探鳥会レポート<W川編>4/4話 2023年2月 1本の木の価値
先日、ニコ支部O分会主催の探鳥会に参加しました。
場所はW川です。
案内役のO先生はW川の川原を戻り始めました。
ふと藪を見て
「ここ、行っておきたいな」
役員に、曲がり角に立って案内役をするようにお願いして、藪の中へ。
窪地になって水がたまったところに出ました。
ここにはよく小鳥が水浴びに来るのだそうです。
切られた木が目に付くようになったところでO先生は足を止めました。
O先生は後方へ声をかけました。
「ちょっと!リーダー呼んでくれる!」
リーダーは最後尾を歩いていたのですが、急いで駆けつけてきました。
地面が少し高くなっていて、そこは平らに整地されていました。
周囲には切られてしまった木がいくつか目に入ります。
木にのこぎりを入れて、おそらく最後は力任せに倒し、その木が倒れたまま放置されていました。
O先生曰く、ここを飛行場(仮)として借りている人がいて、周囲の木を勝手に切っているそうです。
切られた木は借りている土地の外にあるものです。
勝手に木を切られていると役所に訴えて「伐採禁止」の看板を立ててもらったそうですが、この時は看板が斜めに傾いて文字が見えないようになっていていました。
「よく見ておいて」
「何かの機会があったらちゃんと訴えて」
「この木1本が、たくさんの鳥にとって、大事なんだ」
リーダーと何人かが様子を見て、また戻ってきました。
その間に先生は看板を直しました。
O先生はこのために寄り道をした様子でした。
藪の中を進みます。
地元新聞社の記者がセンダングサという洋服に付く草の種をたくさん付けていました。
思わず自分の服を確認してしまいました。
ピュリピュリピュリ
可愛い声でイカルが飛んでいきました。
木の高いところにたくさん止まっていました。
低い藪の所にはエナガの群れがポンポンと飛んでいきました。
O先生から「いい写真が撮れたかい?」と聞かれました。
遠くて撮れなかったと答えたら失礼かと思って
「カワセミが撮れました」
と、答えました。
堤防の上を歩いて、近くの東屋にて鳥合わせをすることになりました。
鳥合わせとは探鳥会で見た鳥をみんなで確認し合う作業です。
毎年同じ時期に観察してきた記録は、学術的に価値が高いそうです。
「イカル…最後に堤防の上から見ました」
「アオサギ…カラスの所の下流にいました」
「カワウ…上空を飛んでいました」
リーダーはどの鳥がどんな場所にいたか、説明を交えながら鳥合わせをしました。
すごくわかりやすいです。
地元新聞社の記者が、誰かが撮影した鳥の写真を使わせてもらえないかと言い出しました。
今回は鳥が遠くていい写真が撮れなかったなーと思っていたら、O先生が私を指しました。
「いいのが撮れたんじゃないかい」
大砲みたいなカメラを持っている参加者が他にいるのに。
しまった、さっきの質問はこれか……
結局、私が引き受けることになりました。
後日、地元新聞の御当地版折り込み紙に探鳥会のことが記事として載り、私の撮ったカワセミの写真が記事に色を添えたのでした。
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