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頑固親父あげポテト ちりめん山椒味ってち●ぽの味がするんだよね。

どうも大池屋の商品開発部のちんぼうです。

我々大池屋は様々な食品、その中でもスナックの製造販売に力を入れている企業の一つです。

我々は世間の人々が朝・昼・晩と食事をする中で、その中間の間食に注目して、様々な商品の開発を行ってきました。

その中でも、我々が作るポテトチップスはありがたいことに、たくさんの人々の指示を受け、20年、30年とログセラーとなっている商品となっております。

私はそのポテトチップスの味を開発する人間として大池屋で働いております。企業の成長とともに私はたくさんのポテトチップスの味を開発してきましたが、たくさんの失敗をしてきました。その中でも特に本当にこれはやばかったという失敗を紹介したいと思います。

あれは2015年のことでした。弊社の商品の中でもとりわけヒットしていた頑固親父あげポテトチップスに新しい味を出そうと企画が立ち上がりました。

その頃の頑固親父あげポテトチップスは塩あじと、ブラックペッパー味がすでに飛ぶようにヒットしており、そんなヒット商品の3番目の味として、絶対に失敗できないプレッシャーとともに、新しい味を開発せねばなりませんでした。

まず味を決めるためには、たくさんの人に受け入れられながらも、新鮮味のある味を決めなくてはなりません。

早速開発部の社員を集め、意見を募りました。我々は頑固親父あげポテトチップスにどの味を選択するべきなのかと。毎度激論がとびかわされる会議ですが、なかなか味は決まりません。

あーでもないこーでもないと意見が交わされなる中、会議も終了間近、

「ちりめん山椒味はどうでしょう!」

と透き通った声でとある女性社員が手を挙げました。会議のメンバーは一同虚をつかれたように口を開けましたが、二言目には「確かにちりめん山椒!さっぱりしてそうでなかなかいいじゃないか!」と意気揚々でした。

そんなわけで味が決まったあと、試作品とその評価の流れを得て頑固親父あげポテトチップスちりめん山椒味は発売に至りました。

発売後、売れ行きやクチコミはどうかとマーケティング部と連携しながら心待ちにしておりました。そして発売後1週間経った時、たくさんの意見がSNSや従来のお手紙、コールセンターからあつまった報告を受け、お客様のどんな声が聞けるのかと胸を躍らせながら意見を確認する会議が開かれました。

しかしどうでしょう。会議に用意された資料を見て商品開発部は一同かたまりました。

なぜなら資料には

「ポテトチップスの袋を開けると、蒸れた若い男性器の香りがあたりに立ち込めて不愉快」

「男性器の香りがたまらない」

など我々が心血を注いで開発した商品が「男性器の香りがする」というご意見が数万件寄せられました。

これには商品開発部のメンバーも赤面しながら、本当にそんなことがあるのだろうかと会議を続けました。

実際に商品開発部の一人が、コンビニで買ってきた頑固親父あげポテトチップスちりめん山椒味を会議室で広げました。

会議室の中にたちまち、むわーんと夏場に自分の竿を手で擦った後、鼻に近づけた時の、あの香りが立ち込めました。

女性社員も全員身に覚えがある香りなのか赤面しています。

「これは完全にち◯ぽだね」

一人がそうぽつりと呟きましたが我々は誰一人として笑うことはありませんでした。

その後、さらに原因調査を進め、試作品の段階では味と香りともに問題ないことがわかりましたが、ポテトチップスが袋の中でしばらく時間が経つと、香りが強く残りそれが男性器の香りに結びついているということがわかりました。

原因がわかると大池屋内部では責任を追求される会議が開かれ、当時の商品開発部部長は課長まで降格処分となり、発案者の女性は地方の支社に飛ばされました。

当時の商品開発部のメンバーも同じでしたが、その二人は特に「ちんぽ」味の開発者として内部でも影から言われるようになり、現在では別の会社に移っていきました。

これが頑固親父あげちりめん山椒味の真相です。一部のマニアの方にはウケが良かったそうですが、ち◯ぽの香りがすると評価がついた製品は赤字となり我々商品開発部に深い爪痕を残した出来事となりました。


#あの失敗があったから

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