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干支一回りぶりに印刷頼んで同人誌を作ってみたら

久々の自分語り記事です。タイトルそのままのお話です。

【此れまでの活動】
わたしは同人誌を作るという行為自体は高校1年からやってるのですが、実は印刷をお願いして作った本はそう多くありません。
作ったとしても40頁以下の文字通りの薄い本かコピー本か折綴じ本が多く、手に持った時に感慨深くなるような、厚みのある「本~!!!」という感じのものは出していなかったのです。
そもそも高校時代はドがつく田舎というか僻地同然のところ…高波とか強風があると2つ隣の町で通行止めになって周辺自治体もろとも陸の孤島化するような場所に住んでいたので、当時は最寄りの地方都市のイベントすら自力では行けず、当時は雑誌の通販コーナーに情報を載せるか、有志が作る同ジャンルのサークルの情報を集めて作られる通販カタログ(これも雑誌の通販コーナーで販売される)に載せてもらう、都心のイベントに出るサークルさんに委託するなどして作った本を捌いていました。
高校生がそういう活動すること自体が新鮮だったのか仲のいい同級生や後輩や先生なんかは本を買ってくれたりしました。
しかも、今も持ってるよ~って言ってくれたり、上手くはないけどあの頃の絵柄のほうが好きだったな~とか言ってくれる。ありがたやありがたや。
当時作ったのは邦楽①創作①便箋①、のみです。
(※分かりやすいよう発行物の数は丸つき数字とします)
その後、専門学校進学後は都市部に出たので毎月イベント参加するようにはなるんですが、印刷で本が出せたのは①、便箋を①出し、あとは都心の同ジャンルの本の委託を請け負いつつ毎月イベント毎に8頁くらいで特殊紙コピーの折綴じ本を作って配布してました。
専門学校2年+バイト1年の3年間で、休んだ回もあるとはいえ30回近く折綴じ本を出していたと思います。
知り合いが増えて他ジャンルで寄稿することも多かった時期です。
しかし就職後のブラック会社員時代になってからは本当にイベントには出るが何もせずという状態で過ごし、退職後には商業誌に持ち込みや投稿をしていて、その後も某バンドの所謂バンギャルとしてライブとそのためのおめかしのために労働に明け暮れていたのでアンソロ寄稿した以外は同人活動は何もせず時が過ぎていきました。
2008年頃になってやっと某バンド絡みで合同誌を出したりコピーながら凝った装丁で本を③冊ほど作ったり、初めてフルカラー表紙の本も②回作りましたが、しかしそのバンドからは客層と治安の悪さから遠ざかり、続かず。
あとは2005年からペットを飼っていたのでその子のことを書いた本は①冊出しましたがそのくらいです。
2014年からは再び労働とライブに明け暮れ、装丁が凝った別の某バンドの無料配布本を配るためだけに(ジャンルの特性上)最低限しか告知しない状態で数回だけイベントに出ました。
この頃には既に尿毒症症状が進行し日常生活にも支障が出てきていて、頻繁に病院にかかるようになり、増え続ける服薬で持病の悪化もひしひしと感じて「今ライブや遠出や友達との食事を楽しんでおかないと、そういうことは全く出来ない訳ではなくとも、透析になったら管理が煩雑になり難しくなる」と思い、ライブチケット代と遠征費、そして医療費を作ることだけ考えていました。
しかし更にその後、本格的な持病の悪化で就労はドクターストップ。コロナ禍となりライブ通いも遠出もできなくなり、透析に向けての手術と入退院を繰り返し、気がつけば2年半経っていました。

