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子どもの小学校入学が不安……という方へ

この春に小学校入学を控えているご家庭は、今の時期、ちょっとそわそわしているかもしれない。

何を隠そう、2年前の我が家(私)もそうだった。
2月に行われた入学説明会的なもので、学校生活の説明などを受けたのだけれど、そこで文字通り「ぎょっ」としてしまったのだ。

決まりごとばかりの小学校にビビる

小学校って、とにかくいろいろなことが細かく決まっている場所だ。

最初に洗礼を受けたのは持ち物。
ふでばこは無地でなくてはならないし、両面が開くタイプはNG。もちろん下じきも無地で、模様があるものはダメ。消しゴムも極力シンプルなものを……など、あげればキリがない。

娘のふでばことししたじき。もちろん無地でワンハンドル(片面開き)。

まあ、理由はあるかもしれなけれど(ふでばこや下じきに柄があったら授業に集中できないとか)、ちょっとやりすぎじゃない? と思った。そんなに細かく指定するなら、いっそのこと学校で買って配ればいいのに、とも(笑)

そして、入学後はさらに引いてしまうことが続いた。

公開授業を見に行ったら、課題が終わった子どもたちは「良い姿勢」でじっと待っている。良い姿勢というのは、両手を腰の後ろに組んで、背筋を伸ばした状態のこと。子どもたちは基本的に、「待つときはこの姿勢」と教えられているようだった。
その光景が軍隊みたいで、ゾッとした。

さらには、毎日必ず課せられる「音読」の宿題。
いや、音読自体を否定したいのではない。意味があるんだと思う、多分。でも、毎日必ず読まなくてはいけなくて、1週間くらいず〜と同じ内容を機械的に読まされる……。かなり苦痛では? 国語嫌いにならない? と、娘よりも親の私が戸惑ってしまった。

小学生になる前まで、親として、自分の子どもにどんなふうに育ってほしいかと聞かれたら、「自分の人生を自分で選択して生きられるようになってほしい」と答えていた。

でも、小学校はむしろ「自分で決められない人間を育てる場所」ではないか……。このままで大丈夫だろうかと、不安ばかりが募った。

モヤモヤが晴れたインタビュー

そんな経験(というか想い)があったからか、仕事で「新しい教育に関する記事を企画してみないか」と提案されたとき、二つ返事でOKした。

いろいろと調べて、まずは第一弾として、教育改革の現場にも詳しい苫野一徳先生へのインタビュー記事を書いた。

苫野先生の取材後は、娘の小学校入学以来のモヤモヤが、さーっと晴れていくような気持ちだった。それまで「点」だった疑問や不安が、「線」になってつながった感覚。

強制的にやらせる宿題に効果はない(という研究が主流)、ただ黙って先生の話を聞くだけではむしろ知識は習得しずらく、体験を通した学びこそ子どもに定着する、などなど。

このあたりは、記事の第2回、第3回にも詳しく書いた。

苫野先生からは、「日本の公立小学校でも新しい学びへの実践は始まっていて、少しずつ変わってきている」というお話も聞くことができ、大きな希望を感じた。

違和感の先にある「新しい世界」へ

話を自分の子どもに戻すと、問題点や新しい取り組みを知ったからといって、今通っている学校の方針が急に変わるわけではないし、突然良い先生が担任になって新しい学習が展開される、なんてことは期待できそうもない。

それでも、私の気持ちは随分軽くなり、すっきりした。
多分「これまで感じてきた違和感は的外れじゃないんだ」と確信できた、さらには「自分で判断できる材料」を持つことができたからだと思う。

やらされる音読に意味がないと思えば、宿題だからといって無理にやらせなくてもいいし、どうしても守らなきゃいけないルールなら、「学校では〇〇がいいとされているけれど、▲▲という考え方もあるよ」と子どもに伝えることだってできるとわかった。

そして意外にも、私のように今の学校の生活指導や授業の方法などに「モヤモヤ」している人が、実は結構多いという事実が判明した。

というのも、上記のインタビュー記事を企画する前に、信頼できるママ友数人に「今の学校の勉強や宿題についてどう思う?」と聞いてみたのだ。そうしたら、「心のなかでは疑問を感じている」という意見が予想よりたくさん寄せられた。

宿題って毎日あんなにたくさん必要? 、これからの時代、丸暗記に意味あるのかな……、などなど。でも、やっぱり基礎学習が大切という気もするし、勉強習慣はつけてほしい……という気持ちもある。

そう、みんな迷っているし、モヤっているのだ。

社会も学校も、「過渡期」である今。
(自分も含めて)多くの人が、まずは「モヤモヤ」に気づくことから始まると思う。モヤモヤを明確化して、その原因を「そうだったのか!」と認識して、「そんな考え方(やり方)もありなんだ!」「もう新しい取り組みが始まっているのか!」と知ること。

そうした一人ひとりのプロセスが、「変化」を後押しするのではないか。

「モヤモヤ」はきっと、今を変える原動力! その先に、きっと新しい世界がある。

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