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探鳥会レポート<T河原編>2/3話 2023年9月 君の名は

 先日、ニコ支部I分会の探鳥会に参加してきました。
 場所はT河原です。

 先頭集団が違う道を先に行ってしまいました。
 残った探鳥会ご一行、先頭集団の戻りを待たず、先に進むことにしました。

 土手の下につづく、整備車両が通行するためにあるような砂利の道を進みます。

 私の近くを歩いていた男性参加者が声を上げました。
 「ん、あれはガビチョウじゃない!」

 進行方向前方、2メートルくらいの高さの枝を目指して、参加者が双眼鏡を構えました。
 私は鳥を見つけるのがうまくないので、スコープ隊の列に並びました。

 木の葉の陰、灰色の鳥がちょこんと止まっています。
 本当だ、ガビチョウじゃない。
 そんなことを思いました。

 カメラでも撮ろうかと思ったのですが、自力で見つけられませんでした。

 そのうちにパッと飛んで行ってしまいました。
 「あー……」

 落胆の声を上げる探鳥会ご一行。

 参加者のOさんが私に
 「撮れた!?」
 スコープで見ただけだと答えると
 「撮らなかったの!?」
 「俺があれを見たのは6年ぶりなんだぞ!」

 「!?」

 えっ、今の鳥ってなに!?

 慌ててみんなの会話に耳を澄ませます。

 「よく見つけたねぇ」
 「あれは自分では隠れたつもりだったから、ゆっくり見られたねぇ」
 「いやぁ、運が良かったねぇ」

 で、鳥の名前は、何?

 結局、最後の最後で分かるのですけど、アリスイという鳥だったぽいです。

 アリスイだったら私も見たのは初めてです。

 探鳥会ご一行は先へと進みました。

 みんなが足を止めました。
 上空を見ているように思えたので、同じ方向を見てみました。

 きっと猛禽類に違いないと思ったので、空の黒い点を意識しました。

 見たら、空にはたくさんの黒い点。
 全部、猛禽類でした。

 晴れた日、気温があがったときに発生する上昇気流に乗って、猛禽類は空の高みへと円を描きながら飛び、一気に南を目指すのです。

 ずっと雨の日が多かったせいか、たくさんの猛禽類が集まってきました。
 なかなか贅沢な時間でした。

レンズのほこりみたいな猛禽類。


拡大図

3につづく。


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