【ウェブ小説という選択肢】
しかしその途中、某バンドのバンギャルをしていた2000年代前半にファンが各自で携帯個人サイトを作る流れが発生し、それにより手軽に物を書いて載せられるようになりました。
これにより自分でもサイトを複数作り、漫画を描くほどの余力はなくても物語が書けるという選択肢が生まれました。
そして、持病が悪化して思うように動けなくなった時に思い出したのはそれでした。
丁度コミケで何度かお会いしていたフォロワーさんがTL小説を書き始められたのを切掛に、わたしは作り続けていたものの世に出せていないままのお話のストックを漁り、その中から「Over Rewrite Living Dead」を書くことにしました。
選んだ基準は「自分が今まで見てきたものや体験してきたことを昇華できる物語である」という点です。
先ずはコピー対策の取られている「アルファポリス」で掲載を開始し、12000文字ほど溜まったら新書メーカーを利用して画像化し「Pixiv」「PictBLand」「note」に流すというスタイルで開始しました。
その後、ある程度話が進んで「ちょっと容易にコピーしたりパクれない」或いは「専門的な話が出てくるので自分で同分野のことを調べていないとなりすましは難しい内容」であることが察せられるであろう段階に来てから他のテキスト投稿サイト(ムーンライトノベル=小説家になろう、fujossy、BLove、魔法のiらんど、エブリスタ)にも併載し始めました。
そしてその連載の合間にコロナ禍によるオンラインイベントやSNSでのその告知の隆盛がありましたので、いくつかオンラインイベントに参加してみることにしました。
結果、実際の即売会と売れる数は体感としてはあまり変わらずです。
しかも無料DLを貰う人はちょいちょいいる、買ってくれる人は1桁という感じで、下手すると開催時間の長さから考えると実際の創作系即売会よりも売れないのでは?でした。
そこで思ったのは「だったら、紙の本も出して実際の即売会出たほうよくない?しかもイベントはオンラインでも本当はDLじゃなく紙でほしい人のほうが多いんじゃない?」ということです。
しかし、今の自分は何かするにも出かけるにも4~5時間が体力と体調の限界で、新たにまとまった量の物を書き下ろす余裕もなく、イベントに出て家に帰るだけでヘトヘトになってしまう可能性が高いという問題がありました。
そんなとき、若い頃の自分だったら自分に対しDQN根性丸出しで「気合が足りねえ!」と自己批判の塊になって己のケツを叩いていたと思うのですが、何せ今此処にいるのは必死に働いて持病でボロボロになり尚且つ老いてきている自分に優しくありたい自分なのでした。
耳元で「だったらオンラインイベントで書いたやつ再録して、試し読み用に本編載せちゃったらいいんじゃね」とそいつは囁いた。
わたしは答えた。
「ですよね~(えへ~)」
そういうことになった。

【J.GARDEN52に、出る!】
そんなこんなでイベント参加を決めたものの、次の問題はどのイベントに出るかでした。
一次創作のBLで小説なので候補としてはコミケ/コミティア/J.GARDEN/文学フリマで、イベント会社が打っている女性向けの大型イベントは候補外です。
そもそも元々がnmmn…RPS界隈だった人間としては、外部からの閲覧を制限するなどの対策を設けて分けるなどせずnmmnだけウェブカタログからサークル紹介文やカットを排除したり(赤豚さん)、サークルにnmmnルールの解釈を書かせて「俺たちの考えた最強のnmmn同人ルール」に合わない回答をすると排斥するような運用をしている(貴様ちゃん)ところには関わりたくない。
しかも二次創作やってる人ら、自分らは好き放題やってんのに&nmmnサークルの各本尊のスタンスまで知らないくせにnmmnに口出ししてくるからウゼえとしか言いようがない…二次創作こそ限りなく黒に近いグレーじゃねえか、人の褌で相撲とってるくせ調子乗ってんじゃねえぞ(真顔)と思ってるので絶っっっっっっっっっっっ対に二度と出ないです。ヽ(`Д´)ノ<モウコネエヨ
…そんなこともありコミケ/コミティア/J.GARDEN/文学フリマの中で妥当なところを検討することとし、コミケはオールジャンルで規模も大きいので客層はごく一部しか自ジャンルに流れてこない+費用高騰につき割に合わないため早々に除外しました。
そして他のイベントに関してはJ.GARDENが9月上旬4月上旬、文学フリマは少しそれとズレて11月中旬5月上旬~中旬、コミティアは11月2月5月8月。
だったら9月のJ.GARDEN、11月の文学フリマ、2月のコミティア、4月のJ.GARDEN、5月の文学フリマかコミティア…年に5回も出れれば十分では?夏は絶対イベント出たくないし、イベントない期間もオンラインでいいよね?という結果になり、先ずは締切が近いJ.GARDEN52に申込むことにしました。
締め切り近くなってからの申込みだったので、落選するおそれもありましたがコミティア併催なら大丈夫なのでは?まあダメでも次あるし…と思いとりあえず申込み、幸いにも無事に出展が決まりました。
ちなみに申込みと同時に本を作ることを決め、早々に作成に取り掛かりはじめましたが出展が決まるまでは正直祈るような気持ちでした。

