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世界を救う食材!?テンペ料理をアレコレ研究してみた

さすがに世界を救うは大げさかもしれませんがね。どうもちみをです。

ところで皆さん「テンペ」ってご存知ですか?インドネシアで食べられている大豆の発酵食品です。

友人がそのテンペを製造販売する会社を立ち上げまして、サンプルをいただいたんですね。これがまた面白い食材でして、こんな感じです。

大豆を押し固めた形状
発酵してます

テンペの形状は固められたブロック状である。味は淡白であり納豆にやや似ているが、よほど発酵が進んだもの以外は臭気や苦味はほとんど無く、糸を引くこともなく、クセがないので食べやすい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9A

とwikiにもありますが、大豆の発酵食品ということで納豆と比較されがちだが匂いやネバつき、独特の風味もなく比較的タンパクな味わい、食感はホクホクとしており油との相性もよいので多めの油でカリッと炒めるとコクもでる。といった感じで納豆とは一線を画す食べ物。

切るとこんな感じ

豆と豆は適度に接着されている状態なのでこのように切ってもバラバラになりづらい。タンパクで癖のない味わいも相まって料理の幅は非常に広い。

さらに栄養成分も良く、

高タンパク

タンパク質100g中15gは豆腐の約3倍という高スコア。筆者調べ。
ちなみにテンペは炭水化物15gのうち筆者調べ約10gが食物繊維(ということは残り約5gが糖質)らしいので意外とローカーボ、PFCバランスだけで見ると市販のプロテインバー等に近いと言えるのではないでしょうか。「料理に使えるプロテインバー」ととらえると急に興味が湧きますね。サラダチキンと違って加熱調理に向いている(というか相当新鮮じゃないと加熱しないと食べられないらしい)という点も興味深い。

さて色々ごたくを並べましたが問題はどういう料理が出来るのか?というところでは無いでしょうか。何品か作って見ました。

カリカリテンペ目玉焼き

ただの目玉焼きです。

■材料
- 卵
- テンペ お好み量
- 塩コショウ 少々

1.お好みの大きさに切ったテンペを少し多めのサラダ油でじっくりカリカリ気味に焼きます。塩コショウで下味もつけておきましょう
2.卵を割り入れて火が通ったら完成
3.トーストでもつけたら素敵な朝ご飯
ハリッサをのせて食べるのが好み

カリッとした外側にホッくりした内側の定番鉄板食感はベタだけどガチ。
目玉焼きのボリュームを増せるので良いです、コツはテンペの塩コショウはしっかりめに振ること。卵の黄身は緩めの半熟に仕上げてテンペに絡めて食べるとgoodです。

エスニックスープ

スープの実にしてみましょう。

■材料
- テンペ 100g程度
- パクチー 1,2束
- 鶏ガラスープ 500ml(顆粒を溶かしたもの)
- エリンギ 2つ程度
- ごま油 大さじ2
- ナンプラー 1回し

1.テンペを適度な大きさの賽の目に切ります
2.鶏ガラスープに適度な大きさに切ったパクチー、エリンギ、テンペを入れ、適度に煮込みます
3.煮えたらナンプラーを適度に一回しとごま油を入れて完成
癖あり食材と癖あり調味料をごま油がまとめてくれる

風味の強い仕上がりになったのですがタンパクなテンペが箸休めになりつつ汁の実としてボリューム出しの効果を発揮。このスープに合うのなら他のスープ、例えばトマトスープや中華スープにも合いそうです。味噌汁も合うかな。

テンペサラダ

サラダの具にしてみましょう。

■材料
- テンペ 100gくらい
- お好みの生野菜
- ドレッシング

1.適度な大きさに切って多めの油で炒める
2.油ごと野菜にかけ、ドレッシングをかけて完成

テンペと油の相性の良さが存分に堪能できる一品。
サラダにタンパク質を追加できるのが良いですね、もちろん食べごたえも付加されているのでオカズサラダといった趣。ドレッシングは洋風のものが合うと思います(写真はシーザードレッシング)

テンペオムレツ

ここから料理らしい料理になってまいります。

■材料
- テンペ 100g程度
- 卵 2個
- 醤油 2回し
- バター ひとかけ
- 塩コショウ 少々

1.テンペを適度な大きさにカット
2.スキレットで多めの油で焼き目をつけます。下味で塩コショウも振っておきます
3.卵を溶いて醤油を適度に入れます
4.テンペを焼いていたスキレットに溶き卵を注ぎ、1分ほど弱火で焼きます
5.バナーを設置し、魚焼きグリルに入れて弱火で5分
6.完成
ほくほく

