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名残りの夏着物をいとおしむ

酷暑、台風、長雨・・・気がつくと、夏はあと十日あまり。

今年は。ほとんど夏着物を着られませんでした。
ここのところずうっと、なのですが。
去年から改めて着付けを習い、もっと身につけたいと思いましたが、お出かけもままならず。

残念です。


夏着物、というと特別な思いがあります。

正直、着物を着始めた時に「夏は着られない」と思っていました。
暑いし、着られる期間が短いし(7,8月のみ)、面倒で。

ところが。

夏着物には何ともいえない風情があるのですね。

すきまの入った絽という、涼し気な布。
はんなりと、色っぽいです。

私は、紗は持っていませんが、これも透明感と張りがあって、肌触りが素晴らしい。

去年、練習にと出したのは、若いころに仕立てたサーモンピンクの絽の着物。もう若いお嬢さんにお譲りしたい、ような。

20210819サーモンピンク (2)

金と銀の、目立たない小花模様が散っています。

20210819花火の帯

帯は花火。これは単衣の時にも一度出しましたね。
線が細くて文様が見えにくいのが、少し惜しい、感じ。

20210819ため文様

これはアンティークというか、古着の絞りです。
竹文様。

今年の夏に一度、近所からご招待をいただいたコンサートの時に来た着物はこちら。

20210819お出かけ前姿

帯締めが曲がっていますね。反省💦

これもアンティーク着物です。
どちらも20年以上前に求めたもの。
帯は同じです。

20210819着物文様 (2)

下の着物の文様は何でしょう。みおいちさん。教えてくださいな。

日常的に着物を着ているみおいちさんには、着物のことをよく教わっています。着物模様の解読は、みおいちさんのライフワーク、ですね。

もうお一人、すてきなを師匠を見つけました。

アンティーク着物のお店で働いていらした、あやしもさん。
このマガジンは着物好き、日本文化に興味のある方には外せません。

noteで着物の世界が深まる、喜びを知りました。
他にもすてきな方が多いので、またいずれ紹介したいです。


夏着物を着るようになったとき、思ったのは
「川を渡ってしまったな・・・」ということ。

それまでは、お茶を習っていたから着物を着る、と思っていたけれど。
夏着物を着るようになると、それは本当に着物好きかな、と。

ずぶりと沼に入ったような思いでしたが、まとうと何とも言えない悦びが、身を包むのです。

サラリとして、まとわりつかない、やさしく美しい布。
張りのある、帯。

濃い色の方が涼しく見える、不思議。
白い長襦袢が、透けて見える。

ただ、腰のあたりはおはしょりで3重になり、蒸します。
でもクーラーがきついところでは、おなかを守ってくれます。
ん~、でも外の移動が長い時は大変ですね。

夏着物。
薄物。

熱くて、面倒、もあります。

が、これほど特別な衣装もないように思えるのです。

涼しげに、色っぽく、見えます。

「涼しそうですね」
「夏着物っていいですね」

声をかけていただく機会が多いです。

でもほめられるからというよりも、自分が特別になった気持ちになれるのです。
ティアラやイブニングドレスではないけれど。

楽を選ばない、姿勢。

背筋を伸ばして、大切な衣装を、まとう。


私には、夏着物はまだ、非日常です。
いつか、もう少し、「今日は着物にしようかしら」と自然に選べるようになりたいと思っています。

※写真の東京国立博物館の帷子(これは単衣ですね)です。

ありがとうございます





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