災禍の中で自分を取り戻す時間～「滅びの前のシャングリラ」～
異常事態は続いています。
外食できない、旅に出られない、人と会えない・・・。
いったい私たちは何をしたらいいのでしょうか。
私は今こそ「自分らしくいる」ことではないかと思うのです。
仕事が厳しい方、生活が脅かされている方には申し訳ありません。
停滞している方、考えている方、時間ができた方に向けて書いていきます。
今、何をするのかを考える
何十年も読んだ記事に「戦時中、みんな死ぬと思っていた。だからどうでもいいと思うか、だから必死になって何かしようと思うかで二つに分かれた。終戦後、その差は埋められないほど大きくなっていた」という内容がありました。
今も声高にいう人がいます。
「今の時期に何をするかで、その人のコロナ後が大きく変わるはずだ」と。
言いたいことはわかります。
いまこそ、オンラインなどで学べ、資格をとれ、勉強したほうがいい、と。
それもいいでしょう。
でもそれだけではないと思うのです。
これは「自分を取り戻す時間」ではないか、と。
緊急事態宣言があり、「自粛」がありました。
リモートワークが始まったり、イベントがなくなったり、残業が減ったり、通勤時間が週に何回かになったりなくなったり。
時間ができた方も多かったでしょう。
いま再び「緊急事態」ですが、時間ができたという実感がない方が多いようですね。実際通勤電車は混んでいます。
でも夜は閑散としていますね。
もしその時間に何か考えたり、できることがあったら・・・。
私は何をしてきたか振り返る
前回、私は何をしたか考えてみます。
私はまず家を片付け、多少の断捨離をしました。
キッチンなどがかなり使いよくなって、今も助かっています。
でも家はまた散らかっています。
ずいぶん子どもの本を中心に整理し、古本屋さんへ2回持っていきました。
もう一度持っていこうと積み上げた本はまだそのままです。
毎日ノート(モーニング・ページ)を書くことで、思考が整理されました。
夫に無理をいい、自分のワーキングスペースができました。
noteを始めました。今も書き続けています。
私は外に向かって自己表現をしたかったのだと気がつきました。
私としてはかなりがんばりましたし、実りはありました。
この事態を「よかった」ということは決してありませんが、立ち止まったことで自分を見直したことは確かです。
友人たちの時間の過ごし方
友人に話を聞くとさまざまでした。
ずっと「あつまれどうぶつのもり」をやって、家族とコミュニケーションが密になった友人。
旅行関係の仕事をフリーランスでやっていたので仕事がなくなり、副業に力を入れ始めた友人。
演劇関係の仕事がなくなり、マスクや雑貨を作り始めた友人。
大手IT企業に勤めていて、「今の生活の方が楽」という知人。
まだまだ多くの話を聞きましたし、ここに書けない話もあります。
私の友人たちは、みな考えていました。
「あつまれどうぶつのもり」をしていた友人は、立ち止まっていたわけではありません。
距離のあった息子さんと近づき、登校拒否などで苦しんでいた息子さんは立ち上がって行動を始めたそうです。
「形あるもの」だけではなく、自分の大事なものに気がつく時間だったともいえるかもしれません。
勉強でもいいし、創作でも、断捨離でもいい、家族との時間や休養でもいい、自分自身が選んだ時間であればいいと思います。
それがあなたの大事な時間です。
あと1か月で地球が消滅するとしたらどうするか
「一か月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」(本の帯より)
衝撃的なラストを予感されるストーリー。
「滅びの前のシャングリラ」(中央公論社）は昨年本屋大賞をとった凪良ゆうさんの最新作で、今年も本屋大賞にノミネートされています。
あと1か月何をするか。
いじめられっ子の少年は好きな女の子を守るために家を出ます。
やくざの男性は好きな10年以上会っていない好きな女性を探しに行きます。
かつて恋人から逃げ出した女性は、子どもを守ろうとします。
大人気の歌手は最後に自分の歌を歌おうとします。
あと1か月という時間が決められた中で何をするか。
何もしないか。
町は荒廃し、略奪や殺人が横行する中、自分たちはどうするのか。
迫力のある筆致で、ぐいぐい読まされました。
自分自身の生き方を問い直されます。
今もまだ、緊急事態の中、緊張しながら生きています。
自分はどうするかを問われ続けている気がします。
どう生きるか。
自分の根源を。
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