[白熊杯:短歌] 勝手に大橋ちよ賞
みんなの俳句大会 白熊杯 各賞が発表されてグランドフィナーレを迎えました。
受賞のみなさまおめでとうございます☆
まだまだ白熊杯の余韻は続きます。
短歌の勝手に賞やります。
これは私が勝手にやってる私設賞です☆
※順番は投稿順です。
◎短歌編
投稿された作品の中から、詠み人を伏せた状態で「好き💖」と思ったものをピックアップしました。
※順番は投稿順です。
◎勝手に金賞
雪の日の夜空は澄んで美しく
静かな団地のゴミ捨て場まで
詠み人:じょーじさん
夜中にゴミを捨てに行くときのことでしょうか。
ふと外に出た時の空の美しさに心奪われることありますね。
美しい夜空とゴミ捨て場という対極にあるようなものが、ひとつの世界にまとまっているのがとっても面白いです。
野うさぎの穴から臨む星々の
行方を占めす君と遥々
詠み人:ひろ生さん
これはものすごく詩的でファンタジーな一首です。
野うさぎの穴は不思議の国に繋がってる…と思いきや、銀河鉄道に乗って旅立ってしまうような。
すごく絵を描きたくなる~と思ったら絵描きのひろ生さんの歌でした。
今年の干支であるうさぎを絡めつつ、壮大な世界観ですばらしです。
◎勝手に銀賞
寒空に星が瞬き気がそれて
おばけの怖さ忘れてしまう
詠み人:片倉夜明け!!さん
山の中に肝試しに入ったら、星がめちゃキレイだった…。
なんてことあるかもですね。
肝試しで好きな子とペアになれずにがっかりしたことを思い出しましたw
歌の中に「おばけ」が登場するのがとても好きです。
カラフルな薬とモノクロの生き方
混ざる胸骨泣く寒苦鳥
遮断機を潜った先の幽天に
生きるが轢断され寒凪ぐ
詠み人:MITEI NARICO🔰さん
死と隣り合わせの力強い命を感じる歌です。
破滅系のものにこそ「生」への執着を感じてしまう私です。
もがいてもがいて生きている。
ドロッとした世界観がとても好みです。
人波は濁流のごと年の瀬に
中州のベンチで固まる私
詠み人:キラキラヒカルさん
人混み、苦手です。
人の濁流から離脱してしまうと、あっちとこっちがまるで別世界のように感じます。
周りだけ早送りになっているような情景を想像しました。
いつか見た時の砂また巡りゆく
いのちの終わり輪廻に委ね
詠み人:これでも母=うっかリス🐿さん
命って不思議ですね。
ここにはもういないって思っても、いるような気もするし、もう次の世界へ行ってしまったのかな…とも思うし。
生きていた人がいなくなるってことが、いくつになっても理解できずにいます。
太陽の風作り出すオーロラを
見れたら多分死ぬと思う
詠み人:しろくまきりんさん
この歌は、「多分死ぬと思う」というところに全てが凝縮されています。
短歌を詠むときに「多分死ぬと思う」と、しかも締めくくりの部分に持ってくるとは…なかなかなぶっ飛びですばらしいです。
いや、でも千年前の短歌でも、こんなことを言ってるものがありそうです。
雅な言葉を使ったりしてるけど、つまるところ「萌え死に」ってやつ。
感動しすぎて昇天したいです私も🐻
きりもなく木の葉散る道肩ならべ
聞きたいことは何も聞けずに
詠み人:すうぷさん
「きりもなく」という言葉がとてもすてきです。
言葉が喉でつかえて時間だけが過ぎていく様子がドラマチックに描かれてます。
音楽を作りたくなる一首です。
仏壇にXマスケーキ供えたら
女神が隣の柱から見る
詠み人:歓怒(かんど)さん
以前、お寺でクリスマス会があったんですよね。
それから教会でお坊さんの説法を聞いたり、イスラム教の方々のバザーを見たりしました。
仏壇は日本の仏教的なもの、クリスマスはキリスト教、女神はまた別の信仰の神かな。
ごちゃまぜだわ…と面白く思いました。
記事を拝見しに行きましたら、女神は天照大神だそうで、神道の最高神です。
私はこんななんでもありな感じが好きです。
凧揚げを教えるはずの爺さんが
熱中し過ぎ孫砂遊び
詠み人:しょだまさしさん
情景が目に浮かぶような短歌です。
こういうことってお爺ちゃんやお父さんがなりがちですよね。
なんででしょうね。
あ、私もよくなりますけどねw
ほっこりありがとうございます。
かさかさと枯葉の揺るる並木みち
止みし足音不意のくちづけ
詠み人:てまりさん
なんですかこのロマンチック短歌は!!!
