見出し画像

あんこのおやつ

あんこが無性に食べたくなる時があります。

和菓子、鯛焼き、あんぱん…

近所のパン屋さんにある パリッとしたフランスパン生地にあんこが詰まった“フランスあんぱん”が最近のお気に入りです。


年に数回、小豆を炊きます
豆の硬さや潰し具合、味加減も自分好みにできるのがお手製のいいところ
豆やわらかめ、甘さ控えめに仕上げます

いつもとりあえず おぜんざいでいただいて、残りをあんこにします
おはぎやパイ、トーストなんかにアレンジして、余った時は突然の無性に備えて小分け冷凍

前回小豆を炊いたのはお正月明け

ぜんざい?
おしるこ?

友人に これは “おしるこ” だよって言われて驚きました。

へ? どう見ても粒があるのに⁈

粒がある 小豆の汁物は “ぜんざい”
粒のない いわゆるこし餡の汁物が “おしるこ”
習った覚えはないけれど、物心ついた時から疑うことなく何十年もそう思ってきました。

友人は  粒があろうがなかろうが これは汁があるから“おしるこ” なのだと言います。

へぇ?

どうやら関東と関西では区別の仕方が違うようです。
ざっくりと言えば、ぜんざいとおしるこは

関西→粒のあるなし
関東→汁のあるなし

で区別することが多いようです。

ほぉ。

そういえば、、買ったことはないけれど、自動販売機で見かける “おしるこ” 、 粒入っていますね。 “粒入り”って書いてあるのは私のような関西出身者への配慮なのかもしれません。

あと、西の方ではごはん以外でも豆や野菜など“煮る”ことを “炊く”と言います。
これも無意識に染みついていて、指摘されるまで気づかないことでした。

…と、話はあちこちに逸れましたが、今週はぜんざいを楽しんだあとのあんこが目的です。

春のお彼岸、 ちょっと大きめの牡丹餅に。


昔、父がたまに出かけるとお土産はいつもおはぎでした。

どこそこの老舗の和菓子屋、とかそういうこだわりなどは一切ありません。
関西には “おはぎの丹波屋” というおはぎのチェーン店があります。
当時 つぶあん、こしあん、きなこの他に、黒胡麻や青のりといった種類が確かあったような。
一度「どれもおいしいね」って言ったら、以来出かけるたんびに 「全種類を4個ずつ」 という男前な買い方をしてくるようになりました。
大人買いというやつでしょうか。
父は私に甘かったなぁ。

それにしたって、シュークリームとかケーキとかドーナツとか私が好きなおやつは他にもたくさんあるのになぁ
知ってか知らずか父は頑なに一途なのでした。

翌日の朝ごはんも次のおやつもおはぎになる
なんだかなぁ と思いつつ、「すてたらあかん」が口ぐせの頼もしい母の健闘によりいつもきれいになくなりました。


そういえば近所の商店街にあった 甘味も置いてるうどん屋さん? いや、うどんも置いてる甘味屋さん? に行けば、母の注文は決まって “きつねうどんとおはぎのセット” でした。
大阪名物!お好み焼き&ごはんのセットに同じく これまた炭水化物セットですね。

おはぎは母の大好物でした。
そうか、あれは一番に母へのお土産だったんだなぁと、今さらながら思い至りました。
無口で頑固な父の思い、母には伝わっていたのかなぁ。

お彼岸にて
春の優しい花を飾り、牡丹餅をこしらえて、母へも飛んで届けたいけど
まずは父とご先祖さまへ 自宅からそっと手を合わせます。


さてさて、年度末ですね。なんやかんやが収束しつつ

ほっとした時にふと食べたくなるものは、故郷の味や懐かしい思い出の味なのかもしれません。

緊急事態宣言もひとまず本日解除です。


#12.  『 彼岸  〜春分〜 』

⭐︎ 春分なり 時追うごとにまんなかの柔らかくあれ 豆を炊く午後

⭐︎春分の昼夜のような上弦の月を見上げば父の横顔

          ー ちる ー

この記事が参加している募集

至福のスイーツ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?