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読書人間📚『三千円の使いかた』原田ひ香


『三千円の使いかた』原田ひ香

2021年8月25日 初版発行
同年12月5日 7刷発行
中央公論新社


東京

姉、貯金600万。子育て中専業主婦、29歳。
妹、貯金30万。会社員、一人暮らし、24歳。
母、貯金100万弱。更年期、ガンの疑いに悩み、何もできない、しようとしない夫との生活に悩む55歳。
祖母、貯金1000万。夫の死後、老後の不安に働き口を探す、73歳。



▶︎第2話 73歳のハローワーク
「まずはなんで働きたいのか、どうして働きたいのか、ということをご自分の中で整理することが大切です」
収入を得る、自己の向上、技術を生かす、社会と関わりたい、趣味を活かしたい、人の役に立ちたい、一つに絞れないです. . . 



▶︎第3話 目指せ!貯金一千万!
プチ稼ぎ、ポイント活動、あーわかりますわかります。そんな事とは無縁の生活がしたい!と、疲れたところに、婚約者の義父母に一億もの保険金をかけられそうになったら、黙っていられず私は警察に行くかもしれません. . .


▶︎第4話のピリピリすることと言ったらもう。
でも、友人、安生の考えもわからなくもない。結婚、子育てに対する「費用対効果」。いざその時になると私も尻込みしてきました。私では負担をかけてしまうと思ってきました。そして、同じ様に考えている人とお付き合いをしてしまった先の縁はやっぱり途絶えました。それでもこの人ならと思う事もありました。けれど結局、二人とも、お互い負担をかけ合ってしまうのは良くないという気持ちの方が勝ってしまいました。琴子みたいなおばさんが側に居たら違っていたかもしれませんね。"かも" はもうないけれど。
メモ📝 iDeCo イデコ


▶︎第5話熟年離婚の経済学
更年期も始まる年齢になれば、体の不調も当然のこと、ガタもやってくる。けれどガタも抱えながら、若い頃と変わらず家事をやる。夫が外で稼ぎ、家事は妻と分けて生きてきたなら、いつか状況を変えていかなければならないかもですね。子どもも巣立った頃、もう休みたいと妻は思う。けれど、身体が若い頃と思うようにいかないまま、変わらない家事をやらなければいけない精神的な負担が、夫に理解されない。当然の様に"ごはん"が出てくると、上げ膳据え膳な夫の様子に苛立ち、意識が離婚へと向かう。
更年期の始まりに、先々の不安から熟年離婚に至ると言う例に私は考えも及びませんでした。そりゃそうですよね。


▶︎第6話、節約家の人々と、奨学金制度問題。
美大卒の翔平、夢を持ち勉強していたはずが現実はそうはいかない。どこの大学に行くにしろ、お金は大変な事だと思いますが、好きな人との結婚も子供も諦めざるを得ない額、状況。翔平の様な人は少なくはないと思います。少子化問題と世の中騒いでいますが、どうなんでしょうね。意見はたくさんありますが、私はこの制度、どうにかしたら良いのにと思っている方です。




解説 / 柿谷美雨
『「他人は他人、自分は自分」と、あなたは心の底から割り切れていますか?』
解説重いです。びっくりしちゃいました。お気持ちはわかります。東京の広がる格差は、独身の私にもしんしんと身体にこたえています。ですが、本書の味わいを、見事に吹き消され、驚き。ずーん. . . 


カバーイラスト  ながしまひろみ
カバーデザイン  田中久子

🌝声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。

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