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とある自死遺族の四十九日までの備忘録

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父が亡くなってから四十九日法要が終わるまでの、私や家族の日々とその思いについて書いていきます。
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2022年3月の記事一覧

9.父にさようならを

9.父にさようならを

自死ということもあり、また世間的には
コロナ禍であることもあって、祖父母と叔父、母も皆
親戚や知人を呼んでの葬儀は望まなかったため
家族葬という形を取ることにした。

お葬式の当日、お経が読み上げられたあと、
肉体だけになった父の最後の見納めとなって、
家族みんなで嗚咽が出るほど泣いて、
それから棺の蓋をして、
霊柩車に遺影をもって乗って、
母は後ろの棺の隣に位牌を持って座って。

両親にはいろい

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8.死化粧師

8.死化粧師

薬剤によって防腐処理は施されるものの
どす黒くなった顔色が
もとの明るい色に戻るわけではないため、
エンバーミングの一環として、
化粧を施す行程がある。

いわゆる「死に化粧」というやつである。
これが、本当に素晴らしかった。

死化粧師の方が
父の白髪の増えていた数ミリカットの
まだら禿げの髪を黒く染めて、

生前ほとんど整えたことのない眉を
ほんの少し整える程度切りそろえ、

頬や額や唇には化

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3.誰がどこにどうやって?

3.誰がどこにどうやって?

現場検証も終わりを迎え、気づけば夜になっていた。

白い袋(納体シートというらしい)におさめられ、
玄関とリビングにわたる床に置かれた担架に乗せられた
顔の見えない父の体を目前にしたときには、
あの大きな頭を前に、座り込み泣いてしまったけれど。

それが本当に父の体だという実感はもちろんないまま、
「これは父の亡骸なのだ」という頭だけの理解があった。

担架に乗せられた父の遺体は、
裏口から警察の

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4.道化の私とばあちゃんの思い

4.道化の私とばあちゃんの思い

検視結果が出るまでの間、何時間か待った。
どれくらい待てばいいか、というのも、
遺体の状態によって変わるらしい。

「状況によって、
 今夜中に終わるかもしれませんが
 日付をまたぐ可能性があります。
 深夜0時までに連絡がなければ、
 翌朝に連絡が来ると思ってください」

待つ間、隣の祖父母の家で夕飯を食べ、
みんなで待った。
こんな状況で腹が減るわけもなかったが、
それでも何か口にしないと、と

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5.変わり果てた父との面会

5.変わり果てた父との面会

深夜0時近くなって、
検視結果を伝える連絡が母のスマホへ入った。
当たり前だが他殺などではなく、
自ら命を絶ったと思われる、とのことだった。

検視を終えた父の遺体は、
葬儀場の霊安室へ運ばれた。

こんな状況だから、しばらく家族一緒に
居たほうがいいというのと、
忌引きでお休みも頂くことになるだろう
ということで、妹が借りているアパートに
服やらなんやらを取りに行った帰り、
深夜1時ごろに葬儀場

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6.遺影選びと、葬式の手配

6.遺影選びと、葬式の手配

亡くなった当日の夜中
最初の父との面会の後に
葬儀の手配についてスタッフの方と話した際

「遺影をどうするか、決めてきてください」
との話があった。

「遺影の写真と、その他に
 故人様のお写真を20枚までお預かりしまして
 それを、スライドショーにして
 お式の前にお流しします。よろしければ」

せっかくだからと
葬儀手配の打ち合わせ時間までに
あまり多いとは言えない父の写真を
12枚ほど見繕っ

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7.エンバーミング

7.エンバーミング

葬式の手配を行った翌日には
「エンバーミング」という処置を、
父の亡骸に施してもらった。

日本でいう死に化粧に近いものがあるが、
もっと医学的に体を衛生的に
綺麗に保つための処置である。

日本ではまだそこまで
認知度の高いものではないようだが、
アメリカでは、葬儀を行う人の90%以上が
これを行うと言われており
一般的となっているものなのだそうだ。
(それぞれの土地の風習や、信仰する宗教にもよ

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