テンペのほくほくした食感と味わいがバター醤油の風味と相性良し、バターの旨さが脳に刺さる快感。ビールに合う味です。これもテンペの下味を適度につけておくのがコツです。

テンペジラ

アルジラというネパールとかで親しまれている料理があるのですが、アル(じゃがいも)をテンペに変換してみました。ちなみにジラはクミンのことです。

■材料
- テンペ 100g程
- 塩コショウ 少々
- クミンシード 大さじ1くらい
- にんにくチューブ 小指の第一関節くらい

1.テンペを2cm程度の角切りに
2.多めのサラダ油にクミンを入れ、香りが立つまで弱めの中火でゆっくり熱する
3.テンペとにんにくを入れ、炒めつつ塩コショウで味付け
4.こんな感じに色づいたら完成
クミンだらけ

はっきり言ってビールと合わせるとあっという間に対消滅します。これは危険。
本来じゃがいもを使うのですがテンペも似たような食感で味わいも癖が無いので違和感無くハマります。コツは少し強めの塩コショウでタンパクな味わいをカバーすること。クミンとにんにくの香りのお陰で食欲がそそられますね。何より非常に簡単なのでのんべえ、キッチンドランカーにオススメ。

テンペ麻婆茄子

最後はひき肉の代わりにテンペを使った一品。

■材料
- ナス 2本
- ネギ 1/2本
- 豆板醤 大さじ1
- 甜麺醤 大さじ1.5
- 豆鼓 大さじ1
- 水 200ml
- 白湯豚骨スープ 小さじ1.5
- チューブにんにく、しょうが 各3cm程度 
- 片栗粉 小さじ3程度

1.こんな感じで野菜を切る
2.テンペを手でほぐしておく。特にベタつかないのがうれしい
3.豆鼓を刻んでおきます。豆鼓は無かったら無くてもまあOK、豆鼓醤でもOK
4.多めの油でナスを炒め、しんなりしたらフライパンから取り出します
5.油を足し、テンペを弱火で適度に炒めます。にんにくとしょうがも入れます
6.お次に豆板醤、甜麺醤、豆鼓を入れ適度に炒めます
7.水と顆粒豚骨スープを入れて煮立たせます。この豚骨スープはコクが合ってオススメです
8.ナスをフライパンに戻して軽く煮て馴染ませます
9.火を止め、片栗粉を同量の冷水と合わせて少しづつ入れながら混ぜます
10.再度強火で加熱しながらネギを入れ、ひと煮立ちしたら完成です
完成
ネギに余り火を通さないのがポイント

肉の代わりに豆ということで味わいがどうなるかと心配だったのですが、顆粒豚骨スープのお陰で動物性の旨味を追加したので物足りなさは一切ありません、逆にさらっとして食べやすいくらい、さらに胃腸に優しくカロリーも押さえられるので1石3鳥。すごい。
ちなみにテンペはちゃんと炒めておくことで固さがしっかりするので小気味よい食感になります。カリホク。
豆板醤等の味付けは人の数だけ流派があると思いますが各自適当に適度な配分を見つけていただけると幸いです。テンペがあっさりなので心持ち強めの味付けが吉。

総評

1.使い勝手が良い
発酵食品とは思えない癖のない味わいとどんな料理にも合うタンパクさを兼ね備えているのであらゆる料理に使えます。あなたのアイディア次第、大体の味付けに合います。

2.かさ増し性能
ボリューム出しに最適。特にスープやサラダの具に使うと一気に食べごたえが出て栄養を補完できます。

3.低糖質、高タンパク、高食物繊維
ケトンダイエットをしているようなハードコアダイエッターにもオススメできる優秀なPFCバランス
はかなり高性能。プロテインバーのような栄養成分比率ですが大きな違いは料理に使える点、味気ないプロテインと違い様々な形で料理に用いて楽しく補給できるのは筋トレ野郎には嬉しいのでは無いでしょうか。取りづらい食物繊維がドサッ取れるのもgood。

4.ベジタリアンにも
代替肉的な使い方もできるのでベジタリアンの方にも良いのでは。

5.地球を救う
代替肉文脈で言うと、家畜を養うのに大量の穀物が必要になったり家畜の出す温室効果ガスが莫大な量だったりと肉食文化が地球にかけている環境負荷は深刻なもので、その解決の一つとして動物肉→植物肉へのコンバートがあり、代替肉としてのテンペの果たせる役割はあるのでは無いでしょうか。こういう問題に興味のある方は是非。



という訳でテンペ。非常に美味しくて面白くて使えて地球も救えるマルチな食材ということがわかっていただけたでしょうか。
百聞は一見にしかず是非とも試していただきたい一品、冷蔵庫に常備しておいても良いと思える使い勝手の良さです。(冷凍も効きます)


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