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破壊と創造、芸術の詩

目指す頂き 道はなく
辺り見渡す 道標みちしるべ
むさぼろうとも 追い求め
真摯しんしたろうと 道を失う

辿り着くのは 何時いつの日か
苦悩に怖れ 迷い、そむいた
駆け出そうとも 逃げていく
落ち着こうとも 我が身いざな


にらんだ先の 真実まことを照らす
灯りがあれば 良いものを
期待するなよ 望むなよ
近道、脇道 進むがままに

宵の月見りゃ むくめく騒ぐ 
画に向かおうか 酒でも飲むか
この鼻先に 月夜の先に
欲情き出し 想いはせる


澄んだ視線に 腰は引け
情けにすがり 甘えて眠る
夜更けに一人 立ち向かえども
孤独に焦り 筆先、迷う

破壊と創造 目指す先
追い求めるは 美の境地
辿り着くのか 果てるのか
荒涼たる世に 我を問う


【現代語訳】
目指す目標、理想は遙か彼方の山頂を目指す様で、そこへ至る道などない
道を迷いそうになって辺りを見渡しても、道標となりそうなものもない
俗世を貪りつつその頂を目指す者もいれば
真摯に打ち込みながらも道を迷う者もいる

果てしない彼方をじっと睨んでみたところで
真理を照らす灯りなどある訳もない
成功など、何も期待してはいけない
成功など、何も望んではいけない
近道なのか、脇道なのか、思うように進んでみて分かるのさ

宵の月を見ると心がざわつくのだ
芸術家であれば画板に向かおうか
いや、酒に逃げてしまおうか
酌する指先見つめてみても
月夜の星々は遙か彼方の遠くにある
我がものにしようと、剥き出しの欲望が暴れ出す
心が騒いで抑えられない

貴方の澄んだ視線は刺さって胸が苦しい
自分の至らなさを恥じるのみだ
どうか今日はその胸で安らかに眠らせて欲しい
夜更けに目が覚め、もう一度立ち向かおうかとしてみたが
孤独の影が私を襲い、筆先が震えてしまう

破壊と創造が目指す先にこそ
我々が追い求める美の境地がある
何とか辿り着くことができるのだろうか
それとも途中で息絶えてしまうのだろうか
荒涼とした世の中に、自分の作品がどれ程のものなのか、
ぜひ評価してもらおう

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