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「夫婦は似る」を好きなゲームで知る

ディクシットというゲームをご存知だろうか。

ボードゲームが好きな人なら、一度は聞いたことがあるかもしれない。私はこのゲームを、ボードゲーム仲間の友達から教えてもらった。

このゲームで必要になってくるのは”想像力”だ。ルールはリンク先のものを見てもらった方が分かりやすいのだが、一応ここでもさらっと説明しておく。

1.さまざまなモチーフが混在するイラストのカードがあり、それぞれのプレイヤーに手札としてくばられる。同じカードは1枚としてない。

2.語り部、と呼ばれる親を決める。親は、自分の手札の中から1枚選び、その手札のイラストから想像したタイトルを絵を公開せずに発表する。

3.例えば「孤独」というタイトルを親が発表したら、親以外のプレイヤーは自分の手札の中から「孤独」に合いそうなカードを親に渡す。

4.プレイヤーから集めたカードを自分の選んだカードと一緒にシャッフルして並べる。この時もちろん、プレイヤーはそれぞれ、自分が出したカードのイラストしか知らない。

5.並べられたカードの中から、親がどのカードを出したのかプレイヤーたちは想像し、投票する。そこからはポイント計算だ。

まず、プレイヤーの得点方法だが、投票で親のカードを当てられれば3点ゲット。さらに、自分以外のプレイヤーが自分の出したカードに投票していれば、その投票してくれた人数分の得点が加算される。

そして親は、誰か1人でも自分のカードに投票していれば3点。しかし、全員に当てられると自分以外の全員に2点の得点が入る。

……とまぁ、こんな感じの流れを親を順に変えながら進めていくゲームだ。最終的に30ポイントを先に稼いだ人が勝利となる。

最初、このゲームを知ったばかりの頃は、友人と私、そして友人の旦那さんとやることが多かった。そんな3人でプレイしていると、私はこの2人に全く勝てなかった。おかげで私はこのゲーム自体は好きになったものの、下手なのだとずっと思っていた。

しかしある日、よく遊びに行くボドゲバーでディクシットをやった。結果、それはもう勝ちまくったことがあった。

(あれ、もしかして私、ディクシット苦手じゃない?)

そこで私はようやく気付いた。

このゲームで大切なのは、タイトルをつける親は『できるだけいろんなカードに当てはまりそうな、抽象的な言葉のチョイス』をしなければならないこと。そして、親以外のプレイヤーは『タイトルに合うカードを出し、投票では親がどういう意図でそのタイトルをつけたのかを見極める』必要がある。

つまり、プレイヤー同士が互いのことをよく知っていればいるほど、ネーミングセンスが推測しやすくなる。ということもあるのだ。計算よりも感覚によったゲームのため、よりその人というものが出てきやすくなる、というのもこのゲームの魅力である。そのため、

「この人が〇〇という言葉に対するイメージはきっと、これだろう」

というのが親しいほど推測しやすいのである。

夫婦の話に戻るが、やはり一緒に暮らしていると人は似てくると思う。食べるものや過ごす時間が重なれば、感覚が似てくるのも当然ありうる話だ。

となれば、こういう感覚によったゲームをする時、確実に似た感性を持った者のメジャー側にいる方が有利になるのである。マイナーな感性を発揮するゲームであれば別だが、ディクシットはマイナーに寄った方が負ける。なぜなら、誰からも「この言葉ならこれでしょ!」と思わせなければならないのだから。

私は友人夫婦とやる時、2vs1でやっていたと言っても過言ではない。3人しかいなければ、もう1人の感性が当てはまる選択肢を見つければいいのだから。

この友人夫婦を見ていて思うのは、似る要素がある人同士がくっつくのだな、と言うことである。要素が1つもなければ、どちらかに強力な協調性がなければ、似せることも相当困難に思える。

彼女たちの場合は、ハマった曲は違っていても、実は作曲者が一緒だったとか、互いの過去を紐解くうちに共通点を見つけることがままあるらしい。それを聞く度に、私はほっこりしてしまうのだが。

ゲームを通して、友人夫婦の絆の深みというものを私は感じることができた。やはり、大人になって本気で遊ぶ、というのは楽しい。

ディクシットはプレイ時間も1回30分程度で、ルールもシンプルだ。ぜひ気になった人は友人、もしくは初対面の人と遊んでみてほしい。意外な一面から、だよね~という一面まで楽しめること間違いなしだ。

#心に残ったゲーム

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