

画面の色の話をすると、デ・キリコは郷愁を描いた。それは空の色合いによくあらわれていた。テレンス・マリックの映画でよ

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奈良美智: The Beginning Place ここから@青森県立美術館 240102

奈良美智: The Beginning Place ここから@青森県立美術館 240102

青森県立美術館には「あおもり犬」と「森の子」があるので、今回の企画展では、建物全部で奈良美智美術館といってもいい印象を受けた。

展示自体は展示数自体は多すぎず少なすぎず、ちょうどよかった。
1,家
2.積層の時空
3.旅
4.No War
5.ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体

上記のテーマに沿って、1979年から2023年までの作品からチョイスされていた。
5つのテーマは奈良美智の作品

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彼岸花が咲く島

彼岸花が咲く島

自分の世界を構築できているのはいいのだが、小生はイマイチハマらなかった
好きな人は好きだと思う。

日本に近い場所にあるらしき、島国。そこではノロと呼ばれる女性たちが中心となって、暮らしている。
この島に流れ着いた少女は記憶を失っていた。宇実(ウミ)という名前を与えられ、島の子どもたちと一緒に生活する。
やがて、宇実はノロになるための試験を受けて合格する。
大ノロと呼ばれる老女から、この島の血塗ら

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