少女漫画のようなワンシーンにズキューンでした。
「不意のくちづけ」という表現がめちゃよいです。
恥ずかしいから描かないけど絵にしたい情景。
朝まだき庭の片隅氷張る
小さな池に魚は棲むや
詠み人:ぱんだごろごろさん
魚が好きです。
それは父譲りで私の父も魚を飼っています。
庭のカメの中に金魚などいて、冬は凍ったりもするのですが、金魚はたくましく生きていました。
そんなことを思い出させる一首で好きです☆
こんにちは うさぎ年だよ こんにちは
野菜売り場でまた会いましょう
詠み人:ねんねんさん
いろいろな解釈できる面白い一首だなと思いました。
野菜売り場で会えるのは誰なのかな~と妄想したり。
野菜とうさぎは関係あるのかなーと考えたり。
こんにちはを二回言っているのも斬新でかわいかったです。
いろいろ楽しませていただきました。
記事を拝見して、うさぎってそれかっ!!!!
となりました☆
こちら神無月にあちら 死者の日に
笑ふ悪霊ノーベンバー婆
詠み人:やどかりさん
まず、ノーベンバー婆って何?? となりました。
旧暦の神無月と死者の日は11月ですね。
なんだか意味深な歌に心動かされました。
記事を拝見して、映画から短歌であることを知り、紹介されている映画『NOVEMBER/ノベンバー』が気になっております。
賀状少なくなりました捲りつつ
顔と名前が合はぬ友かな
詠み人:菊池洋勝さん
年賀状が少なくなる理由はいろいろあって、SNSで繋がっているせいでハガキを出さなくなったもありますし、いつも年賀状をくれていた人が亡くなってしまった…というのもあります。
いずれにしても寂しいのですが、自分も出さないしな…って思いました。
それでもずっと年賀状をくれる人もいたりして、これ誰だけ…ということもあったり。
人間の繋がりって不思議ですね。
真夜中の湖へ素足をひたす
雪の行方を訊ねるために
詠み人:直輝さん
これは何やらファンタジーの香りのする一首です。
私の妄想癖のある脳は、この素足をひたしている者が精霊とか妖精とかに見えてきてしまいました。
雪はお友達か恋人か。
妄想が暴走します。
白銀とノスタルジックのガス灯が
ボクの心を旅へ連れ出す
詠み人:風立 彩羽さん
まで絵画のようなシーンが思い浮かびました。
この旅人は黒い外套に皮のスーツケースを持っていたり。
宮沢賢治の世界に入り込んだような。
ここから曲が始まりそうな一首だなーと思いました。
いにしえの初まり祝う細き糸
わかちもつかな繊月の夜
詠み人:洋介さん
古今東西、いにしえより人類は月を見上げてきました。
細い細い月は満月とはまた違った存在感のある付ですよね。
この短歌から、いろいろな時代のいろいろな場所のいろいろな人が同じ月を見上げている壮大な時の流れを空想しました。
時空を超えるすばらしい一首です。
以上です。
今回の短歌はなんとなくラブストーリーが多かったように感じました。
短歌だと心情を表現しやすいんですね。
日本古来からエモさを詠うものだったんだなー。
▼勝手に賞、本当に楽しいのでみなさんぜひ~。
私はみんなの推し歌が知りたい!!!
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