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都会か田舎か

将来、どこでも住めるならどこに住みたい?と聞かれたら、いつも、青山!とか代官山!ちょっと離れるなら二子玉川!とか言うような人間だった。


でも、私の周りの人ってだいたい、

「将来は都会の喧騒から離れて田舎で暮らしたいな~」とか

「村に移住するとかどうだろう?」とか

「鎌倉はお洒落で自然も海もあっていいよな~」とか

そんなことばかり言うのだった。


そういう人があまりにも多いので、それを聞いて私は「そ、そうなんだ…」と、自分の考えを改めるようになった。

もしかしたら、都会で暮らしたいって田舎者みたいでダサいのかな…ミーハーなのかな…若いのかな…

他にも「渋谷なんて嫌いだからめったに行きませーん」とか「新宿なんて汚いしやることないし人多いし…最悪」とか都会批判をよく聴くので、じゃあ私も!!!!という感じで「都心なんて行かないよ~」というスタンスになってきていた。

まあ、都会は確かに人も多いし、怖い人もいるし、うるさいし、疲れるのかもしれない。


じゃあ、田舎が好きっていうんなら、私って海派なの山派なの?って考えると、正直、海も山も年に一回行けば十分なのだった。

山登りやキャンプなどのアウトドアは、準備が大変なイメージで、一から自分で準備してまでやりたい!と思えないし、

鎌倉の海で飲んだり、BBQをしたりサーフィンをしたりっていうのは、お洒落だけど文化的というよりかは、もうちょっと軽い雰囲気がして、人種が違うなとよく感じるし…

確かに自然は好きだけど、街の中にある大きな公園が好きなのだった。(代々木公園とか芝公園のような)そこでお酒を持ち寄って何かを食べたり寝転んだり。

これって本当に田舎好きか…?とまあ、そんな違和感を覚えながらも、都会よりも田舎だよね!の人々になんとなく合わせて過ごしてきていた。


ところが、先日、表参道の美容室でパーマをかけたときのこと。

私の髪を担当してくれている美容師さんは女性で、淡いピンク色の髪の毛。個性的だけど力の抜けた自然体のファッションで、雰囲気があって、気さく。結構、憧れの人だ。

彼女と会話をしていると「渋谷、よく行く?」と聞かれた。

私はいつもの感じで「え、行かないですよ(笑)」と言った。

すると、彼女は「じゃあ新宿とかの方が行くの~?」と真っすぐな目、笑顔で言ったのだった。

私は驚いた。てっきり「行かないよね、人多くて疲れるもんね」という返事が返ってくると思っていた。よく耳にする、都会行くのダサいよね、的な風潮の。それを見越しての「行かないですよ(笑)」だった。

彼女は「私、いつも渋谷行っちゃうんだよね。渋谷なら何でも揃うって思っちゃう」と平然と会話を続けた。

そして、今まで住んでいた街も、三茶とか中目黒とかとにかく都会!なのだと言う。「田舎者だから都会がいいんだよね~」と。

それを聞いて、「わ、私は今まで何を取り繕っていたのだろう…!」と気づかされた。ドキリ。

彼女は何にも捉われず、思ったままを笑顔でけろりと発言していて、なんだかかっこよかった。

私もこんな風に、普通に「都会が好き!」と今まで言っていたかった。


だって、そもそも、私の趣味って高校の頃からずっと散歩・街歩きだ。

適当な駅で降り立って、駅から駅へと歩き、途中で気になった店に入ったり、変な建物を発見したり、美味しそうなご飯を食べたり、お茶をしたり。本当にぶらり途中下車の旅のような感じ。

隣同士の駅だったとしても、その街ごとに雰囲気や、人、店なんかが全く違うので、街それぞれの空気を感じとりながら歩くことが好きだ。情緒がある。そうやってずっと歩く遊びをしてきた。

それって、都会じゃないとできないことだよなと思う。


渋谷だって本当は好きだ。
スクランブル交差点の前に立って見上げると、とてつもない人工物感があって面白い。
ビルが並んで、人がうようよと蠢いて、スクリーンに映し出された沢山の映像。未来感。人が明らかに作りましたよ、文明は発達していますよという感じ。かなり好きだ。
この街に降り立つ度に、いつも圧倒される。かっこいい、と思う。
これから誰かと出逢って、何かが始まるような予感さえする。

青山や代官山には最先端のアパレル店があるし、本屋の品ぞろえはマイナーなものまであって素晴らしいし、料理屋も粋でかっこいい。大衆ウケやわかりやすくはない、本当に創りたくて創っているようなクリエイティブの最先端を感じられるから、好きなのだ。都会。いいよね。東京。

田舎には田舎の良さがあるのだろうけど、住んだことがないので、正直まだあまりよくわかっていない。
私は今のところ、田舎でのんびり景色を眺めてゆっくり過ごす日々より、刺激的な人々に囲まれて向上心を持って努力していきたい人間なのだろうと思う。(もちろんお金や欲望にまみれるのは嫌だけど)

どっちにしろ、自分に素直に生きるのが一番!ですね。

五月は暑くなりすぎず、梅雨にもなっていないし、散歩に最適。
せっかく東京に住んでいるのだから、知らない街へまた、繰り出そうと思います。

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