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【第4弾 舞台裏】LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitches

ストリートアートが盛んなロンドンではありますが、ロンドン市内すべてがそうかというとそうではありません。第3弾までのお話しにも何度も出てきた「東ロンドン」というエリアが最もロンドン市内でストリートアートが盛んな場所となっていて、日々新しい絵が描かれています。

とはいえ、絵を描く場所は限られているため、同じ壁にどんどん新しい絵が上書きされていくということになるわけです。そうなると、「俺の絵の上にあいつ、上書きしやがって!」みたいな抗争が起こるんじゃないか?アーティスト同士の関係性ってどうなっているんだろう?って気になるところじゃないですか?

今回はそんなストリートアーティストたちの舞台裏の部分に迫っていきます。

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上書きのルール

廃墟が連なるストリートやトンネルなどには日々新しい絵がどんどん描かれるのですが、いったいストリートアーティストたちはどのようにして描く場所をきめるのでしょうか?

その一つの判断基準は「この絵はすごいな」と感心する作品の上には描かないというシンプルなものなのだそう。

とはいえ以前、SAKIさんが友達のアーティストと一緒に壁に絵を描いた後に、その友達が「SAKI」という名前をある別のアーティストが描いた絵の上に書いてしまった時には大激怒のメールが来たこともあったといい、やはりそういったアーティスト同士のいがみ合いも時には起こってしまうもののようです。

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商業化し始めたロンドンの
ストリートアート

今も無断で壁に絵を描くことは違法行為ではあるものの、最近ではだんだんとロンドンのストリートアートが商業化しはじめ、状況は変わりつつあります。

もともと東ロンドンとはあまり治安の良いエリアではなく、観光客が近づくような場所ではありませんでした。そのため壁が落書きだらけになろうが、近隣住民も特に気にすることはなかったのです。

しかしここ数年で一気に人気スポットへと急上昇し、おしゃれなカフェやバー、週末には大きなマーケットが開催され、第3弾でもお話ししたように「ストリートアートツアー」なんかも登場し、爆発的な人気を誇るなど、観光スポットとしてもメジャーなエリアへと変貌を遂げました。

すると企業がストリートアートを広告塔として起用するようになり、お店のシャッターや壁に絵をかいてもらうことをアーティストたちにお願いするようになったのです。

こちらは東ロンドンで最も有名な古着屋の一つ、BLITZのシャッター。SAKIさんの絵が堂々とストリートを飾ります。

このように商業化し始めたことを良く思わないアーティストたちもたくさんいるのも事実だとSAKIさんは語ります。

最近では壁やシャッターなどのスペースを見つけてきて、その企業とストリートアーティストたちをつなぐエージェントのような仕事をしている人もいるそうです。

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住民、区役所との関係性

SAKIさんのようにアーティストとして生計を立てている人たちにとって、壁に描く絵は大切な広告塔。ですが最近は東ロンドンのエリアが変わり始めたことでSAKIさんにちょっとした問題が生まれたそうです。

SAKIさんの絵のテイストはセクシーな女の子。お尻やおっぱいが見えている作品も多いわけですが、最近は壁に絵を描いた次の日にはお尻やおっぱい部分が黒のペンキで塗りつぶされてしまっていることが出てきたんだとか。それが区役所によるものなのか、近隣住民によるものなのかのはかわからないけれど、見えない規制のようなものがかかり始めたようです。

先日も壁に女の子の絵を描いていたところ

「ここに子供が住んでいるのは知ってるの?」

とそのビルの前に住人にとがめられ、

「お尻を丸出しにしたような絵は描かないから大丈夫」

と説明したものの、少しだけお尻が出ている絵をかいていたら次の日には塗りつぶされていたという事件が起き、若干落ち込んだものの、

そのあとその塗りつぶされた部分を人魚に変えてやった!

というSAKIさん。それがこちら。

とはいえ、自分には女のコをテーマにしか描けないし、それを楽しんでいるのだから、絵のテーマを変えるというのもなんだか違う気がするし、かといってやはりストリートアートは、公共の場に描く訳で宗教上や教育上の問題で自分の家の前に裸の女の子が描かれるのは嫌だというのも分かるし…

と悩む日も少なくないのです。

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ストリートアートを
ライブストリーミングする時代がやってきた

絵をかくときにはテーマをあらかじめ決めることもあれば、その時の気分で決めることもあるというSAKIさん。

そんなSAKIさんが去年参加した世界で最も有名な美術館の一つ、テート・モダンとのコラボレーション企画TATE X DRIPSANDRUNS

12人のストリートアーティストたちが真っ白な壁に全員同時に絵をかきまくるというライブ映像を世界中に向けて放映する企画でした。

TATE X DRIPSANDRUNS - #DRIPSANDTATE (LIVE FROM THE TATE MODERN, LONDON, NOV 2015)

ストリートアートの制作風景をライブで見ることができるなんて時代も変わりましたね!

Drips and Runsというチームはストリートアートの制作風景をライブストリーミングで世界中にお届けする活動を行っていて、SAKIさんも今まで数回参加したことがあるといい、大人数で一気に作品を作り上げていくので、即興でほかのアーティストとテーマを決めたりすることもあるそうです。

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ということで【第4弾 舞台裏】LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitches はこれにて終了です。

ロンドンにはたくさんの知らない世界がまだまだあるんだなあとわたしもこの記事を書きながらときめきがとまりません。

次回はSAKIさんが参加したロンドンにある有名ギャラリーLollipopで行われた合同展覧会でのトラブルについて書いていきます。

それでは!

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