【本を作る】
オンラインイベントで書いたやつ再録して、試し読み用に本編載せちゃったらいいんじゃね」という例の声に従って作ることにしましたので、先ずは保管しているデータからオンラインイベント用に書いた短編小説2篇、そのお話の基になったウェブ連載本編の最初の数話を加筆修正して3回チェック。
ウェブ連載の表紙サムネ、書き始める前の初期の人物ラフをレイアウト、目次や奥付の作成。中扉の作成、各話の扉作成。この段階でやっと印刷所の予約が開始になりアカウント作成。
印刷予約後に漫画と小説を更に書き下ろしました。
漫画は無印のB5方眼ルーズリーフにネームを起こし、メディバンペイントに取り込んでA5原寸で作成。細かいことは気にせず、体調管理にだけ注意して楽しんで作業しました。
(一回に作業数時間は4時間まで、やったら必ず同じ時間休憩する。一日に作業していい時間は最長でも4時間×3セットで12時間まで)
本は最終的に総頁数92背厚5mmという、憧れていた「本~!!!」という感じの薄い本の割には厚い本になりました。
まあ…50部しか作ってないのですが。
しかし、直接搬入にした為ちゃんと思ったとおり仕上がっているか確認できるのはイベント当日でした。今思うと入稿して数日で刷り上がるので直接搬入は半分でよかったです。追加払って半分は先に家に送ってもらえばよかったなと思いました。
(何故なら誤植や塗り漏れや消し忘れは絶対あると思ってたので…)
そして、早割良い子入稿が出来たときのボーナスタイムあるある「急遽作りたくなる無料配布」が発動し、オンラインイベントでの発表ではなかったので掲載を見送った「Winter Holiday Night」と、更に新たに書き下ろした小説「八月」でコピー本を作りました。
イベント後とらのあなにオマケと合わせて(オマケつけることだけは決まってた)10セット納品することが決まっていたので初版20部です。
イベント前の月曜からの3日間で準備し、作ったのはイベント前の金曜日の午前でした。
土曜日はオマケのほうに見本誌シールを記入し貼り付け、スペースに置く見本誌にカバーをかけ、その他必要なものを用意して箱詰め袋詰めして準備。
…そして一番の問題は本ではなく、ここ2年半通院と買い出しと調べ物以外で外出しておらず、働いていた頃の服が着れるかどうか以前に入るかあやしい上に、前の物件が広くて収納が多かったゆえに引越し後荷物が収まりきらず部屋の中がめちゃくちゃになって衣類を入れた収納が開かない我が家でした。
でも最終的には開きました。
服も着れました。
(案外大丈夫でした)

