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(コラム)勝負を分けるのは何%の違い?

今回は軽めの記事を。記事というより呟きに近いです。

自分には、陸上(100m)に打ち込んでいる大学院時代からの友人がいます。
生活の全てを陸上に捧げていると言っても過言ではないぐらい努力をしていて、高校時代は無名だったにも関わらず、弛まぬ努力の結果、大学院修了時には実業団に入団するまでに成長していました。

そんな彼が在学中、全日本インカレの標準記録にあと0.01秒まで迫っていながらも、期日までになかなか突破できず、悶々と思い悩む姿は今でも覚えています。

たったのゼロコンマ数秒、わずかな差が決定的に明暗を分ける世界。
シンプルながらもそのわずかな差を作る為に数か月以上かけて準備をする、陸上短距離という競技の深淵を垣間見せてもらったような気がしました。

で、自分の競技はどうなんだろう、と思ったのが今回のお話です。

バレーボール競技の分析をしていて、データ眺めながらいつも思うことがあります。

それは、この1%の差にどれだけの重みがあるのだろうか、ということです。

バレーボールは基本的に、アタック決定率が高いチームが勝つことが多い競技です。公式の帳簿をざっと眺めた感じだと、V2女子ではアタック決定率で5%ぐらい相手を上回れば、8割以上勝てる印象です(ただし相手のサーブやブロックの数字が良ければひっくり返されることもあります)。でも、5%って、20本のうちの1本なんですよね。その20分の1本にそんな勝負を分けるほどの重みがあるのかなあー、と。

フルセットの試合をするとアタックの打数が200を超えるので、そうなると決定率が5%違えばアタックによる得点だけでおよそ10点の差がつく。バレーボールの試合は実力が同じぐらいなら、大体2~5点差、開いても25-18ぐらいで収まります。ということは、「10点(=フルセットにおけるアタック決定率5%の差)」あれば、負けていたはずの1~3セット分ぐらいをひっくり返す力があるということになります。

確かにそう考えるとアタック決定率5%ってすごく大きいような気がしますが、実際はここにサーブやブロックによる得失点も加味される訳で、そう考えるとやっぱりアタック決定率が数%高いチームの勝率、高すぎない?と自分的には思ってしまいます。

今書いているブレス浜松の記事も、スタッツの数字上もっと差が出る気がしていたのですが、意外とブレス浜松と他のチームで差が少なかったなあというのが正直な感想です。


もちろんカテゴリによっても数字の持つ意味は変わってくると思います。
Vリーグ男子だと、お互いのアタック決定率が50%を超えることもあるので、その世界の5%の差と、アタック決定率30%前後の女子バレーの世界の5%の差、それぞれ重みが変わってくるでしょう。

このあたりの感覚は、数学というか、統計的というか、その辺りの基本的な知識から養っていかないとなあと思う今日この頃。

なにはともあれ、数字はあくまでも仮説を立てるため、または仮説を検証する手段で、結局は試合を何度も何度も観て、自分の頭で汗をかくことを忘れずにいたいです。

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