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春風に揺れる

遠くにありて 近くに想い
季節過ぎたは 幾度目いくどめ

別れの言葉 言えずの言葉
心ざわめく 春の風

情も無情も 無常の中に
恋も想いも 同じ事

抜け殻抱え 起き出せよ
啓蟄けいちつの日に 空を見上げた




【現代語訳】
離れて遠くに行ってしまった貴方のことを
今でも時々、すぐ隣にいるように思ったりもします
そんな風にして僕は何年の年月を過ごしてきたことでしょう。

別れの際に言われた言葉、僕の言葉、そして言えなかった言葉
今も後悔の想いに襲われ、春の嵐は僕の心をざわざわと切なくします

人の心の有り様は様々ですが、悲しいことにやがて時が過ぎれば
無常としてうつろう世界に消えていくのでしょう
僕のこの恋も、この想いも同様に

そして僕には何ができるのか 考えないと
今日は啓蟄の日で 動き出すには良い日だ
空を見上げて ふと懐かしんでみた


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