【イベント当日】
自宅→駅→新宿→大江戸線新宿西口駅そばの旧チキン亭で朝定食→セブンイレブンでモバイルバッテリー借りる→逆回りで門前仲町→都バス急行06でビッグサイト前駅→東8ホールで受付したらジャスト9時でした。
スペースに入り、先ずは新刊の状態を確認。
見て表紙が予想通りというか狙い通り、地の紙色が何なのか、何色刷りなのか判別に迷う仕上がり。しかも背の折り目はキッチリ。
そしてやはりクリームキンマリは線の細い絵+濃いめトーンでも非常に再現性がよくスベスベで気持がよく大変満足でした。やはりこうじゃなくては。
てか本当にきれいな素晴らしい仕上がりで泣けた。ありがとうくりえい社
くりえいさん初めて使ったけどセットであの値段でこの仕上がり感謝しか無い…。
セットを活かしたデザインができるなら絶対使ったほうがいい。何も問題ない限り連絡はしない会社さんだから、連絡ないと不安になる人は嫌かもしれないけどわたしは推します。
さて、スペースについてですが、今回はとにかく場所が良く、シャッター前で斜め前に本部があってすぐ横にトイレという環境は安心感がすごかった。端っこの島だと集客が多少心配かもしれないですが、逆にいろんな人の目に触れやすくて良いですし、このご時世なので換気がいい場所なのは有難すぎました。
わたしはグレーのランダムドットの布をスペースのサイズに折ってボンドで留めておいたのでそれを敷いてその上にレースを掛けました。
B4のNTラシャカラーボードにお品書きと説明を貼り付けてダイソーのスタンドに立て掛けて、新刊とオマケを左右に平積みして、真ん中にカバー掛けた見本置いて設営は完了。
見本誌出して受付してあとはフォロワーさんにちょっと挨拶に行って戻ってカタログ見たり新刊読んで誤植や塗り漏れや消し忘れをチェックしながら開場を待ちました。
開場後も一次創作BLで出るのは初めてだし小説メインなのでのんびり構えてました。
とにかく、シャッター前なのでとにかく人流が多く、その人の流れですとか、戦利品をどんなバッグに入れてるか、会場にいらしている方々のファッションや装備等々、観察してて飽きなかった。面白かったです。
たまに立ち止まって「どんなお話書いてるんですか」と訊く人がいたり、島の前通って戻ってきて無料配布もらってくれる人がいたり、いい感じで時間が流れました。
シャッター前のサークルさんの人並みが落ち着いたところでピークが過ぎたと判断して、1冊だけどうしてもほしい本があったので買いに行き、ついでにトイレに行きました。
戻って門前仲町で買ってきたドーナツを昼食としていただき、ミルクティを飲んで引き続きのんびり。
最終的には無料配布は半分なくなり、1桁ながら複数冊売れたので一次創作イベントの戦績としては上出来だったように思います。
後半はコミティアから流れてきたと思しき男性のお客さんも見ていってくれたり無料配布もらってくれたので併催で良かったなと思いました。
帰りは新刊の分荷物が増えたのでゆりかもめビッグサイト前駅→汐留→大江戸線で新宿西口駅まで寝て戻り、サブナードで食事を摂って帰りました。

【誤植、塗り漏れ、消し忘れ】
漫画頁の長谷の犬耳の塗り漏れ、長谷のキッチンの入口の枠とかぶってるところの消し忘れ、「こんなせんせいはいやだ」のナンバリングミス、書き下ろしの縦中横設定のミス、半角英数のところのカーニングの調整ミスなんかがありました。
やっぱりな~、無いわけがないんですよ。(ADHD仕草)
今後のイベントや通販で買うとその旨記載したメモが入れてあります。

【自分で読んだ感想】
いや、もう、自分が書きたくて書いてるお話しか載っていない本ですので何回読み返しても楽しくてしょうがないです。
些末なミスや巧拙なんて本当にどうでもいいというか、実際は決して良くは無いんですけど、自分が書きたくて頑張って書いたものを「恥ずかしい」と思う感覚って自分にはあまりわからないです。
自分は此れでいいと思って全力でやったからいいじゃないと思います。
あとは画面上で見てるとこうだけど、刷るとこうなるんだなー、次はじゃあ工夫してこれはこうしようかなとか思うくらいで、恥ずかしくはないです。
あとは「これウェブ連載読んでない状態の人が読んでも大丈夫なように極力やってみたけど、実際どう思うのかな」とかは思います。

【今後どうするか】
療養の合間に少ないお金やりくりしてなんとか作ったくらいなのでそんなに年に数回とかはちゃんとした本出せないと思いますが、イベント毎に書き下ろしたものコピー本とかポストカードにして配ったりは続けたいです。
本を作るなら次は途中で筆が止まっている「In The Room」と、あとは漫画を商業誌に投稿していたとき賞をとったのに本誌には載らず日の目を見なかった作品を今の時代の価値観で構成し直してリメイクして本にしたいです。

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