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兎に角、地方では「只で教えてもらって、当たり前!」が罷り通るところが、情けない。

 新聞社を経て、起業したのが1990年の10月だった。マルチメディアを柱に、本格的なCG制作、そしてインターネット事業、仮想現実世界、PodcastsやUstream番組制作と、投入した機材は現在に至るまで○億円である。

 お陰で、死語になったニューメディアからマルチメディア、クロスメディアと、デジタルメディアの黎明期から着手することができ、とてもタイムリーにデジタル世界を突っ走って来た感がある。

 ところが、地方において「只で教えてもらって、当たり前!」という、非常にケチな考え方に遭遇した時、驚きの色を隠しきれなかった。現在でも同様に、お代を払わず、只で聴きまくる人も少なくはない。

 本来ならば、○億円も投資して来たのだから、筆者が持ち合わせているノウハウは、手前味噌ながら、薄っぺらいものではない。それを、厚顔無恥に「只」で質問攻めされると、正直、心地良いものではない。

 起業当時、筆者が力を入れたのは、インタラクティブ・マルチメディアの世界である。それに加え、DTPを探究する日々が続いたのだが、数社の印刷会社からの相談事や視察依頼が多かった。

 ところが、地方の経営者は、「只」で聴いたものを、そのまま真似して、同じ機材を導入したり、競合するネット事業を3000万円もの助成金を貰って始めたりと、何とも理不尽なる動きをするところが多く、愕然としたものである。これこそ、プチ・産業スパイである。

 本来ならば、正式に研修会を開催し講師として招聘するなり、しっかりとした対応をすべきところを、どたどたと土足で上がり込み、筆者のノウハウを手土産として、「只」で持ち帰るのである。

 勿論、安易に機材を真似したとしても、根幹となるものは教えることはないので、筆者と同レベルのことはできないが、それにしても、地方においては、「只で教えてもらって、当たり前!」が罷り通るのだ。

 ICTセミナーについても、しっかりと研修費を支払い、真面目に学ぶ人も多い中、「只で教えてもらって、当たり前!」の人間もすこぶる多い。上っ面ばかりを真似して、ICTの似非プロのような顔をしているが、失笑ものである。

 昔から、「只より高いものはない」という教えがある。これは、「無料、無償だったり、激安なものは、後になり相応、又は、それ以上の対価を支払うことになり、世の中は、そんなに都合良くできてはいない!」ということになる。

 それでも、地方では、こと熊本では、「只より高いものはない」という戒めなんぞ関係なく、「只で教えてもらって、当たり前!」が主流となっている。

 皆さんも、長きにわたり培って来たノウハウを、お人好しにて「只」で提供することはオススメしない。必ず、対価を支払ってもらい、確とノウハウを提供いただければと思うばかり。それがビジネス領域であるのならば、尚更のことである。

 蛇足ながら、「只で教えてもらって、当たり前!」をこよなく愛する人たちは、馴れ馴れしく近寄ってくる人物に多いように思えてならない。その人物は、元々ケチな性格なのかもしれないが、そのパターンを繰り返して、日々過ごしている。御用心、御用心。


熊本ホテルキャッスルのビーフカレー
九曜杏料理長がカスタマイズした激辛カレー

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