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【沼が深い】BL漫画レーベルポジショニングマップ2020

今や日本のみならず、世界にもBL愛好者・腐女子が多く存在する。年々上昇する消費者のニーズの高度化・多様化はBL作品も同様に現れており、毎年新たなBLレーベルが誕生していることをご存知でしょうか。

今回は、BL雑誌(紙・WEB媒体含む)やレーベル、出版社の作品傾向をマッピング! ちるちる編集部のBLソムリエたちと共に「あーでもないこーでもない」と議論を交わし、「BLポジショニングマップ」を作成しました。

▼レーベルの好みや傾向の診断はこちら▼

チャート

クセのある味わい「パクチー系」

パクチー640


新たな性癖や社会トレンド、時代のサブカルに合わせた作品を生んでいる、「パクチー系」。

"王道"と呼ばれるようなストーリー展開とは一線を画すような驚きの展開や、生々しく深い心理描写と言った、チャレンジが見られる。そのためか、クセが強い作品が生まれやすい傾向があり、読者によって好き嫌いは分かれやすい。

しかし、設定やストーリーに複雑性を好む目の肥えた読者が近年増える中、"ご都合主義"な展開を廃し、読み手に納得感を持たせるストーリーが生まれている。そのため20代〜50代のストーリー重視派が好むレーベルが多い。クセの強さやチャレンジ性はHシーンにも現れており、表現や体位に創意工夫が見られる。


パクチー系BLレーベルや出版社
※五十音順
※レーベルまたは出版社名はレーベルちるちるページ、()内は公式HP
arca comics(Jパブリッシング)
ihr hertz(大洋図書)
on Blue(シュークリーム)
equal(笠倉出版)
Qpa(竹書房)
コミックマージナル(双葉社)
cheri+ (新書館)
シャルル(メディアソフト)
ジュネット(公式HP)
PLACEBO(笠倉出版)
リンクス(幻冬舎)

パクチー系BL作品例


甘くトロけるハッピーエンド「ハチミツ系」

ハチミツ


ハッピーエンド率やセクシー度が高い作品が多い「ハチミツ系」。

セクシャルなシーンも甘々な描写で、1つの作品内において裸のシーンページ数も多め。中には、気づけば「この回は大体服を着ていなかった…」という作品も。Hなシーンが多くあるためか、読者の年齢層も30~50代と高めで、甘いストーリーかつ王道であるほど年齢層が高い印象。世界観はリアルな現代だけでなく、耽美な雰囲気のある作品も。セクシー表現に興味のある18歳~20代前半の若年層読者も少なくない。


ハチミツ系BLレーベルや出版社

Chocolat comics(心交社)
彗星社(公式HP)
gateau(一迅社)
Dear+(新書館)
drapコミックス(コアマガジン)
ふゅーじょんぷろだくと(公式HP)
BE-BOY(リブレ)
LiQulle(オーバーラップ)
麗人(竹書房)
花音は「リンゴ」レーベルに列挙

ハチミツ系BL作品例


エロ控えめで口当たりさわやか!「サイダー系」

サイダー

そもそもBLは「男性同士の愛」を描くジャンル。そのため、恋愛を軸にした作品がおよそ9割以上を占めている。

そのなか「サイダー系」は、恋愛だけではなく友情や人間の心理にも重きを置いており、爽やかな読後感を味わえる作品が多い。さらに、他レーベルと比較するとセクシー度も低いため、腐女子ではない一般読者に受け入れやすい傾向がある。「積極的に商業BL本を読む”腐女子”というわけではないが、BLを1つの作品ジャンルとして読む。TLや百合も読む雑食」といった読者も手に取っている。比較的、本棚に置いておいても安心(?)な作品傾向。

しかし、時代の流行とともに、サイダー系レーベルのなかからパクチー風味の作品も増えてきている。なお、サイダー系はセクシー度が低めな傾向であるが、同レーベル内でも作品によってセクシー度は幅があり、H系をメインに作られている作品もあるため、一般読者へおすすめする際は注意が必要。


サイダー系BLレーベルや出版社

OPERA (茜新社)
GUSH(海王社)
Canna (プランタン出版)
Jパブリッシング(公式HP)
Daria(フロンティアワークス)
MARBLE COMICS(東京漫画社)
Chara(徳間書店)
白泉社(公式HP)
ルチル(幻冬舎)
シトロン(リブレ)

サイダー系BL作品例

『ひだまりが聴こえる』作:文乃 ゆき

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少女マンガ読者→BL読者への登竜門!?「リンゴ系」

りんご

主人公が男同士ということを除けば、設定やストーリーが少女漫画と近しい読後感を味わえる「リンゴ系」。

セクシーなシーンや突出した個性派控えめだが、苦手な人が少ない甘い味わいは、まさにリンゴ。食べれば、甘さと爽やかな酸味で胸いっぱいになれる。少女漫画読者にとっても初めてのBL漫画入門としてもおすすめできる作品が多い。主人公たちの出会い〜波乱〜ハッピーエンドといった、いわゆる王道のストーリーが展開するため安心感がある。10代〜20代と比較的若年層が読む傾向。そしてWEBで無料で読める雑誌として展開している出版社・レーベルが多く、作品を手に取る門戸が広い。潜在的な商業BL読者とBL本の貴重な接点となってBL読者が増えるのではないかという期待があり、BL業界にとって今後なくてはならない存在になるかもしれない。


リンゴ系BLレーベルや出版社

Cmoicフルール(KADOKAWA)
ハニーミルク(講談社)
.Bloom(発行:ホーム社/発売:集英社)
メロキス(発行:ホーム社/発売:集英社)
花音(芳文社)

リンゴ系BL作品例
『ゴールデンスパークル』作:鈴丸みんた

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今回ピックアップできなかった出版社・雑誌・レーベルは、次回以降の記事をお楽しみに!

※名称記載にあたって、正式名称より可読性を重視しております。
※レーベル名や雑誌名より社名の方が、読者が認知しやすいと判断し記載している場合があります。
※媒体の傾向を示したものであり、作品ごとの各指標の度合いは異なる場合があります。

edited by むきゃ

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サンディアスでは、豊富なBL業界の知見を元に腐女子向けサービス・コンテンツのアドバイスを行っています。

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